英語力を生かした職業に就く!夢の見つけ方と実現方法

通訳者で英語学習サービスも手掛ける、GOTCHA!新書『「英語で電話会議」の教科書』の著者、小熊弥生さんのインタビュー【後編】をお届けします。通訳者になってよかったと実感する瞬間や、英語を使って夢をかなえる方法などを語っていただきました。

インタビュー【前半】はこちら。

gotcha.alc.co.jp

通訳の楽しいところや大変なところは?

――通訳をされていて、楽しいことや大変なことを教えてください。ご著書に、通訳の最高峰と言われる医療関係の通訳にも携わることができたと書いていらっしゃいましたよね。

念願だった医療関係の通訳に携わる

ちょうど(このインタビューが行われた日の)先週の金、土、日の3日間、医療関係のイベントの通訳をしたところです。テーマは、西洋医学と東洋医学を「いいとこ取り」した「統合医療」でした。

日本でも中国の医学が知られていますよね。最近はアメリカでも東洋医学を取り入れる医師が増えていて、ハーブを使ったりしています。中国の「医食同源」は、英語で「Food is medicine.(食は薬である)」と表します。この考えの下、アメリカでも、どんな食生活がいいのかが議論され、実践されているのです。食生活を変えれば、自己治癒能力が上がり、病気になりにくいですし、病気になったとしても、症状が強く出ずに生活できると言われています。

その会議には、医師や看護師などの医療従事者、カイロプラクターや整体師だけでなく、学生や子どもがいる人など、一般の人たちも聞きに来ていました。「食を処方する」のは、医師でなくても、栄養士や一般の人にもできることですからね。健康はもちろん、肌や髪などの美容も、食次第で 改善 する 可能性 がありますから、関心が集まっているのです。まさに「健康は美」ですから。

通訳は、最先端に触れられる仕事

通訳の醍醐味は、こういう最先端の話を専門家から直接、日本で最初に聞くことができる点です。まだ本にも書かれていない新鮮な情報を知ることができます。そして、それを日本語で分かりやすく伝えることで、一般の人にも 感謝 されるのがうれしいです。先ほどの医療のイベントでは、後日、参加者の半数くらいの方たちから、通訳が素晴らしかったと直接メッセージを頂きました。

さらに、日本の人に通訳を通して情報を伝えることで、このイベントの場合は、のちのち日本の人の健康状態を変えていく 可能性がある わけで、大きなやりがいにつながっています。

ソユーズ宇宙船の打ち上げや海外首脳の記者会見なども、自分が通訳をして、それが新聞のトップ記事になるのを見ると大きな喜びを感じます。

最初に訳語を作るのは大変

通訳していて大変なことは、日本で最初に訳語を考え、作らなくてはいけないときです。例えば、bone broth をいったん「骨汁(こつじる)」と訳したものの、これで本当にいいのだろうかと悩みます。骨の部分は省略して「スープ」とするのか、それとも「骨のだし」の意味を出した方がいいのか、通訳しながら聴衆の反応を見て訳語を調整していきます。「もうどんな意味かは分かったから、『ボーンブロス』でいいですよ」と言ってもらえることもありますが。

音声が聞こえない!

もっと大変なことは、海外での仕事でよくあるのですが、音響担当者のミスで、映像が流れたときにその音声が通訳ブースに入ってこないことがあるんです。そんなときは、ブースのドアを開けて、雑音がある中、漏れ聞こえてくる音声をなんとか拾おうと頑張ります。映像に映っている人の表情や口の動きなども参考にして、それまでの話の流れを考慮しながら映像で言っていることを推測し、訳します。これを私は「創作料理」と呼んでいます。

通訳者は超能力者?!

こういうふうに推測しながら通訳するときは、話者と通訳者が一体化するんです。ある「ゾーン(領域)」に入った状態になり、全体の文脈が見えてくるんですね。サーファーのようにうまく波に乗って訳すことができたりします。日本における会議通訳の第一人者である小松達也先生も言っていますが、超能力のように、推測で訳したことがぴったり合ってしまうんです。

まさか超能力ではないでしょうけど、通訳中は、ある種のトランス状態みたいにはなっていると思います。大きなストレスがかかって、ものすごく集中するので、実際に酸欠状態になり、呼吸が浅くなるんですよ。ストレスがかかるのは認知症予防にはいいのですが、そうすると、一生通訳し続けなくてはいけませんよね!

知的好奇心が刺激される

いろいろな分野の方々の通訳をしていると、自分の知らないことが、登ったことのない山として次々と目の前に現れます。好奇心を刺激され通しです。

ノーベル賞受賞者など、通常ではなかなか話すことがない人にも、I’ll be your Japanese voice.(私があなたの日本語の声になります)と自己紹介することで、一気に近づくことができるのが、通訳者です。そういう人たちから、「あなたが私の話を通訳できるようになるためなら、あなたからのどんな質問でも受けますよ」と言ってもらえて、1対1で学ぶ機会があったりすると、通訳者になって良かったと思います。そういうときに聞ける話から、物事の裏側やつながりを見ることができて、とても楽しいです。

英語学習指導やアドバイザーとしての仕事について

――通訳者になられてからも、英語学習者や英語を使って夢をかなえたい人にアドバイスをしていらっしゃいますよね。そういうことを始めた きっかけ や、続けている理由を教えてください。

人生を変えたコーチング

きっかけ は、ビジネス界でのコーチングを確立したアンソニー・ロビンズ氏のセミナーの同時通訳をしたことです。私はそのときに聞いた話で自分が変わり、通訳者として大きく成長し、本の出版やテレビ番組への出演もかなえることができました。そのときの経験を他の人たちにも伝えて、飛躍してほしいと思い、英語講座を開催するようになったんです。そうすると、皆さん本当に一気に飛躍するのでうれしくて、この仕事がやめられなくなりました。

50代から始めても夢はかなう

自分がやってきた方法で他の人たちの力も伸びると分かったからには、この仕事を続けていきたいと思っています。アドバイスさせていただいてから2カ月で同時通訳者になった人もいますし、50代から勉強を始めて通訳者になった人もいるんですよ。

今は、日本の英語教育を変えようと、「英語維新」というプロジェクトを進めています(詳細は後述)。

英語力アップや英語を使った夢の実現のために大切なことは?

――英語が使えるようになりたい人、英語を使って夢をかなえたい人に、アドバイスをお願いします。

具体的に イメージする">夢を描き、 具体的に イメージする

大切なのは、集中力、「ピンポイント目標」を設定すること、夢を描くこと、そして、決してあきらめないと決めることです。

夢をかなえるためには、まずかなえたい夢がないといけませんよね。もし夢の描き方が分からなかったら、ぜひ「夢の仕入れ」や「憧れ磨き」をしてみてください。インターネットで好きな人のことを調べたり、雑誌を読んだり、YouTubeで憧れの物を見たり、興味がある人に話を聞きに行ったりしてみるのです。そうすると、自分が向かっていきたい夢が見えてくると思います。

夢が決まったら、その夢をかなえている人や憧れの物や場所の写真などを手に入れて、自分が夢をかなえた人になったり、憧れの場所に行ったりしているイメージを持ってください。夢がすでに実現したかのように、そのビジュアルを信じ込むんです。「イメージ化」がとても大切です。そうすると、脳波の波動も実際に変化してきます。脳の中にもグーグルサーチのようなものがあって、そこに夢が書き込まれると、夢の実現につながることが何なのかが見えてきますよ。

今後 やってみたいことは?"> 今後 やってみたいことは?

――ご自身の 今後の 夢、挑戦してみたいことは何ですか?

「英語維新」プロジェクトで日本と世界を変えたい

日本中をバイリンガルにするのが夢です。「英語維新」プロジェクトでそのための活動をいろいろとしています。

どういうプロジェクトかというと、誰もが英語は中学の3年間でマスターして、映画やドラマやニュースが英語で問題なく理解できるようにし、その上で英語を使って何をするかということに注力できるようにするものです。英語ができれば、日本の良い文化を世界に広めることもできますよね。英語から世界平和にまでつなげたいです。

小熊弥生さんの新刊

ビジネスで成果が出る「英語で電話会議」の方法が全て分かる電子書籍、GOTCHA!新書『「英語で電話会議」の教科書』。電話会議で使える英語表現はもちろん、電話会議を設定すべき状況や事前準備、会議中の音声トラブルへの対処法など、電話会議の全てを網羅しています。「英語で電話会議」だけでなく、ビジネス全般で成果を出すためのヒントが満載です。

文:小熊弥生  https://ameblo.jp/interpreteryayo/
株式会社ブリッジインターナショナル代表。TOEIC 280点から、独自の勉強法で半年後にTOEIC 805点を 取得 。短大卒業から3年半で通訳者デビュー。現在は自身の経験をベースにした英語学習サービスを 展開 。ひとりひとりの目的に合った効果的な学習プログラム作りを指南し、のべ1000人以上の英語力アップに貢献している。

マインドブレークスルー英語 :著者がTOEIC 280点から各国首脳の同時通訳を担当するまでに実践した英語勉強法を伝授。リスニング力とスピーキング力アップに特化したプログラムです。

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