「折り返し連絡させます」を表す動詞は、ビジネスでは have 一択!【ビジネス英語の絶対ルール】

日本人が使っちゃいけないビジネス英語のルール

グローバル社会で役立つ、日本人が使っちゃいけないビジネス英語のルールを、マイクロソフト シンガポール勤務の岡田兵吾さんが紹介します。最終回は、デキる非ネイティブ流「相手を不快にさせない仕事の振り方」です。

「~させる」と言いたいときは have を使う

ビジネス英語では、人に何かを「してもらう」、もしくは「させる」というような表現がよく登場します。

例えば、他社の方から電話を受けたときは、「後ほど、彼にその件について連絡させます。」と、折り返し連絡の旨を伝えると思います。そんなとき、英語でどう表現していますか?

まず「彼に~させる」と言っているので、使役動詞を使うだろうとイメージできます。日本の英語の授業では、使役動詞である “have” “make” “let” “get” をシーンによって使い分けると習いますが、ビジネス英語で使役動詞を使うなら、答えは “have” 一択です。

例文を見てみましょう。

I’ll have him contact you to discuss the matter.

後ほど彼からその件について連絡させます。

使役動詞なら、どれを使ってもよいわけではありません。敬意・丁寧さを重んじるビジネス英語で、うっかり間違えて使ってしまうと失礼に当たるので、非ネイティブもこれらの使い方には気を遣っています。

ビジネスシーンで「~させる」と言いたいときのおすすめの単語が、なぜ “have” なのか。 “have” は「(自分でできないことを人に頼むとき)~してもらう」といったニュアンスになります。強制する感じはなく、「人に何かを対応してもらう」といった表現です。

また、目的語を「人」ではなく「物」にして過去分詞を使うと、「結果としてどうなったか」を表すときによく使う表現になるので便利です。

例えば、

I have my desk cleaned by my brother.

弟に机をきれいにしてもらった。

I have my wallet stolen.

財布を盗まれた。

I have my hair cut.

髪を切ってもらった。

といったフレーズで活用します。

make / let / get は have とは異なるニュアンス

もちろん “have” 以外の使役動詞を使っても文法上は間違いではありません。しかしビジネス英語で誰かに「~させる」と言うとき、“have” 以外を使うと誤解を招くリスクが高くなります。

あえて、先述した例文でmake” を使った場合、「強制的に~させる」という意味が含まれてしまいます。

ビジネス向きのフレーズ

I’ll have him contact you to discuss the matter.

後ほど彼からその件について連絡させます。

ビジネスでは不向きなフレーズ1

I’ll make him contact you to discuss the matter.

(担当者は嫌がっていますが)後ほど彼からその件について(無理やり)連絡させます。

同様に、「友人に車で送ってもらった」と言いたいときに、“I made my friend drive me to the office.” と言うと、「無理やり友人にオフィスに送らせた」と思われて驚かれることでしょう。

次に “let” ですが、「~させることを許す/許可する」の意味で、強制する意味合いはありません。許可をするときの「させる」といったニュアンスを持ちます。

ビジネスでは不向きなフレーズ2

I’ll let him contact you to discuss the matter.

(担当者が電話することを望んでおり、これを許可して)後ほど彼からその件について連絡させます。

最後に “get” です。「誰かに何かをしてもらう」ときにも、「させる」ときにも使いますが、依頼する相手を「説得してなんとか~させる」というニュアンスです。

ビジネスでは不向きなフレーズ3

I’ll get him contact you to discuss the matter.

(担当者をなんとか説得して)後ほど彼からその件について連絡させます。

ちなみに、4つの使役動詞を強さで表すと、have>let または、 make>get となります。

ビジネス英語は、丁寧で相手をおもんばかることが基本です。どんなシュチュエーションであっても “have” 以外を使うケースは、ビジネスではないと言っても過言ではありません。 ビジネスで「~させる」と言いたいときは、とにかく “have” を使っておけば失言を防ぐことができます。

使役動詞の使い分けまとめ

  • have:「(自分でできないことを人に頼むときの)~してもらう」といったニュアンス。強制する感じがなく、ビジネスシーンで「~させる」と言いたいときにおすすめの単語
  • make:「強制的に~させる」という意味
  • let:「許す/許可する」という意味
  • get:誰かに何かをしてもらうときもさせるときも使うが、依頼する相手を「説得してなんとか~させる」というニュアンス

非ネイティブだからこそ心がけるべき「英語のマナー」

かつて外国人ばかりの会議で発言できず、「発言しないなら、会議に出るな」と軽いクビ宣告を受けたり、英語の使い方の悪さで「1年2カ月売上ゼロ」という窮地に追い込まれたりしました。そんな私が、シンガポールにあるマイクロソフトアジア統括で本部長として働くに至った、ちょっとの違いで外国人受けのよくなる英語である「日本人が知らないビジネス英語の絶対ルール」。6回に渡って紹介してきましたが、今回がラストです。

私自身が、海外に家族を連れて、引っ越し・転職したにもかかわらず、得意だと思っていた英語が原因で、何度もクビの危機に陥り苦労してきました。

そんな落ち込むしかない状況下で、周りの出世している非ネイティブが使っている英語の言い回しと処世術を研究実践して、また失敗して研究するということを、日本で7年、海外で16年繰り返してきました。そこで蓄積してきた英語フレーズの中から抜粋して、本連載にて紹介してきました。

また手前みそですが、ビジネス英語を勉強中の方、すでにビジネス英語で苦労されている方が、これからぶつかるであろう「ビジネス英語の壁」の回答を、厳選して一冊の本にまとめた拙著「ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550」があるので、そちらも手に取っていただければうれしいです。

よく日本のメディアで、英語は最低限で十分だとか、グロービッシュ*1だけでOKといったことが取り上げられますが、それは初心者に限った話です。短い英文は、命令口調やぞんざいな言い方になりがちです。

日本語であっても、社会人になったときに社会人の言葉遣いを学んだはずです。就職活動にかかわるようになって初めて、「ご査収」や「幸甚(こうじん)」といった社会人の言い回しを使った方は多いのではないでしょうか。

英語も同じです。連載で紹介した、ビジネス英語で使ってはいけない “Do the best.” や “Once more, please.” は学生生活やプライベートでは問題なしですが、社会人がビジネスで使うなら、「社会人としての言葉遣い」を知っておくべきなのです。

日本人からすると、大した差もないように見える表現の英語が、外国人をムッとさせてしまうときは、実はたくさんあります。難しい英語を覚えろとはいいません。しかし外国人に失礼になる英語があることは、マナーとして知っておいてほしいのです。これからますますグローバル化の潮流に飲み込まれていこうとする日本において、外国人をおもんばかる英語が浸透することで、さらに多くの日本人が世界へ躍進されることを願います。

STAY GOLD!

 

ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550

ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550

  • 作者:岡田 兵吾
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

Hyogo Okada

岡田兵吾(おかだ ひょうご) @phoenix_hugo

マイクロソフト シンガポール アジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長。日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの4か国のライセンス監査業務の責任者だけでなく、アジア全域のコンプライアンス対策およびデジタル変革を推進。また同社にて、アジア全域の働き方改革や国内外の大学・非営利団体でのリーダーシップ活動を評価され、数々の社内アワードを受賞。世界トップレベルの IEビジネススクール・エグゼクティブMBA取得。米国PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)認定資格保持。著書に『ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)、『すべての仕事を3分で終わらせる外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』(ダイヤモンド社)がある。ダイヤモンド・オンラインにて「STAY GOLD! リーゼントマネジャー岡田兵吾の『シンガポール浪花節日記』」(http://diamond.jp/category/staygold)を連載中。人生目標は「ソーシャル・チェンジ」(社会変革)、座右の銘は「STAY GOLD!」

*1:グローバルイングリッシュ(global English)の略。英語が母語ではない人々のために、語彙数を制限し、基本的構文だけを用いて考案された平易な英語。