「音読」で「速読力」を鍛えるトレーニング方法を紹介します【英語力 スーパーメンタル養成法】

英語力 スーパーメンタル養成法

誰もが一度は習得への憧れを持つ「速読」。「通訳」で「英語講師」の西田大(にしだまさる)さんに、自身が実践し、結果を出してきた「音読」で「速読力」をアップさせるトレーニング方法をご紹介いただきます。

「音読」で「速読力」をアップさせる方法

「英語学習には音読が有効!」ということを、聞いたことがある人も多いと思います。たびたび話題に挙がる音読学習ですが、どういった点で音読は英語力アップに有効なのでしょうか?私は「音読」することで受けられる最大の恩恵は「速読力」アップだと思います。

今回は「音読」が「速読力」アップにつながる理由をお伝えします。

「音読」で英語を語順のまま理解することが可能

「音読」で英語を語順のまま理解することが可能

TOEICを受験したときに、リーディングセクションで「もう少し速く読めば・・・」「塗り絵(制限時間内に解ききれない問題を適当にマークすること)をあと5問は減らしたい・・・」などと考えたことはないでしょうか。

また、ネイティブを交えた会議で、英語で書かれた資料をまだ読み終わっていないのに意見を求められて、(例えば、I haven't finished reading yet.「まだ読み終わっていない」とは言えずに)困った経験がある人もいると思います。

このような悩みはぜひ「音読」で解決しましょう。

英語を速く読めない原因は「返り読み」

日本人が英語を速く読めない原因の多くは、「返り読み」をしてしまうことにあります。「返り読み」とは、「英語を英語の語順に従って理解」するのでなく、「英語を日本語の語順に変換して理解」することです。「英語の語順を日本語の語順に変換」することで余分な時間を消費してしまうのです。

では、次の英文を日本語に訳してみてください。

I would like to be sent the coupon you offered in your e-mail by the upcoming Friday.

「返り読み」とは具体的に、この英文を「次の金曜日までにメールで案内されていたクーポンを送ってほしいです」と、理解することです。

次の通り、英語の語順を日本語の語順に変換していることに気付くと思います。

(1) I would like to (2) be sent (3) the coupon (4) you offered (5) in your e-mail (6) by the upcoming Friday.

(6) 次の金曜日までに (5) メールで (4) 案内されていた (3) クーポンを (2) 送って (1) ほしいです

つまり、英語の語順に逆らって、日本語の語順に組み立て直して理解する分、時間が消費されるのです。

英語をより速く読む(理解する)ためには「英語を英語の語順に従って理解」することが重要です。

(1) I would like to (2) be sent (3) the coupon (4) you offered (5) in your e-mail (6) by the upcoming Friday.

(1) してほしいです (2) 送って (3) クーポンを (4) 案内されていた (5)  メールで (6) 次の金曜日までに

このように「英語を英語の語順に従って理解」する習慣を身に付けるには「音読」が効果的なのです。「音読」することで、「英語を英語の語順のまま」で読まざる得なくなるからです。

ここで大切なことは、「(声を出さずに)目だけで読む」のではなく、「声に出して読む」ことです。「声に出す」ことにより「返り読み」が不可能になるのです。目だけで読んでしまうと、どうしても無意識に「返って」しまいます。

音読をすることで、「英語を英語の語順に従って理解」することが強制され、自然と語順に従って理解することが可能になります。繰り返しになりますが、「声に出して」英語を読むことで、「声に出さずに」英語を読む速度が上がるのです。

「音読」で英語をカタマリ(チャンク)単位で理解できる

「音読」することにより、一語一語捉えていた読み方が、カタマリ(チャンク)単位で認識することが可能になり「速読力」がアップします。

例えば、Watch your step. という英語を耳にしたとき、多くの人は「足元を注意するんだな」というように、「Watch your step.」という英語をカタマリで解釈していると思います。

つまり、Watch(注意しなさい)your(あなたの)step(足元を)と1語ずつ区切って解釈しているのでなく、Watch your step. という1つのカタマリとして解釈しているはずです。このようにして解釈することで、「Watch ⇒ 注意しなさい」「your ⇒ あなたの」「step ⇒ 足元を」と3回行われていた「英語 ⇒ 日本語」の翻訳の作業が、「Watch your step ⇒ 足元を注意しなさい」と1回の作業で完結されるのです。

どのようなレベルの英語学習者の方でもこのようなカタマリでの理解は実践されているはずです。「Thank you for your kindness. ⇒ ご親切にありがとうございます」「How did you like the movie? ⇒ その映画どうだった?」などは一語ずつ区切らず、一文(カタマリ)単位で理解していると思います。

一文ごと、または、カタマリごとの音読を繰り返すことで、必然的に英語をカタマリ単位で理解できるようになり、それらが速読力向上をもたらしてくれるのです。

「音読」で心掛けたい、ちょっとしたコツ4つ

「音読」で心がけたいちょっとしたコツ4つ

音読学習も間違った方法ではその効果も薄れてしまいます。ここでは音読学習する際に心掛けたいことを列挙します。

1. 1つの英文を10回、できれば30回は音読する

学生時代の英語の授業で、CD音声などに続いて音読をした経験はありませんか?しかしながら、多くの場合は1回読んで終わっていたと思います。

残念ながら、音読の効果は1回読むだけではほとんどありません。読み上げる分量にもよりますが、最低でも同じ英文(部分)を10回は読まなければ、効果を感じることはできないでしょう。可能であれば、30回を目指してください。きっと効果を体感できるはずです。

2. 「ながら時間」を活用する

率直な言い方になってしまいますが、音読は疲れます。真剣にやればやるほど疲れます。私の場合は継続できても10分程度です。

だからこそ、音読学習は「ながら時間」にするのがおすすめです。「ながら時間」というのは例えば、「最寄り駅まで歩きながら」「洗濯物を干しながら」「お風呂に入りながら」などです。

1日、10分×3セット。これを1カ月続ければ「速読力」アップは実感できると思います。

3. 「ふにゃふにゃ」音読はしない

音読を通して英文をしっかりインプットするには、ブツブツと小さな声で読むよりも、少し大きめの声を出すくらいがベターです。また、こうすることでおのずと集中力も高まり、学習時間も持続できます。

「音読」することで、受け身の学習を攻めの学習に変えることができます。読書中や映画を見ているときに寝てしまうことはあります。しかし、歌を歌っているときや運動をしているときに寝てしまうことはありません。この仕組みを英語学習にも取り入れてください。

4. 音読する英文の意味はしっかり理解しておく

音読する英文の意味や内容、または文構造は事前にしっかり理解しておくことが大切です。音読している英文の意味がわかっていないと効果はかなり落ちてしまいます。

音読しているときにその内容が頭の中でイメージ化されている状態が理想です。

 

いかがでしたか?一見、めんどくさそうで避けられがちな「音読」ですが、「速読力」アップにはベストな学習法です。ぜひ試してみてください。

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英語力はメンタルで決まる

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西田大

西田大(にしだまさる)
1973年生まれ。関西大学文学部英文学科卒業。TOEIC 990点(満点)、英検一級、全国通訳案内士。23年間にわたり県立高校教員として勤務した後、通訳、英語講師として独立。通訳としての技量は高く評価され、国際会議や各国の大臣クラスの通訳にもアテンド。英語講師としては、TOEIC・英検などの検定試験から実用英語まで、幅広い分野の英語学習に精通し、その学習法・対策法は注目を集めている。著書に『「音読」で攻略TOEIC(R)L&Rテストでる文80』(かんき出版)、『英語力はメンタルで決まる』(アルク)、『 TOEIC(R)テストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本』(かんき出版)など。

プロフィール写真:山本高裕