世界的人気の秘密はここにあり!『ファイナルファンタジーXIV』のローカライズに迫るVol.1【FFXIV】

世界的人気の秘密はここにあり!『ファイナルファンタジーXIV』のローカライズに迫る【FFXIV】

『ファイナルファンタジーXIV』ローカライズ担当のTom MillsさんとKathryn Cwynarさん

日本発の大人気ゲーム『ファイナルファンタジーXIV』は世界同時配信のオンラインゲームです。世界中のプレイヤーが同じタイミングで同じ体験をすることを可能とするために、ゲームは「ローカライズ(地域化、言語対応)」されています。本作の世界的な人気を陰で支えるローカライズ担当のお二人に、「最近のローカライズ事情」や「仕事へのこだわり」「本作の魅力」などをお伺いしました。

ゲームで楽しみながら英語に触れよう!

今回インタビューを受けてくださったのは、『ファイナルファンタジー XIV』ローカライズ担当のお二人です。イギリス生まれのTom Mills(トム・ミルズ)さんは、翻訳チームの頼れるお兄さん的存在。日本語を話すときはバリバリの関西弁なんだそう。アメリカ生まれのKathryn Cwynar(キャサリン・スウィナー)さんは、ゲームの世界設定にも精通しており、いつも笑顔でチームの頼れるムードメーカーです。

※『ファイナルファンタジーXIV』ってどんなゲーム?ゲーム内ではどんな英語が使われているの?「ローカライズ」って何?などはこちらの記事で確認できます。

ej.alc.co.jp

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大人気ゲームのローカライズの秘密に迫ろう!

※本音声には周囲の雑音が含まれています。ご了承ください。

Q. ローカライズについておしえてください

Kathryn Cwynar: We decided, I suppose, it’s easier to say what (1)localization isn’t than what it is, because I think a lot of people when they hear — I mean, translation as well — but localization, they have an image of: You have a sentence, and you pull out a dictionary, and then you replace the words one by one, and (2)there you go. And that’s really not what it is at all.

Tom Mills: Yeah, we’re not just (3)swapping the Japanese words for English ones. We’re looking at the Japanese content as a whole and thinking about how we can (4)convey these ideas (5)in a natural way for the (6)players. And because if they’re playing in English, they don’t sit there comparing the Japanese to the English and saying, like, “Ah, this is the same, this is the same.” They’re only seeing the English, so we wanna make the English as good as possible.

Kathryn: The (7)emotional impact of fiction is really important, and if what you’re doing is you’re swapping out Japanese words for English ones, you’re going to lose that and you’re going to lose the point of the work (8)as a whole, which is a lot more important than the exact words. So, that’s what we try to do — is we try to take the meaning and make sure that the English players are getting the same experience that the Japanese players are getting, even if the words aren’t exactly the same.

キャサリン・スウィナー:ローカライズとは何か、よりも、何がそうでないかという説明をする方が簡単だと思いました。何しろ、多くの人が、翻訳も同じだと思いますが、ローカライズと聞くと、文に対して、辞書を取り出して、単語を一つずつ置き換えて、はいどうぞ、というイメージを持つと思うからです。しかし、実際はそれとはまったく違うのです。

トム・ミルズ:そうなんです。私たちはただ日本語の単語を英語の単語に置き換えているわけではありません。日本語の全体の内容を見て、どのようにすればその意図をプレイヤーにとって自然な形で伝えられるかを考えているのです。というのも、英語でプレイしているプレイヤーが、日本語と英語を比べながら「ああ、同じだ、同じだ」などと言いながら座っているわけではないからです。プレイヤーは英語だけを目にするので、私たちはできるだけいい英語にしたいと思っています。

キャサリン:フィクションにおける心理的効果はとても重要です。そして、日本語の単語を英語の単語に置き換えるだけでは、それを損なってしまい、作品全体の目的も果たせなくなります。作品全体の目的こそ、言葉の正確さよりもはるかに重要です。ですから、私たちが目指しているのは、言葉が厳密には同じでなくても、意味を捉えて、日本語のプレイヤーと同じ体験を英語のプレイヤーができるようにすることです。

語注

(1)localization ローカライズ、ローカリゼーション、(ソフトウエアの)現地語化 ★アメリカ式つづり。イギリス式ではlocalisation。 (2)there you go はい、どうぞ (3)swap A for B AをB と交換する、AをB に置き換える ★ 後出のswap out A for B も同じ意味。 (4)convey ~(意思・情報)を伝える (5)in a natural way 自然な形で (6)player プレイヤー ★ゲームでプレイする(遊ぶ)人のこと。 (7)emotional impact 心理的効果 (8)as a whole 全体として

Q. 具体的にどんな作業を担当していますか?

Kathryn:Pretty much any kind of text that is in the game has to be translated into English, so we work on all of that. In terms of our roles (1)specifically, I do work on a lot of those item names and attack names. And I actually discuss that with the Japanese side as well. It’s not just me looking at the Japanese and naming it; it’s me speaking with the people (2)coming up with the original names so that we have something that will work in all languages.

キャサリン:ゲームの中にあるほとんどすべての種類のテキストを英語に翻訳する必要があるので、そのすべてを担当しています。私たちの役割に関して具体的に言うと、私は多くのアイテムの名前と攻撃の名前を担当しています。それについて、実際に日本語側と話し合うこともします。私がする事は日本語を見て名前を付けるだけではありません。私はもともとの名前を考え出す人たちと話すことで、どの言語にも翻訳できるようにするのです。

語注

(1)specifically 具体的には (2)come up with ~ ~を思い付く、~を考え出す 

Q. 時代の変化とともにローカライズも変化していると思いますか?

Tom: I think, um, games localisation’s a bit different these days, because in the past they’d make the whole game in Japanese and then they’d give it to a localisation team and just say, “There you go. Just translate it. Just swap out all of the Japanese text for English,” and (1)that was it.
(2)Whereas now, a lot of games, they’re released in Japanese and English at the same time. So, we’re kind of working at the same pace as the Japanese developers. So, they’re writing their text and making the game, and we’re doing the translations at the same time. And then, it’s all released together. So, players around the world can experience the same game but in different languages (3)simultaneously. And they could even be playing together in the same teams and things like that.
So, the schedule is kind of tough, but it does mean that people get to experience it at the same time instead of, like, in the past, when the Japanese version would (4)come out and then, maybe a year or two years later, it would be available in English. Now the process is much quicker, much more (5)streamlined.

トム:ゲームのローカライズは、最近少し変わったと思います。というのも、これまではゲームをすべて日本語で制作してから、ローカライズ・チームに渡して、「はいどうぞ、翻訳してください。日本語のテキストをすべて英語に置き換えてください」と言うだけで済みました。
一方、現在は、多くのゲームが日本語と英語で同時にリリースされます。ですから、私たちは日本の開発者と同じペースで仕事をしているようなものです。彼らは日本語のテキストを書いてゲームを制作し、私たちは同時にそれを翻訳しています。そして、すべて一緒に発売するのです。それにより、世界中のプレイヤーが言語は違っても同じゲームを同時に体験できます。さらに、同じチームで一緒にプレイするようなことさえ可能です。
そのために、スケジュールはちょっときついですが、それによって同時に体験できるようになるのです。以前はそうはいかず、日本語版が出てから、だいたい1、2 年後になって英語でプレイできるようになっていました。今はプロセスがずっと早く進み、はるかに合理化されています。

語注

(1)That’s it. ただそれだけだ。それでおしまい。 (2)whereas 一方 (3)simultaneously 同時に (4)come out 世に出る (5)streamlined 合理化された

すべての冒険者よ、集え!仲間たちの待つエオルゼアの地へ!

本記事では「ゲームのローカライズとは何か」をご紹介しましたが、Vol.2ではお二人がこのゲームにかける思いやローカライズをする際のこだわりなどをお届けします。20日公開予定です!

お二人の話す「ローカライズ」が気になった方は、実際に『ファイナルファンタジーXIV』の世界へ飛び込んでみませんか?期間制限なく無料で遊べる「フリートライアル」もあります。PCまたはPlayStation 4でプレイできるので、チェックしてみてください!

sqex.to

インタビューのフルバージョンは『ENGLISH JOURNAL』2020年6月号で!

企画協力:株式会社スクウェア・エニックス 翻訳:片桐恵里 写真:編集部

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2020年6月号に掲載された記事を再編集したものです。