簡単な英語で笑いを取る「大げさ」と「優越感」のワザ2つ

「大げさ」と「優越感」簡単な英語で笑いを取るワザ2つ

吉本興業と立命館アジア太平洋大学共催の「APU M1グランプリ」インターナショナル漫才(日英両言語を使用)での優勝をきっかけに、バイリンガルMCとしてさまざまなイベントで活躍中のHalupachi(はるぱち)こと上小澤明花さん。連載「笑わせる英語」の第3回は、簡単な英語で笑いを取る「大げさ」と「優越感」のテクニックをお届けします。

ポジティブな思考は人から人へと伝染する!

Hello there! How are you doing?

少しずつですが、街の景色が以前のような活気を取り戻しつつあります。と、ほっとするのもつかの間。あっという間にホットなシーズンの到来ですね!

Covid-19(新型コロナウイルス)の流行によって世界中が外出を自粛していたときのように、例えば先が見えず不安な気持ちを抱えそうになったとき、私はいつもこのフレーズを頭に浮かべます。

Everything is gonna be alright!

すべてうまくいくさ!

自分が前に進みたいときや誰かを励ましたいときによく使える、大好きなフレーズです。ポジティブな思考やアクションは、笑顔と同様に人から人へと伝染するものです。今日もこの記事を読んだ一人でも多くの人が、前向きに笑っていられますように!

さて、それでは今回も引き続き簡単な英語を使った笑いの取り方についてご紹介します。

① 感情のギャップ

② 大げさな表現

③ 優越感の提供

前回の記事では①についてご紹介しました。今回は②と③について、具体的な表現方法を見ていきましょう。

大げさな数のテクニック

まずは、誰にでも共通してわかりやすい「数字を用いた大げさな表現」です。実際に笑いを誘った例を紹介します。

(50人規模の会場で)

Does anyone want to join me?

誰か参加したい人はいますか?

(挙手している人が5人ほどしかいない)

One, two, three, four … five hundred. Thanks.

(挙手している人を数えながら)1、2、3、4・・・500人。ありがとう。

上の例では、実際には少数の人しか手を挙げていないにもかかわらず、「5人」と終わる寂しさから逃れるかのようにhundred(100)と、あり得ない数字を最後に付け足します。

数字の大小が、現実とは明らかに違うこと(=共通認識)から、少し自虐的な意味も含められクスクスッと会場からは笑いが起きるのです

しかし、大げさな表現とはいえただ見当違いな数字にすればいいというわけではなく、上の例では「本当はそれぐらいあればうれしいのだけど」といったような、話し手の希望的なニュアンスが含まれていることが重要になっています。

このような数字の誇張はほかにも点数、値段、時間など、身の回りにあるさまざまな単位を表す際に当てはめることができます。

例えば次のワンシーン。

午前中のイベントで、スピーカーが何度もせりふをかんだり、言い間違えたりした後の言い訳として・・・。

Excuse me but I just got up 3 minutes ago, so ....

失礼。ちょうど3分前に起きたばかりなもので。(顔をたたいて見せる)

もちろんここでも、ビシッとスーツを着て壇上で時間どおりに話し始めたスピーカーが、起きたのが3分前であるわけがないという共通認識があるからこそ、会場からは笑いが起きるのです。ほかにも、実際とかけ離れた数字や単位で場が盛り上がる例を紹介します。

for 〜 weeks/months(〜週間/カ月)

I’ve been practicing how to drink water like a professional for 5 years.

どうすればプロフェッショナルな水の飲み方ができるか、かれこれ5年くらい前から練習しています

実際には数秒でこと足りることを、かなりの長時間を要すると言うのも、笑いを巻き起こすテクニックです。

「最上級」を使ったフレーズもあります。

the best ~ in the world(世界最高の~) 

This is my girlfriend who can do the cutest blink in the world.

こちらが、世界一かわいいまばたきができる僕の彼女です。

大して順位を付けたり評価したりするほどのことでもないことを言うときに、最上級を使ってみましょう。bestを用いることでシンプルに「最高の」を意味することもできれば、the longest やthe most beautifulのように 、形容詞にthe most ~や-estを付けて最上級にできる単語もたくさんあります。表現したい形容詞があればぜひ「最上級」を辞書で調べて、身の回りの出来事を大げさに表現する練習をしてみてくださいね。

the strongest … of all the primates(霊長類最強の)

She is the strongest mother of all the primates.

彼女は霊長類最強の母親だ。

比較対象や範囲を少し日常からズラすというのも、ちょっとした表現を大げさに、面白おかしくしてしまう秘訣(ひけつ)ですね!

このように身近なモノやコトをちょっと大げさに表現するだけで、突然、会話のスケールが大きくなり、非日常的な世界観へと巻き込むこともできてしまいます。

特に「笑い」は、日常とのズレがあるワンシーンから生まれやすいというのはよく言われている話で、こうした誇張表現は簡単に笑いを取る方法の一つとして、ぜひ覚えておいてください!

「優越感」を提供しよう

「優越感」すなわち自分の方が他者よりも優れていると感じるときに覚える快感

実は、この快感を利用して笑いを誘われた経験が、皆さんにも一度はあるはずです。そしてその多くは、話し手の自虐ネタによってさりげな〜く、提供されています。

例えば、朝食について話しているとき、会場のスクリーンで聴衆に下の画像を見せながら・・・。

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It was not supposed to be like this. I wish I could turn back time …

こんなはずじゃなかったんです。あぁ、時間が巻き戻せるものなら・・・。

… but you have done this before, right? No? Oh, yeah? … Good.

でもこれみんなやっちゃったことあるでしょ。え、ないって?へえ?あっそう。

ここではあえて、話し手が多くの人に対してあたかも自分だけ少しの劣等感を抱いているかのような状況を作り出し、聞き手の優越感を演出しています。

多くの人に、「ばかなやつだなぁ(笑)」と、思わせることができたなら。その瞬間に、winner(勝者)はあなたです。ニヤリ。

そうです。これはあくまで私の経験上による持論ですが、もしも他言語で、あるいは異文化を生きる人々の前で笑いを取りたいのであれば、ズバリ「誰かを笑うくらいなら、自分が笑われる方がずっといい」ということを覚えておいてほしいと思います。

日本には「イジリ」や「ツッコミ」という、相手を面白おかしくののしったり強く指摘したりといった文化が、笑いの世界で確かに存在します。もちろん、それらが共感の渦を呼び、笑いを巻き起こし会場を一つにすることは多いでしょう。しかし、忘れてはいけません。海外では、必ずしもそうではないということを。

例えば、「ツッコミ」に近い役割を表情やジェスチャーが果たしていたり、相手を直接的に罵るのではなく皮肉を込めた褒め言葉を贈ったりするということが、海外のコメディードラマやバラエティー番組でも少なくありません。

もし、日本人が外国で、自分になじみの薄い宗教観や人種の歴史についてイジってみようものなら、笑いを取るどころか場の空気を凍りつかせてしまう可能性さえ無きにしもあらず、です。

ということで、多様なバックグラウンドのある聴衆を前に英語を使って笑いを取るのであれば、私は誰かをイジることよりむしろ、自分をイジり、ほんの少しの優越感を会場に提供してあげることをオススメします♪

そしてそれは必ずしも自分のミスをさらしたり自分を卑下したりするばかりでなく、時に、その場にいる相手の良いところを褒めてあげることでも可能になります。

目の前の相手、会場にいる人々を笑わせるためのほんの一部のTipsを、

① 感情のギャップ

② 大げさな表現

③ 優越感の提供

の3つに分けてご紹介してきました。

ですが、これから英語を使って皆さんの周りでも笑顔を増やしていくために、絶対のルールなど存在しません。誰かを笑顔にすること、心を動かすこと、ポジティブな気持ちにすることを意識していけば、必ずその気持ちは相手に伝わるはずです。

それでは次回、「笑い」よりも「好感」にフォーカスした記事をお楽しみに。

See you next time.

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文:上小澤明花(かみこざわはるか)
立命館アジア太平洋大学(APU)で国籍や宗教のほかにも多様性あふれる環境に身を置いたことをきっかけに、自身の生まれ育った環境にとらわれない自由なアイデンティティーを確立。学生時代から幅広くMCのオファーを受け続け、2018年夏よりフリーMCとして本格始動(後に大学は中退)。「人々の<無関心>をエンターテインメントの力で『わくわく』に変える」ことをテーマに、若い世代へ向けたイベントプロデュースも自ら手掛けながら、MCや講演家として活動中。専属MCに、同時通訳者の横山カズ氏がメインジャッジを務めるOPETS杯スピーチ暗唱大会がある。
・Twitter: @halupachi8
・Instagram:halupachi8
・Facebook: Halu Kamikozawa

編集:増尾美恵子