英語スピーキングのお悩みに同時通訳者の横山カズさんが力強く回答!

英語スピーキングのお悩みに同時通訳者の横山カズさんが力強く回答!

2020年7月13日~8月3日に募集したキャンペーン「あなたの質問にプロがお答えします!英語のお悩み相談室」はおかげさまで多くの方にご応募いただきました。ありがとうございます!今回は編集部が厳選した8名の方の質問、スピーキングに関するお悩みに、「写真でエモ大喜利」でおなじみの同時通訳者の横山カズさんが回答します。

▼「英語のお悩み相談室」キャンペーン内容についてはこちら!

目次

Q:英語を聞き取ってもらえない。発音をよくするコツはありますか?

英会話スクールに通ったり外国人の知り合いと話したりしてスピーキング能力を磨こうとしているのですが、自分の発音が悪いせいで伝わらないことや聞き返されることが多いです。英語の音声を聞きながら発音をまねしてみたり、発音記号について勉強したりしているのですが、なかなか上達しません。

――さつき様(英語レベル:中級)

A:発音記号を使ったトレーニングが有効!「実際に発音する」「自分の音声を録音する」「修正する」流れで練習してみよう。

発音のせいで相手に通じないと悔しいですよね。そのような場合は、やはり発音に特化して練習することが効率的です。

「音声を聞いてまねる」方法は、はっきり言って効果が薄いかもしれません。聞いたままの音声を再現できるなら、「通じない」という問題は起こりませんよね。

おすすめしたいのは、発音記号をフルに活用することです。発音記号を知識として知るだけではなく、「実際に発音する」「自分の音声を録音する」「修正する」といったプロセスを踏む練習で発音は見違えります。

各単語の第1アクセントの部分はキーが高く発音されることを知っておくとよいでしょう。第1アクセントの位置を把握して、声に出して練習すれば、それだけでも格段に通じやすくなるはずです。

また、音声のリダクション(脱落)やリンキング(連結)のパターンを徹底的に練習することもスピーキングでの通じやすさとリスニング力を同時に向上させる手段として非常に有効です。

腕試しに、英語の発音の資格に挑戦してみることもよいでしょう。やる気と実力を高めるにはよい手段です。国際英語発音協会の英語発音テストであるEPT(R)などを受験して、客観的にスコアで実力を測り、発音の詳細な評価を受けることも非常に有効です。

Q:日常生活に習慣的に英語をとりいれる方法を教えてください。

日常生活の会話、ニュース、映画、ドラマなどで英語に触れたいのですが、いつもテキストでの学習で止まってしまいます。

――Okie-san様(英語レベル:上級)

A:動画を見て、そのコメント欄にある英語でのやりとりを読んでみましょう。

ニュースや、日常会話、映画などを理解して楽しめるようになりたいものですよね!

私がおすすめする方法は、一般的な教材の英語から少し離れて、もろに英語の映像を体に取り込んでしまうことです。

例えば、自分のお気に入りの映画やドラマのタイトルをネット検索すればたいていの作品のスクリプト(台本)が見つかります。「タイトル+script」で検索してみましょう!

そのスクリプトを、発音(第1アクセント、リンキング、リダクション)に徹底的にこだわりながら音読して作品を一本丸ごと心身に取り込んでしまうのです。

まずは、音声を聞かずに発音を意識して音読練習し、その後でその音声を聞いてみましょう。自分の発音とのギャップに驚いたり、上手くできていることに喜びを感じたりすることによって、心身に取り込まれていきます。

音声を使わないときは黙読をして内容とそこにあるストーリーを深く徹底的に味わうようにしてみましょう。

練習を繰り返すうちに、音声の変化、トーンの変化、スピードの緩急、感情と英語の連動、教材ではなかなか出合えないタイプの表現やスタイルが有機的につながり体系化された状態で身に付きます。一本の作品に最低でも1カ月は取り組んでみるとよいと思います。

日常生活で英語に気軽にしかもしっかりと触れられる、もう一つの方法は、YouTubeで動画を見て、そこにあるコメント欄にある英語でのやりとりを読んでみましょう。その動画はコメントをしている人たち全員(読んでいるあなた自身も含めて)が共通して興味を持っている事柄なので

面白いように内容が頭に入り、記憶することができます。

また、書き込みは基本的にその場の瞬発的な感情を伴って書かれているのでスピード感とリアリティーにあふれています。

それはすなわち「思いのままに、口をついて」発された本音の英語です。これらのコメントのやりとりを読んで楽しんでいればいずれ、「私も書き込んでみよう!」と思う時もやって来ます。こだわりや興味のあるトピックほど、「反論しなければ!」というモチベーションは上がるでしょう。自分自身でも書き込んで議論に参加すれば、日常での英語との関わりは手軽かつ非常にエキサイティングなものになると思います。ここに至って、映画やドラマで覚えたナチュラルな英語は実践の機会を得ることになります。

Q:英会話ができるようになったブレークスルーを実感したきっかけは?

外資系企業に勤務。ノンネイティブ、ネイティブ共に早口だったり、知らない語彙が出てきたりすると聞き取れず理解できないことが多々あります。(アルクの教材)「ヒアリングマラソン」を始めたばかりです。ブレークスルーは訪れますか?

――Eri様(英語レベル:上級)

A:相手が笑ってくれるような話し方ができるようになったとき。リスニング力が伸びたと実感したとき。

英会話の上達のブレークスルーの感じ方には私の場合、いくつかのパターンがありました。

1つ目は、初心者の頃でとにかく話が通じたり、相手が笑ってくれたりするなどポジティブな反応があったときです。

2つ目は、リスニング力が伸びたと実感したときですね。

振り返ると、私は次の2つの練習法を実践していました。これらの2つを組み合わせることがブレイクルーへの最短距離だと思います。

  • できるだけ辞書を引かずに、類推力をフル稼働させて英語をどんどん読み進む

実践の会話では辞書は使えないので、ここで大量の英文を高速で目から処理できるようにする、というのはリスニング力の強固な下地となるのです。

  • リーディングで取り込んだ英語を音声でも認識できるように英語の発音を徹底的に練習する

私は音声面で練習を開始したのが年齢的に遅かったのですが、「自分の発音が向上すれば英語の音が格段に聞き取りやすく」という事実を知り、行動に移したことでブレークスルーを味わうことができました。

Q:英語はそれなりに話せて読めるのですが、唐突に外国の方に英語で話されると緊張して言葉が出てきません。

結局身振り手振りでなんとかその場をしのいで、後で後悔しています。英語で話し掛けられても緊張しないためにはどうすればよいでしょうか。自分から英語で話し掛けることができるくらい緊張しないようになりたいです。

――アルマン様(英語レベル:上級)

A:使いまわしができるオハコの「型」をマスターしよう。

そのお気持ちよくわかります。私も昔はそうでした。

ここで有効な作戦は、不意打ちに対して冷静に対応できる、使い回し(応用)が利きやすいオハコの「型」をマスターしておくことです。

英語で突然話し掛けられてもその型を使えばいいのです。そのとき、「今私は確かに英語で冷静に対処している」という実感と、その型で話すことによって時間稼ぎができ、「状況を把握」し、「次に何を言うべきか」という判断も行うことができるのです。

オハコの「型」については、「同時通訳者の『聞きながら、訳す』テクニックで英語力を上げようという記事で詳しく紹介しています。

このようにして余裕を得ることができれば、次第に「型」を意識しなくても、自由に英語で話すことができるようになっていきます。

Q:リスニングやリーディングはそれなりにできますが、話すと発音も文法もめちゃめちゃになります。

スピーキングが上達する方法を教えてください。

――むい様(英語レベル:上級)

A:英語の「語順」に慣れよう。音読が上達の決め手になる。

リスニングやリーディングでは腕に覚えがあるならば、スピーキングで鍛えるべきことは、英語の「語順」に慣れることに絞られると思います。これは、やはり音読が上達の決め手になります。

自分が共感できる内容で、会話に使える自然な英語で書かれている英文を徹底的に音読するようにしましょう。その際に、英語の音声、発音にもこだわっていけば、一度の音読練習で非常に多くのものが得られます。具体的には、次の要素を一気に向上させられます。

  • 通じるクリアな発音
  • 英語の音声をキャッチできる聞き取りの力
  • 話す時の文法の正確性
  • 流ちょうさ
  • 語順への慣れによるリーディングの高速化

英語は究極的には、「A is B」「A does B」という構造で成立しているので、その構造に体が慣れるまで練習すればよいのです。練習の際は、一度に使用する英文の量を少なめにして反復の回数を増やすのがポイントになります。

Q:英検1級のライティングができる語彙力を付けたい。

英単語を見て日本語訳が頭に浮かぶのではなく、日本語から英単語を複数浮かべられるようになりたいです。

――ピーナッツ様(英語レベル:上級)

A:「これは英語でなんというか?」と自分に問うことを習慣化しよう。

私の場合は日本語で何かを読むときに常に「これを英語でなんというか?」と自分に問うことが習慣になっています。そしてよい訳が思い浮かんだら躊躇(ちゅうちょ)せずに思い浮かんだ英語を本に直接書き込んでしまうのです。

その本を古本屋に売ることはできなくなりますが、その本を開くたびにその時の言葉を英語にした発想の流れを追体験することができます。

また、「英語の表現を思い付いたら書き込む」という行為自体が英語の発話の瞬発力を驚くほど向上させてくれるので、おすすめします。

もし英語学習を共に行う仲間やライバルがいるなら、「この日本語、君ならどう英語に訳す?」といつも問い掛け合うことも非常に有効です。SNSでやることも楽しいでしょう!これによって自分だけではなくほかの人の発想にも触れることができ、楽しみながら英語を思い付く力がどんどん向上します。

これらのプロセスの中で、「日本語から英単語が複数浮かぶ」という現象は避けようがなく発生することになります。

Q:スピーキング力向上に「英語で独り言」が効果的と聞きますが、本当ですか?

最近は同じことばかりつぶやいていて、向上していない気がします。何かよい方法はありますか?

――ゆいちょん様(英語レベル:上級)

A:自分の話しぶりが客観視できたら、それと同じような内容の英語に出合うようにしよう。

会話では、話し相手によって話の流れや内容は千変万化しますが、それでも自分自身の話し方や内容の「クセ」は見えてくるものです。

「私ってこんなパターンで話しているのか!」

「自分でも驚くほど同じようなことばかり話してるんだな・・・」

のように自分の話しぶりが客観視できたら、それと同じような内容やパターンの英語に出合うようにしていけば、もうスピーキングは伸びざるを得ないはずです。

具体的には、普段から「自分が思い、考えている内容に近い内容、表現」を見つけたら、それをストックしていきましょう。

興味のある英文記事、(特にインタビュー記事が会話体なので実践的です)、を読んでいれば、必然的にそれらの表現にはたくさん出合うことができます。

「これこそ私が言いたい内容だ!」「これを英語で言いたかった!」と強く思うことができれば、反復練習しなくても一瞬で記憶に刻み込まれ、話したいときには瞬間的に思いつくことができます。

スピーキングを伸ばしたいならば、英語のインプット(リーディング、リスニング)はあくまで自分の興味を中心にして行いましょう!そのようにして手に入れたり作り上げたりした英文を音読すれば、それらは自分の性格や感情と一体化して毎回少しずつ形を変えながら瞬間的に口から出てくるようになるでしょう。

Q:技術翻訳の仕事をしたいのですが、英語から日本語には訳せるものの、逆になるとうまく訳せません。

現在、TOEICは905点を取得しています。 カズさんは技術的な文章を日本語から英語に変換する練習をどのようにされたのですか?

――技術まん様(英語レベル:上級)

A:常に「これは英語ではなんと表現されるのだろう?」と自分に問う。

技術系の通訳や翻訳は、基本的には「直訳(word-by-word)」が基本となるので、知識と経験の蓄積と共にパフォーマンスは確実に向上します。

私の場合は企業などの現場に入ってその特定の分野に精通することを心掛けました。というのも、科学技術の分野の数は非常に多く、その一つひとつが恐ろしく細分化されているので、汎用的な学習で対応するのは現実的ではないからなのです。

私は新たな現場に入ると、前任の方々の英語や日本語でのメールのやりとりや、過去に蓄積された仕様書(specifications)の英語版と日本語版を両方とも徹底的に読み込んで、そして自分だけの用語集を作っていました。

「日本語から英語にする」ことを目標にするのであれば、日本語で読み込むことに専念しながら、常に「これは英語ではなんと表現されるのだろう?」と自分に心の中で問う問題意識を持つと、その後に英語で読んだ際に、

「これは日本語の〇〇に違いない!」

「これはきっと〇〇のことだな!」

と感動や興奮を持ってそれらの表現が記憶に残ります。

これに関して、もう一つの有効な方法は、「仕様書や技術文書を翻訳してみる」ことです。

最初は不完全でも構いませんので、「自分がどこまで訳せるか」実験してみましょう。文書を読んでは翻訳に挑戦し、課題が見えたらまた読んでインプットする、というように常に翻訳の対象となる分野で「日⇒英」の翻訳をする回路を頭の中に作り上げるつもりで練習しましょう。

このように心の動きと共に記憶した内容は英語でも瞬間的に思い付くようになっていきます。

横山カズ

横山カズ@KAZ_TheNatural 関西外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。同時通訳者。翻訳家。武蔵野学院大学元実務家教員。 三重海星中・高等学校 英語科特別顧問。学びエイド、リクルート・スタディサプリENGLISH講師。英語を日本国内で独学し、多分野で同時通訳者として活躍中。楽天では英語社内公用語化に貢献する。英語4技能・英語スピーキングのエキスパートとして日本全国で授業と講演を行う。発音テストEPT(R) 100(満点)。ICEE(国際英語コミュニケーション検定)2回優勝。英検1級。著書多数。英語学習オンラインサロン「FluentMind」(横山カズと直接話すリアルタイム英語スピーキングセッション)を主宰。https://www.opets.website/fluentmind