働き方が多様化する昨今、長く働き続けるために、英語好きの方なら翻訳を仕事にすることを考えたことがあるのでは?でも、文書の翻訳とは違う「映像翻訳」は少し特殊な気がして、学習に踏み込めない方もいるかもしれません。この連載では、そんな一人だったGOTCHA!編集部員が、日本映像翻訳アカデミーとアルクが共同開発・運営する「映像翻訳Web講座」に挑戦する様子をお伝えします!
前回の記事はこちら
いよいよ映像翻訳講座の受講開始!
前回の記事で映像翻訳の学習への意気込みを表明し、今回からはいよいよ、「映像翻訳Web講座 ベーシックコース」の受講スタートです。緊張もしますが、楽しみです。
「コースガイド」などが郵送で届く
受講申し込み後、数日で「コースガイド」などが郵送で届きました。同封物は下の画像の通り。郵送されてくる教材はこれらのみで、あとは全てインターネット上で受講します。
この中で熟読しておくべきものは、下の2つです。
- 「コースガイド」
- 「映像翻訳ハンドブック」
「コースガイド」では、受講の流れなどが確認できます。
「映像翻訳ハンドブック」には、「字幕・吹き替え翻訳の基本ルールと実例」が詳しく説明されています。どれも、このコースにおいて非常に重要なことばかり。課題に取り組む上で必須の内容ですので、丁寧に読んでおきましょう。
そう言う私は、届いたらすぐに読めばいいのにしばらく放置してしまい、第1回の課題に取り組むに当たってやっと全部読みました。薄い冊子ですが、きちんと確認しながら読んだので、1時間はかかったと思います。今後重宝することになりそうです。
受講生専用サイト「manaba」にログイン
インターネット上での受講開始日の数日前に、受講生専用サイト「manaba」へのログイン情報などが記載されたメールが届きました。受講生はこのサイトを通して、学習や課題の提出、返却された課題の受け取りなどを行います。
またもや数日間放置してしまいましたが(スミマセン)、ログインしてみると、下の画像のようなサイトでした。
ずらりと並ぶ「コンテンツ」を見て、「やらなきゃ~」というプレッシャーを感じます。赤っぽい色の印が付いている上部の「レポート」というタブをクリックして見ると、第1回の課題提出の期限は8月14日。あと10日余りしかありません!やる気を出します!
なお、前回の記事で紹介したように、このコースの課題提出の頻度は2週間に1回です。私のようにしばらく放置したりしなければ、1回分の課題に取り組む期間は14日間ありますので、ご安心ください。
第1回は短編映画の字幕翻訳!
やる気はあるはずなのに、「勉強」となるとなかなか取り組めなくて、締め切りギリギリになってしまうのはなぜなのでしょうか?なんと、第1回の課題の締め切り当日になって初めて学習に取り掛かるという、無謀なことになってしまいました。最初からダメダメです……。
当たり前のことですが、課題に取り組んだら、提出前に少なくとも一晩は寝かせて見直しをした方がいいです。と、頭では分かっているのに~!決して私のまねはしないようにしてください!第2回目以降は課題がさらに大変になってくると思いますので、今後はもっと早くから取り組むよう肝に銘じたいと思います。
気を取り直して。第1回から第3回では、5分程度の短編映画を3回に分けて字幕翻訳します。第1回の課題では、全編を見た後、冒頭の3分の1を訳します。映画は、ネタバレはできませんが、気持ちがほんわかするストーリーです。
動画とPDFのコンテンツで学ぶ
学習内容は、動画とスクリプトなどのPDFで構成されています。動画は、受講前に講座案内のサイトで、講座で使用するソフトの動作確認をしておいたので、問題なく視聴できました。
第1回の動画は、次の3つです。
- 映画全編
- 第1回で訳す分のみの映画
- Tips
Tipsは、日本映像翻訳アカデミーの方が講義をしてくれる約7分30秒の動画です。「映像翻訳ハンドブック」で学んだ「字数と字幅の数え方」などを実例で確認できたり、映画を翻訳するときのコツを学んだりできます。「えっ」の小さい「っ」や、数字や記号のダーシ(―)はどう数えるのか、映画の翻訳の注意点は何か、など、気を付けたいポイントが満載です。
第1回で提供されるファイルは、この3つ。
- 第1回で訳す部分の英文スクリプト(PDF)
- 回答・質問用紙(Word)
- 自習ドリル(PDF)
課題提出の方法は、Wordファイルに訳した字幕を入力して、そのファイルを「manaba」でアップロードして行うので、簡単です。
自習ドリルはプラスアルファの学習用で、第1回のテーマは「調べ物編その1」。「調べ物は紙で」という忠告には耳が痛いです。ついインターネットで済ませてしまうので。
字幕翻訳のルールって大変?
いきなり翻訳するのか!と思いましたが、当然ですね、自分でやってみないと学べません。
第1回の課題を実際に訳し始める前に、映画を全編通して2回見ました。2回見ると、1回目は気付けなかったディテールに気付くこともできます(と、昔、映画をひたすら見るという大学の講義で習いました)。こうして、登場人物の性格や目的、ストーリーを把握して、翻訳に生かします。映画の内容について自分ではこう思うけど、ちゃんと把握できたのかな?と不安を抱えつつ、翻訳に取り組みました。
少し困ったのは、第1回の課題をする時点では、第1回の英文スクリプトしか見られないこと。冒頭部分のせりふをどう訳すかは、残りの映画の内容とも関わると思うのですが、第1回以降の内容の手掛かりは、映像と英語音声のみ。やはり、英語リスニング力があるに越したことはないわけですね。全てを聞き取ることはできませんでしたが、話の流れと結末はだいたい分かったかな?と思いました。大きな勘違いをしていなければいいのですが。
最初は、正直に言って、細かいルールが多くて大変そうと思っていたのですが、訳し始めると、制限範囲内で訳文を考えるのが、思いのほか楽しい!何なのでしょうか、このワクワク感は?工夫の方向が合っているのかは分からないながらも、字数を短くするにはどうしたらいいかなども考えて、どうにか訳しました。
仕事などとの両立に不可欠な、時間の話
回答・質問用紙には、動画を見たり調べ物をしたりする時間も含めた所要時間も記入します。私の場合は、Tipsの動画を見る時間も含めて、約2時間20分でした。「映像翻訳ハンドブック」を読んだ時間も含めると、3時間半ほどで第1回の学習に取り組んだことになります(自習ドリルの学習時間は除く)。
講座案内のサイトには、学習時間の目安が「1日60分×週5日」とあるので、本来はもっとじっくり取り組むべきですね……。ただ、頑張れば(追い詰められれば?!)、この目安よりもっと短い学習時間でも講座受講は可能そうです。
……などとと言っておいて、第2回以降の課題で痛い目に遭うかもしれませんが、学習時間がどのくらいかかるかは、仕事や翻訳以外の学業や家事などがある人にとっては大問題。
私が以前、翻訳学校の通学コースに通っていたときは、平日は翻訳にきちんと取り掛かる時間を確保できなかったので、週末の半日を課題の翻訳作業に当てていました。仕事をやめて翻訳の勉強をしていたクラスメートは、毎週、数日間かけて課題を翻訳していたらしく、「すごいね」と言ってくれましたが、きっとその人は私よりも調べ物をしたり訳文を練ったりする密度が濃かったのだと思います。
思い立ったが吉日ですので、映像翻訳をやろう!と決心したら、少しでも学習時間の確保が可能であれば、受講を始めてしまうのがいいのではないでしょうか。人それぞれ、そのときに自分が使える時間内で精いっぱいの学びをすれば、身に付くことがあると思います。現に私はその初めての翻訳講座の受講で、遊ぶ時間を削るなどして忙しくはありましたが、漠然とした憧れだった翻訳が、身に付けたい技能に変わりました。
課題ごとに質問もできる
課題提出の際には、今回の課題について質問することもできます。質問できるのは、1回分の課題提出につき1枚で1回まで。私は、課題で難しくて自信がなかった部分と、字幕のルールについて、1つずつ質問を書きました。
課題の添削原稿の返却(質問した場合はその回答も)と訳例が「manaba」にアップロードされるのは、課題提出期限の2週間後です。ああ、すごく緊張します。ドキドキドキドキドキ。
次回は、添削結果を大公開!する予定です。(答案が真っ赤っ赤だったら、恥ずかしくてできないかもしれませんが!)ではそれまで、第2回の学習に進もうと思います。
今回のポイント!
映像翻訳Web講座 ベーシックコース
あなたに寄りそう!「映像翻訳Web講座」
時間の制約や通学距離などの事情から、通学受講を迷っていた方々におすすめ!パソコンがあれば、どこにいても受講できます。最短22カ月間で、プロの映像翻訳者になれます。まずは、ベーシックコースから。
受講体験者・文:アンズ(GOTCHA!編集部)
「手に職」をと、実務翻訳や文芸翻訳の講座を受講したことあり。映像翻訳は字幕・吹き替えともに未体験。最近はビジネス分野の実務翻訳でも動画の字幕・吹き替えの需要が増加しているという話を聞き、今回の受講へ。