マーケティングの成功者が教える、誤解なく意図が伝わるたった2語の魔法の英語フレーズ

世界No. 1成功者の名言

コーチングやビジネスなどの分野で世界ナンバーワンの成功者たちによる英語の名言を、彼らの通訳を担当する同時通訳者の小熊弥生さんが紹介する連載「世界No. 1成功者の名言」。ワークに回答することで、人生を豊かにするヒントがもらえます。小熊さんは、短大卒業時に英検4級、TOEIC 280点ながら、その後3年半で通訳者デビュー。そうした逆転劇の体験談も交えながらお届けします。

No. 1コーチの名言で成功に近づく

純国産同時通訳者の小熊弥生です。

この連載「世界No. 1成功者の名言」では、世界ナンバーワンのコーチなどの通訳を務めてきた小熊が、成功者の名言を英語表現の視点から解説します。さらに、その教えを実践できるワーク(問い)も入れていますので、成功哲学を理解し、日常にそのマインドを取り入れて豊かな人生を目指せます。

どうぞフル活用して、狙いを定めたニッチ市場で世界一を目指してくださいね。

今回の名言「顧客に恋をせよ」

今回は、マーケティングの王道に関して世界一のジェイ・エイブラハム氏の名言を紹介します。

日本では『ハイパワー・マーケティング』がいちばん有名な著書かと思います。マーケティングに関わる人で、エイブラハム氏のこの本を読んでいない人はいないのではないかと思うほど、多くの企業のマーケティングに影響を与えている良書です。

エイブラハム氏は、私も以前勤めていたテレビショッピング会社のQVCや、世界で他社に先駆けて翌日に書類が届くサービスを始めたFedExに、数十名しか従業員がいない時代から関わった人です。マーケティングのコンサルティングを担当し、これらの企業が世界に名をとどろかせるようになるきっかけをつくりました。

エイブラハム氏の素晴らしいところは、逆境からの経歴です。

10代で運命の女性と出会い、子どもができたことから、学歴は高卒。すぐに稼がなければというプレッシャーがある中、高卒なので雇ってくれる人もなかなか見つからず・・・。成功報酬という条件で自ら採用を持ち掛けて、そこから彼のマーケティング人生が始まります。

いろいろな業界の成功事例を他業界にも適用することで、巨額の富を手に入れます。

そんな彼が伝えている言葉の中でもひときわ素晴らしいのが、次の英文です。

Don’t fall in love with your product but fall in love with your clients.

自社の商品に恋するのではなく、顧客に恋をせよ。

この言葉の意図するところは、たいていの人は自分が産みの苦しみを味わった商品(サービス)に恋をしてしまうが、自分の商品を信奉してしまうと、本来はお客さまが神さまなのに、その気持ちを忘れてしまう、ということです。

そのため、エイブラハム氏は、恋をする相手は顧客にしなさいと言っているのです。そうすることで、顧客が欲するものに、よりフォーカスできます。たとえ商品が老朽化しても、顧客を満足させることに注力していれば、自然と商品を改良し続けるでしょう。

そうすれば、顧客を永遠に満足させ続けることができる、という発想です。

モノに恋する意外性

fall in loveは「恋に落ちる」という表現ですから、通常は人に恋をすることになります。しかし、この言葉の前半では「商品に対して恋に落ちる」という意外な組み合わせになっていて、ハッという驚きが生まれ、聞き手は心をつかまれます。

そして、恋愛をしたことがあれば誰しも感じたことがある、fallのふわっと落ちる感じ、in loveの愛に漬かっている感じ。あの感覚を想起させておきながら、実は商品や顧客に恋をするという言い回しになっているところに、独自の表現力が見られます。

この表現はラブソングにもよく出てきますから、知っている人も多いと思います。しかし、ここで着目してほしいのは、このフレーズは恋愛の文脈以外でも使えるという点です。もちろん、国や地域や作品など、さまざまなものを対象にすることが可能です。

fallでなく、I’m in loveのようにbe動詞を使えば、恋しているという状態を伝えられます。

誤解なく意図を伝えられるフレーズ

もう一つ、今回の英文にはとても便利な表現が使われています。

それは、not A but Bです。

この表現は、私も通訳する際によく使っています。

「AではなくB」と伝えることで、誤解なく正確に意図を伝えられる魔法の表現です。Bだけを言うと誤解があるかもしれませんが、Aではないと言うことで、意図がより明確に伝わります。

英語のノンネイティブスピーカーがビジネスで自分の意図を伝えるのに、これほどよい表現はないでしょう。ぜひ使ってみてください。

お客さまに寄り添うとは

つい自社の商品に目が向きがちですが、恋するべきは顧客。そう意識することで、マーケティングで顧客が欲しいものを提供することができるようになるというのは、日本で働く人にとっても重要な教えです。

今回の言葉は、自分の商品に恋をしていたら、商品を購入してくれるお客さまの気持ちを忘れてしまうから駄目ですよ、と諭してくれます。商品ではなくお客さまに恋をしていれば、お金を払うお客さまの心に本当の意味で寄り添うことになりますよね。

私の人生でも、自分の商品である英語学習法にばかり気持ちが向いていたことがありました。そのときはやはり、生徒さんたちの伸びも中途半端になってしまっていました。そしてそれではいけないと気付かせてくれたのが、この言葉でした。その後は、生徒さんたちがどうしたらもっと学びやすくなるかを考え続けて、1日20分の動画を見るだけで人生も英語も激変するプログラムを作ることができたのです。

今回のワーク:問いに答えてみよう!

最後に、ワークに挑戦しましょう。ワークはとっても簡単!次の質問に答えて、書き出すだけです。

これらの質問は脳に新たな気付きを与え、人生をさらに飛躍させてくれます。ぜひやってみてくださいね。

ワーク

あなたにとっての商品はなんですか?

あなたにとってのお客さまは誰ですか?

商品に恋することによって発生するデメリットはなんですか?

お客さまに恋することによって発生するメリットはなんですか?

いかがでしたでしょうか?次回もお楽しみに!

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小熊弥生

文:小熊弥生(おぐま やよい)
http://www.sokupera-english.com/opt2/
株式会社ブリッジインターナショナル代表。TOEIC 280点から、独自の勉強法で半年後にTOEIC 805点を取得。短大卒業から3年半で通訳者デビュー。現在は自身の経験をベースにした英語学習サービスを展開。ひとりひとりの目的に合った効果的な学習プログラム作りを指南し、のべ1000人以上の英語力アップに貢献している。

速ぺらEnglish:著者がTOEIC 280点から各国首脳の同時通訳を担当するまでに実践した英語勉強法を伝授する、リスニング力とスピーキング力アップに特化したプログラム。

編集:ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部/トップ写真:山本高裕(編集部)