TOEIC(R) L&R対策のカリスマ指導者・ヒロ前田さんが、学習者の「TOEICテストあるある」疑問や質問、悩みなどの相談にスッキリ、バッサリ答える連載「TOEICお悩み相談室」。前田さんは今回、どんな「スッキリ」を提供してくれるのでしょう。それとも「バッサリ」?
今回のご相談
学校の先生はよく「英語を声に出しなさい」と言いますが、TOEICは話す力を測定しません。それでも音読した方がいいのでしょうか。
――学生(20代)/TOEICスコア 350点
ヒロ前田の回答:
まず、自分で考えてください。
バッサリ辛口の解決策
「やるべきか」で悩む必要はありません。
最初に言っておきます。音読とは特別な学習法ではありません。
目を使って静かに読むのが「黙読」で、口を使って声を出しながら読むのが「音読」です。英語であれ日本語であれ、言葉を使う人にとって音読は特殊な行為ではなく、 自然な行為です 。
あなたは黙読には疑問を抱かないのですよね。それと同様、音読も「やるべきか?」と わざわざ悩むことの方が不自然 です。
「いやいや、自分の母国語なら黙読も音読も自然だけど、学習者にとっては自然じゃない」と言う人がいますが、次のように考えてください。
かどうか を「今すぐ」決めましょう。">やる かどうか を「今すぐ」決めましょう。
あなたの知り合いにジョンというアメリカ人がいるとします。ジョンはあなたと同じ年齢の会社員で、アメリカ育ちのネイティブスピーカーです。業務の関係で、1年前から日本語を勉強しています。教材を使って独学し、日本語力を測るテストもたまに受けているそうです。
つい最近、ジョンと話す機会がありました。あなたと話すときは、いつも英語です。
あなた「(英語で)ジョン、日本語の勉強は順調?」
ジョン「まぁね。1年勉強してきたから試験の点数も上がってきたよ」
あなた「どんな勉強をしてるの?」
ジョン「リスニングと文法がメイン。あとは長文読解」
あなた「へぇ。僕よりがんばってるね」
ジョン「最近、日本語の先生がおかしいことを言うんだよ」
あなた「どんなこと?」
ジョン「日本語を声に出せって。うるさく言うんだ」
あなた「声に出す?」
ジョン「音読ってやつ。嫌いなんだよなぁ」
あなた「ん? まさか、今まで日本語を話したことがないの?」
ジョン「もちろん。スピーキングは試験に出ないし」
あなた「1年も勉強をしているのにマジで音読ゼロ?」
ジョン「試験中に試されない能力を鍛える必要はないよね」
あなた「声に出して日本語を使いながら勉強したら?」
ジョン「どうして?」
あなた「その方が記憶に残るだろ? 自分が言えることは聞き取れるようになるし」
ジョン「そうかなぁ」
あなた「話す練習をすればリスニングや文法、語彙の力も伸びるよ」
ジョン「いや、でも……」
あなた「ジョン。あれこれ言わず、まず自分で体験するべきだよ。体験して、自分で成果を確認すればいいじゃないか。やりもしないで言うだけのヤツだったのか、君は?」
あなたはジョンです。
目の前にあるボタンは 「やる」か「やらない」かの2つ だけ。
自分で考えて自分で決めてください。
「そのうち考えよう」なんて、ダメです。 今すぐボタン押してください 。
スッキリ優しい解決策
音読は必要ではありません。
英語の学習法やTOEICの対策法は人それぞれです。
多くの学習者を見てきて、ひとつ確実に言えることは、 「自分に合う学習法」を見つける ことが大事だということ。そして、 その方法を続ける ことです。別の言い方をすれば、あなたが継続できる学習法が、あなたにとってベストなのです。
さて、音読について答えます。
あなたの先生は、あなたのことを真剣に考えてくれています。
1年後、3年後、いえ、10年後のことも考えてくれているでしょう。近い将来、あなたがTOEICの目標スコアを達成した後の姿もイメージしているのです。英語を使って海外の人とスムーズに会話をしたいとか、外国人の上司と会議をするとか、そんなあなたの姿を応援したいのです。
そのようなスキルを養うには音読は 有効 です。
効果がわからない学習に時間を割くのはやめましょう。
「文字を見れば理解できるのに、音になると聞き取れない」といった体験をしたことがありますよね。そのままだと満足できるコミュニケーションを取ることは難しいでしょう。上司との会議も 厳しい です。
正しい音読トレーニングを積むことで、 そのような悩みはどんどん減っていきます 。
音読は必要ではありませんが、効果的ではある とは言えます。特に、将来、あなたが英語を使ったコミュニケーションが上手になりたいなら必ず役立ちます。
ただし 、今のあなたの気持ちもよく理解できます。目の前に迫っている次のテストで良いスコアを取りたいのに、効果がある かどうか よくわからない学習に時間を割きたいとは思わないですよね。
それに、実際、音読を全然しなくても800点や900点、990点を取る人はいます。ですから、 先生の助言に すぐに 従う 必要はありません 。
満足できるスコアを取って、あなた自身が音読に興味を持ち始めたら、それがスタートの合図です。
今すぐやる必要は全くありませんよ。
雑音は気にせず、 自分がしっくり来る道を歩んでください 。
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T’z英語ラウンジ、お試し利用開始について
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ヒロ前田(ひろ まえだ)
TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEICを教える指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。 取得 スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEICRテスト 究極の模試600問』(アルク)、『TOEICRテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEICRテスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)等がある。
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