
3分あれば、学べることがたくさんあります!TOEIC 対策特化型スクール「トイグル」の講師であり、代表の田邉竜彦(たなべ たつひこ)さんに、3分で英語の上達法を教えていただく連載。7回目の最終回は、英語が速く読めるようになるテクニックを教えていただきます。
こんにちは。トイグルの田邉です。
英語の学習中に必ずぶつかるのが、読解速度の壁です。あなたは次のような悩みを抱えていませんか?
- 英語の文章を読むスピードが遅い
- 英文メールを読むのに日本語の倍 時間がかかる
しかし、即効性のある方法として、英語を読む方法を変えたり、 事前に ある準備をするだけで、読解速度は大きく上げられます。
この記事では、流暢な読解力を身に付ける5つの方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
1. プレビューイングで構成を 把握する
プレビューイングとは、 本文にざっと目を通し、全体像を 把握する 方法です。
いま、海外の 取引 先から英文の資料が送られてきたとします。600ページほどある分厚い資料で、全てを読むには大変な手間がかかりそうです。
こうした状況では、小説のように1ページ目から読み始めるのは得策ではありません。代わりに、目次と本文にざっと目を通し(プレビューイング)、読むべき箇所とそうでない箇所を区別するとよいでしょう。
必要な箇所を重点的に読み、残りは見出しやまとめに目を通せば、資料の目的は達成されます。プレビューイングはたくさんの英文を短時間に読む方におすすめです。
2. プリディクティングで内容を推測する
プリディクティングとは、 内容を 予測 しながら英文を読む 方法です。
料理の英文レシピを読む場面を想像してみましょう。もしあなたが料理経験者なら、「パンケーキミックスに水と卵を混ぜる」の次に「フライパンで焼く」が来るのは、おそらく英文をほとんど読まずとも 予測 できるはずです。
逆に、料理未経験者なら次に何が来るか想像できません。英文を一言一句解読しなければならず、読みに大きな時間がかかります。
英文を速く読めるようになるには、こうした 予測 力が大事です。英文のテーマが明らかになっている場合、日本語の情報でも構いませんので、事前知識を身に付けましょう。読解がスムーズになるはずです。
3. スキミングで大意を理解する
スキミングとは、 要点をつかむため、文章を飛ばし読みする 方法です。
英字新聞の例を考えてみましょう。英語の練習が目的なら記事を丁寧に読んでも構いませんが、日常生活なら、飛ばし読みで概要を 把握する ことが多いはずです。
飛ばし読みの利点はたくさんの英文に目を通せるところです。気になった箇所があれば、後から戻って精読すれば理解を深められます。このように、読解の速い人は読みの緩急を付けられるのが特徴です。
よいスキミングの目安は1分間に800ワードと言われています。練習を積んで徐々に速度を上げていきましょう。
4. スキャンニングで情報を探す
スキャンニングとは、 特定の情報を探すためにテキストを速読する 方法です。
いま、何かの商品を購入するため、海外の通販サイトでレビューを読んでいるとします。高額な商品のため、慎重に検討しなければなりません。
ここで私たちは、「購入後、 すぐに 壊れてしまわないだろうか」と不安になって悪いレビューを読むとか、「期待以上の使い方はできないか」と思って良いレビューを見るといった行動を取ります。目的が 先に あり、それを達成する情報を探す読み方です。
スキャンニングができると英文 処理 能力が上がります。必要に応じてスキャンニングをできるようにしましょう。
5. 知らない単語に適切に対処する
英語の文章を読んでいると、どうしても知らない英単語が出現します。
英単語は辞書で意味を調べられるのが理想ですが、時間がないとき、あるいは辞書を使えない場合、別の方法で対処しなければなりません。
知らない単語に対処するもっとも良い方法は、語形から推測する ことです。例えば、 unimportant (重要でない)を知らなくても、important(重要な)に否定を表すun-が付いていると気付けば、意味を推測できます。
他にも、知らない語彙を文脈から推測する方法があります。例えば、 deadline (締め切り)を知らなくても、「 deadline に間に合わなければ」といった話であれば、何か締め切りに関することだと推測できます。
私たちが英文を読む際、文中の単語を100パーセント知っていることは極めてまれです。知らない単語が出ることを 前提 にして、それをうまく対処できるようにしましょう。
まとめ
この記事では英文を速く読むための5つの技術を紹介しました。
学習の役に立てば幸いです。この記事の詳細は、トイグルのウェブサイト 英語リーディングの仕組みと勉強方法 、 TOEICリーディングを時間内に解き終える「速読力」の勉強法 でご覧いただけます。
田邉竜彦(たなべ たつひこ)
英語教師。月間40万人に読まれる英語学習メディア「トイグル」を運営。TOEIC 対策特化型スクール「トイグル」代表。マンツーマン講座とセミナーで社会人を中心に200名以上の英語学習をサポート。英ストラスクライド大学大学院経営学修士(MBA)、英ウォリック大学大学院英語教授法修士。
トイグル: https://toiguru.jp/
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