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ネイティブはあなたが英語で話してくれるのがうれしい?!ベテラン教育者が伝える日本人の英語の弱点と可能性

オーストラリア出身で英語学習指導者として長いキャリアを持ち、留学や移住に必要な英語4技能試験のIELTS(アイエルツ)にも深く携わっているドン・オリバーさん。来日の機会にインタビューさせていただき、日本の英語学習者の英語力や問題点、 改善 法などを伺いました。

12カ国で30年以上英語教育に携わる

35年ほど英語を教えていて、1991年からIELTSに関わっています。オーストラリアのほか、中東、インドネシア、ベトナムなどでも数カ月間や数年間ずつ住み、英語教育を行いました。

IELTSは、英語教育機関への留学や英語圏への移住などで必要になる、英語4技能試験です。日本では現在、年間約4万人が受験しています。

IELTS受験者の母語は40言語ほどに上りますが、そのうち日本語母語話者のスコアの順位は下から3番目で、4技能の全てでスコアが低くなっています。

日本の英語教育でのリスニングとリーディング学習への偏重により、スピーキングとライティングのスコアも振るいませんが、リスニングとリーディング力も弱くなってしまっていると考えられます。言語学習では、統合的なスキルの向上が重要なのです。

▼IELTSの詳細はこちら↓

gotcha.alc.co.jp

試験結果が伸び悩む学習者にカウンセリング

オーストラリアでは、移住や進学のために一定のスコア達成が必要なことから、何度もIELTSに挑戦する人もいます。そういった人たちの学習をサポートするために、対策講座の開発もしました。

また、思うようにスコアが伸びない受験者へのカウンセリングも行ってきました。中には、自分の英語力を過信して、英語が話せるからライティングの試験もできるはずと思っていたのに、試験結果が良くなくて落ち込んだり憤ったりする人もいます。

そういう人のカウンセリングで、IELTSのライティングの本人による回答を見ると、一発でスコア不振の 原因 が分かることがあります。答え方が課題に沿っていないとか、またはもっと単純に、手書きが読めない字だとか(現在はライティングをタイプで行えるコンピューター試験も導入されています)、パンクチュエーション(句読点などの使い方)が不適切だとかです。

試験で良い成績を得るためには、やはり、実力を正しく反映させるための注意は必要です。

日本の学習者が苦手なのは意見の論理的な表明

日本の教育には、正誤の 判断 を求める試験を重視する文化があると聞いています。でも、IELTSのライティングやスピーキングで必要なのは、正しい答えを導き出すことではなく、自分の 意見を考えて、それを論理的に組み立てて表現 することです。

日本では、特にまだ高校生だと、自分の意見を持つことは学校ではあまり求められないようです。意見を論理的に発信する力は、英語力以前の問題で、 今後は この力を伸ばしていく必要があると思います。

これは日本で長年英語を教えている人から聞いたのですが、日本語はもともと帰納法(きのうほう)を取る言語だそうですね。状況や理由を 先に 述べて、最後に結論を示します。一方、英語は演繹法(えんえきほう)の言語と言えるでしょう。最初に結論を言い、その後に結論を補強する理由などを述べていきます。

どちらがいいということではありませんが、結論が先、根拠が後、という英語の論理に慣れることは、ライティングやスピーキングだけでなく、リーディングをする上でも、軽視できない点です。

日本の学習者に見られるリーディングの弱点

リーディングでは、日本の学習者は、スキャン(scan、全体の概要をつかむために素早く読む)やスキム( skim 、情報を見つけるために文章に素早く目を通す)が苦手ですね。先ほどお話しした演繹法の文章の構成に慣れていないことも、このような読み方がうまくできない要因になっていると思います。

丁寧に全てを読むことは得意のようですが、 必要なところを迅速に抜き出す能力 も必要です。これは、英語圏の大学や大学院で、大量の文献を読み、自分の意見を形成する際にも、大切になってきます。効率的に読む練習が要るのです。

海外の英語番組を聞くのは4技能に効く

IELTSのリスニングには、イギリス英語もありますし、アメリカ英語、オーストラリア英語などもあり、アクセントにやや特徴はありますが、強いものではありません。

Podcast(ポッドキャスト)などで海外の英語の番組などを聞くのは、おすすめです。興味のあるものを登録しておけば、定期的に 更新 されるので、習慣化もしやすいでしょう。一日のうちでいつやるのかも決めましょう。

番組などを聞くときに、語彙や用法にも注意し、それを単に書き留めるのではなく、 すぐに まねして口に出してみれば、リスニングに加えてスピーキングの練習にもなります。同じ話題の英語で書かれたウェブ記事を探して読めばリーディング、その話題について自分の意見を書けばライティングができます。

このように 4技能を統合して学習を進める のが、全体的な英語力アップに効果的です。

日本の学習者におすすめのライティングの鍛え方

ライティングは、日本の学習者が特に苦手とするところです。

ライティング に関して は、有料のサービスなど、自分の英語エッセイを 添削してもらうために投資 する価値はあります。あるいは、英語の先生や、そうでなくてもネイティブスピーカーや英語が得意な知人に頼んで、添削してもらいましょう。

ライティングのスコアが低い要因は、採点の評価 基準 から考えることができます。特に重要なのは、質問の答え方が 指示 に沿っているか、スペリングが正確か、語彙が豊かか、構成は的確か、です。

日本の受験者に多く見られる 傾向 は、 シンプルな文の羅列になってしまっている というものです。たとえ単語や文を正確に書いていても、複雑な構造の文を書くことにも挑戦しないと、高いスコアを狙うのは難しいでしょう。また、語彙も豊かにして、豊富な語句を盛り込めるようになることも大切です。

複雑な構造の文や豊富な語彙を駆使するのが必要ということは、ライティングだけでなく、スピーキングにも言えます。

自然な英語表現を吸収するのが大切

日本の英語教育で採用されている訳読式の弊害かもしれませんが、スピーキングなどで、不自然な表現をする学習者にも出会います。

例えば、「釣りが趣味なのはどうしてですか?」と聞くと、Fishing provides good feelings.と答えた人がいました。 provide やfeelingsといった単語を知っているのは素晴らしいことですが、このような組み合わせの英文はやはりおかしいのです。It makes me feel good.などと言うのが自然です。

このような 不自然な言い方をしてしまうのは、日本語から英文を作っていて、英語で考えていないから かもしれません。英語で発想できるようになるのは大変ですが、先ほどお伝えしたように、海外の番組の英語音声を聞いたりすることによって、思考が切り替わってくると思います。とにかくたくさんの英語に触れることです。

伸びる英語学習者は世界のことに関心がある

実は英語力は、英語だけ勉強していても、ハイレベルに到達することはなかなかできません。

これまでに多くの学習者と接してきて、 英語圏に限らず海外の文化や社会に興味がある人は英語力が大幅に伸びる ことに気が付きました。関心があれば、積極的に英語の情報などに触れるようになりますし、意欲を持って内容を吸収します。どれだけ 能動的に英語と関われるか、engagement(積極的関与) が鍵なのです。

4技能試験で好成績を上げるために必要なこととは

先ほども述べたように、4技能を統合した学習を習慣化して継続することが、何より大切です。

スコアもですが、学習量の目標も設定します。

そして、学んだことを実際にどんどん使いましょう。 アウトプット していくことが重要です。

試験結果を自己 分析 し、学習の進捗を確かめ、次の対策を練ることも 有効 です。IELTSではスコアと技能ごとに達成の度合いが示されていますので、それを目安に学習を進めるといいでしょう。

でも、最も大切なのは、試験のスコアだけにこだわるのではなく、 英語力自体を伸ばすのに注力 することです。試験のスコアを達成するのが最終目標ではなく、英語を使えるようになることが目標でしょうから。

スピーキングができないと言う日本の学習者へのアドバイス

英語を話すことに躊躇(ちゅうちょ)してしまうのをなんとかしたいなら、英語を間違えて恥をかくことを恐れないでください。

こう考えてみるのはどうでしょう。英語圏のオーストラリアやニュージーランド、アメリカやカナダ、イギリスなどは、どこも 多文化社会 です。多様な人々がいて、英語のネイティブスピーカーであっても、ノンネイティブスピーカーの英語には慣れているのです。

慣れているだけでなく、 ノンネイティブながら英語を話してくれることをうれしいと思う 人もきっと多いはずです。日本の人だって、外国の人が日本語で一生懸命話してくれたら、うれしいですよね?

英語ネイティブスピーカーは、世界で英語が広く話されているから、他の言語を学ぶ動機に乏しい場合があります。それだけに、英語で話してもらえることはありがたいと思っています。日本の人も、そのことを知って、もっと堂々と英語を話してほしいと思います。どうぞ自信を持ってください。

Don Oliver(ドン・オリバー):これまで複数の国々で20年以上にわたりIELTSと関わり、豊富な知識と経験を持っている。オーストラリア国内だけでなく、東南アジアや中東でもIELTS準備コースを含む、あらゆるレベルの英語を教えてきた。さらに、日本を含む東アジア、東南アジア、中東の12カ国以上でIDP/IELTSオーストラリアのマスタークラスセッションを行っている。 https://www.ieltsjp.com/

取材・構成:GOTCHA!編集部/写真:山本高裕(GOTCHA!編集部)

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