同時通訳者、企業英語トレーナー、朗読家――英語の世界で活躍する方々に、ご自身が実践するトレーニングやおすすめの発音練習法をご紹介いただきます。第3回は朗読家として活躍する青谷優子さんです。
皆さんは「発音をよくする理由」を考えたことがあるでしょうか。
答えは「コミュニケーションを円滑にするため」です。発音がクリアでなかったり誤解を招く音を出したりしていると、聞き手は一生懸命聞こうと努力します。話し手の発音が悪過ぎると、最終的に聞き手は疲れてしまい会話を続ける気がうせてしまいます。発音をよくするのは「聞き手への心遣い」でもあるのです。
私はいわゆる帰国子女で9歳から英語を使っています。このためLとRに特化したような発音訓練は受けたことがありませんが、英語アナウンサーになってからは、人に伝わりやすい発音のためのトレーニングを日常的に行っています。朗読家として活動する今も同じです。
浴びるように聞く
自分の発音をよくするには「耳」をよくしないといけません。聞き分ける耳がないことには正しい発音を再現することができないからです。このために私は毎日オーディオブックで小説の朗読を聞き、インターネットで英語ニュースやスピーチを聞き、映画やドラマを見て「違いのわかる耳」をつくっています。このような「文脈から聞いて」覚えた英語には内容、ストーリーが付随していますから単に単語だけを暗記するより記憶に残ります。内容に応じたイントネーション、文章の中のリンキング(音の連結)などの英語の音を体で覚えることができるというわけです。
毎日声に出して読む
私は今、SNS上に Through the Looking-Glass(鏡の国のアリス)の朗読をアップするという活動を続けています。最後まで読む! という目標を自分に課すことで、訓練に最も大切な「継続」が可能になります。朗読では聞きやすい、丁寧な発音を心掛けますし、内容が伝わるように読みますから、文章のつながりを意識し発声、表現などの工夫を行います。毎日声に出すことで滑らかな聞きやすい英語になっていきます。
修正 ">自覚と 修正
思い込みや細かい発音の違いを自覚して 修正する のは容易ではありません。誰かにチェックしてもらうことも必要です。
まず原稿を音読して録音します。次にチェックをしてくれる人に原稿と録音音声を渡し、原稿どおりにすべての単語を聞き分けられるか、確認してもらいましょう。聞き取れない、もしくは間違った発音の単語に印を付けてもらい、印の付いた単語の発音と正しい発音の「違い」を確認します。客観的な意見を素直に受け入れ、正しい発音に近づけるような工夫をしていきましょう。
発音は すぐに はよくなりません。「聞いて、声に出して、 修正 」。このトレーニングを続けましょう!
青谷優子(あおたにゆうこ) NHKでリポーターやキャスターを担当した後、NHK国際放送局(NHKワールド)のニュース番組メインアンカーとして活躍。並行して英語文芸の朗読番組の演出・制作・出演を務め、日本文学を海外に紹介した。2015年2月に独立。朗読家、バイリンガルアナウンサー、英語コミュニケーション講師として活躍中。
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