英語が完璧じゃなくてもいい!心が通じるように話してみよう

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英語によるミュージカルと音楽と教育ワークショップに 取り組む 非営利団体「ヤングアメリカンズ」。そのヤングアメリカンズのキャストとして世界で活躍している日本人や、ヤングアメリカンズのキャストを経て、人生を切り開いた人によるリレーコラムをお届けしています。第4回は、これまでツアーに9回参加したという、金刺仁美さんです。
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こんにちは。金刺仁美です。あまり英語が上手ではなかった私が、ヤングアメリカンズに入団してから、UKツアー・ヨーロッパツアー・ワールドツアーと、海外でワークショップやホームステイの経験を重ねて上達していった経験をご紹介します。

子どもたちの成長に関わる仕事が好き 

2010年、当時19歳だった私は大学でミュージカルコースを専攻していたのですが、そこにヤングアメリカンズがやってきて交流会を開きました。メンバーはみんな優しくて歌が上手。彼らに惹かれて参加したワークショップで私は衝撃を受け、その後、学生ボランティアとして加わりました。

学生ボランティアはワークショップに参加するの子どもたちが安全に楽しく過ごせるようにお世話をする役割なのですが、子どもたちがワークショップで成長していく過程を見て、「あれ?私もしかしてパフォーマンスするだけじゃなくて、教えたり、子どもたちの成長に関われることが好きなのかも!」と気づき、2013年にオーディションを受け、ヤングアメリカンズに入団することができました。 

スコットランドでは、英語が完璧じゃくても心が通じる瞬間があった

実は私、ヤングアメリカンズに入団してから、必要に迫られて本格的に英語をしゃべり始めました。当初は胸を張って英語を話せます!という感じではありませんでした。

入団2年目にUKツアーに行ったときのこと。最初に行ったスコットランドでは、ホームステイ先のお父さんのなまりが強烈過ぎて、話していることが分からず、一緒に泊まっていたアメリカ人のキャストによく通訳してもらってました(笑)。

言葉自体がアメリカ英語とは違うものもあります。 a little bit を、スコットランドでは a wee bit と言う ので、 Would you like a wee bit of chocolate? と聞かれたとき、「wee って何?」と固まってしまいました。
ほかにも、 イギリスではポテトチップスを crisps と言う のですが、発音が難しくひたすら練習して周りの笑いを誘っていました。

自分からも何かしら近づいていく努力が必要だと思い、言葉の違いの話をしてなまりの真似をしてみたり、ビスケットを紅茶につけて食べてるのを見て真似してみたりしました。ホストファミリーは、そんな私の行動を喜んでくれました。英語が完璧じゃなくても心が通じる瞬間がいくつもあってうれしかったのを今でも覚えています。

ドイツ人に英語が話せる人が多いわけ

ヨーロッパツアーでは、ドイツとポーランドに行きました。もちろんドイツもポーランドも第一言語は英語ではありませんが、特にドイツの人はだいたいみんな英語が話せます。英語が話せる人の多さにとても驚きました。ドイツ人のキャストに聞くと、 ドイツ語と英語は似ているし、ドイツ語の字幕がない映画やテレビ番組がたくさんある からじゃないか?と言ってました。

日本でもテレビの音声を英語に切り替えて見たら、英語にふれる時間が増えて、ドイツ人の英語習得方法に似た形で英語がうなくなるかもしれませんね。

ドイツはとにかく自然や街並みが素敵。ずーっとこの景色みていられるなーと何度思ったことか!でも、個人的に白米が好きな私は毎日のパン生活に泣きそうになってました。いや、何回か泣きました。 

南アフリカの子どもたちと心が通じた「ライオンキング」

南アフリカ・ケープタウンでの16日間は、私の人生の中で最も濃い経験でした。

ケープタウンは世界の大富豪が別荘を持ったいたり、タウンシップと呼ばれるスラム街のような場所で暮らす人もいたり、とても貧富の差が激しい場所です。

私たちはタウンシップでワークショップを開催しました。 整備 されてない、草ボーボーのグラウンドでかんかん照りの中、音楽に合わせて子どもたちは激しく踊り歌い出します。

食べることに困ってたり危険にさらされながら生きている子どもたちにとって、ワークショップは短いけれど、心から楽しんでいるようでした。

また、高校でもワークショップをしました。私たちは「ライオンキング」の歌と演技を教えます。自分の気持ちや心・魂を込めてパフォーマンスするナンバーです。

終わった後、1人の生徒が 「自分が南アフリカ人であることに誇りを持てた」 と言ってくれました。するとまた、1人の女の子が突然立ち上がり、南アフリカの国家を歌い出しました。それにつられて少しずつみんなが立ちあがり、肩を組みながら歌いました。自然と手を取り合い、お互いに元気を与えあい、みんなが1つになった瞬間でした。

 

たくさんの場所に行かせてもらって、世界の子どもたちは、 受け取り方・表情・表現の仕方は違っても、子どもは子どもで変わりはなく、かわいいです! そして、音楽を通して心を通わせるという貴重な体験をたくさんすることができました!

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文:金刺仁美
富山県出身。ミュージカルの勉強をするため、川崎にある音楽大学へ進学。在学中、ヤングアメリカンズに出会い、学生ボランティアを始める。大学卒業後、2013年ヤングアメリカンズに入団。日本を中心にUK・ドイツ・ワールドツアーなど計9ツアーに参加。

編集:honeybun

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