「海外でバリバリ働いている人は、帰国子女か留学経験者」なんて思っていませんか?オーストラリアで会計士をしているATSUさんは、日本生まれの日本育ちという、いわゆる純ジャパ。でも、独学で数々の英語の資格を取り、学生時代の目標を実現しているんです!そんなATSUさんに、今回は、英語学習を効率的かつ効果的に進めるための英文法攻略法を伺います。
目次
学習する順番を考えよう
こんにちは!ATSUです。
皆さんは、「これから英語を勉強するぞ!」と思ったら何から始めますか?
とにかくテスト対策の問題集を解く、単語を暗記する、英会話学校に通うなど、いろいろな選択肢がありますが、「結局、何から始めればいいのかわからない!」という人も多いと思います。
その場合は、英語がどのような要素で構成されているかを考えると、自分がするべきことがクリアに分かります。
今回はまず、その英語の構成要素について考えた上で、英語の学習方法についてお話しします!
英語の構成要素って?
私の考えでは、英語は主に以下の3つの要素で構成されています。
- 単語
- 文法
- 発音
どうしてこう考えたのか?
英語すなわち英文というのは、「単語」が「文法」というルールに従って並んでいます。
そして、聞いたり話したりするときには、その単語と文法からなる英文を音に変換しています。つまり「発音」というルールに従って音声化しているわけです。
こうしてみると、英語学習において取り組まなければならないのは、結局この3つであるということがわかりますね。
その中でも、 文法は「英語を構成するルール」なので、これを知らないと英文を正しく解釈したり、構築したりすることは難しくなります 。
そのため、これから英語学習に取り組もうとしている人、一から自分の学習法を見直したい人には、文法から取り組むことを強くおすすめしています。
文法は、大量の暗記が必要な単語学習と比較して、かなり学習量が少なくて済むというのも取り組みやすい理由です。実際、日常会話に必要な文法は、中学・高校レベルのもので十分。私の感覚では、英文法の95パーセント以上が高校レベルまでのものでカバーできます。
文法書はどう選ぶ?
私が英語学習で使用した唯一の文法書は『キク英文法』という、非常にコンパクトにまとまった本です。
典型的な分厚い文法書を使用しなかった理由は、情報量が多すぎて、1周するのに何カ月もかかってしまうから。学習はテンポ良く、スピーディーに進める必要があるので、この文法書を選びました。
とはいっても、より詳しい解説があった方が進めやすいという人、分厚くても無理なく進められるという人もいると思いますので、何を使うかは好みになってきます。
『一億人の英文法』のような、とても親切な解説をしている文法書もおすすめなので、とにかくまずは自分に合った文法書を手に取り、学習を進めましょう。
効果的かつ効率的な文法の勉強法とは?
それでは、『キク英文法』を使った、私の考える効率的かつ効果的な学習方法を紹介します。
私の学習法は、「戦略」と「戦術」に分けられます。戦略というのは「目標(英文法をマスターすること)を達成するための全体的な方向性」のこと。戦術は「より具体的な実効策」のことです。
【戦略】文法学習全体の方向性
まずは英文法勉強法の「戦略」を決めることから。戦略というのは学習全体の方向性という意味でしたね。私が考えるベストな戦略はこれ。
- 最初は覚えられたかどうかは気にせず、理解したかどうかに焦点を当てる
- しっかりと理解したあとで、何回も文法書を読んで覚える
文法は、英文の構造や骨組みについての「ルール」ですから、ただただ覚えるだけでは意味がありません。単語学習と違い、「理解」してから覚える必要があります。
まずは、その文法事項で説明している内容を完璧に理解するようにしましょう。
また、文法事項を「覚える」とはどういうことかというと、「その文法事項について説明して」と言われたら説明でき、さらに、「その文法事項を使用して、参考になるものを何も見ずに英文を作成できる」という状態を指しています。
【戦術】より具体的な文法学習の手順
続いて、より具体的な勉強法である戦術についてお話ししていこうと思います。先に述べた戦略を意識しながら、以下の3つのステップで行います。
【ステップ1】その文法事項が説明している内容を細部まで理解する
【ステップ2】その文法事項を使って、実際に文を作ってみる。書かなくてもOK
【ステップ3】作った英文を、何度も口に出して言ってみる
順を追って見ていきましょう。
【ステップ1】その文法事項が説明している内容を完璧に理解する
まずは、「ステップ1」。先ほどもお話したように、文法はまず「理解」する必要があります。文法書の説明を読んで、一つ一つ自分が理解できているか常に確認しながら進めることが大切です。
途中で分からない用語が出てきたりして理解があいまいになりそうなときは、その意味をしっかり調べ、理解する*よう心がけてください。この時点では完璧に覚える必要はないので、まずは理解できているかどうかに注意して進めていきましょう。
例えば、『キク英文法』の143ページ、「that [those] の注意すべき用法」の解説を読むとします。次のように書かれていますね。
that[those]は、文中に既に出た「the+名詞」の繰り返しを避けるために使われる。名詞が単数形ならばthat、複数形ならばthoseを使う。
このとき、「名詞」や「複数形」という言葉の意味が分からなければ、thatやthoseの用法を理解することはできません。
そのため、分からない言葉があればインターネットなどですぐ調べ、理解してから読み進めます。基本的なことですが、面倒で飛ばしてしまう方も多いため、あえて触れておきます。
【ステップ2】その文法事項を使って、実際に英文を作ってみる
続いて、「ステップ2」。その文法事項の内容をしっかり理解したら、覚えた知識を使って、実際に文を作ってみましょう。
こうすることで、話したり書いたりするときに、よりスムーズに頭から知識を取り出すことができるようになります。また、本当に自分がその文法知識を理解したかどうかが明確に分かるはずです。
先ほど出てきた「that[those]の注意すべき用法」を例にとって、やってみましょう。文法書に掲載されている例文も参考にします。
『キク英文法』にはこんな例文が掲載されています。
The climate of Tokyo is milder than that of Hokkaido.
東京の気候は北海道の気候よりも温暖だ。
上記のthatはThe climateの繰り返しを避けています。これをもとに、次のような英文を作ってみました。
The traditional food of Japan is better than that of the United States.
日本の伝統料理はアメリカのそれよりもおいしい。
このthatはThe traditional foodを指してますね。頭の中でいきなり英文を作れなくても大丈夫です。最初はものすごくゆっくりでもいいですし、書いてみてもOKです。
【ステップ3】作った英文を、何度も口に出して言ってみる
文ができたら、あとはそれを何度も実際に口に出して言ってみてください。そうすることで、次にその文法事項が使えるシチュエーションに出合ったときに、よりスムーズに言えるようになります。
また、実際に口に出すときは自分が本当に使っているところをイメージして言うようにするといいですよ。そうすればするほど、実際に使うときパッと素早く、頭の中にこの文法事項が浮かぶようになります。この3つのステップを全ての文法事項に対して行います。
学習計画を立てよう
戦略とそれに基づく戦術を実行していくためには、学習計画が必要です。私が初めて文法学習に取り組んだときには、以下のような計画で学習を進めました。高校2年生の終りごろです。
【フェーズ1】
- 1日6時間ほど時間を取り、20~30日で文法書を一周し全体像をつかむ
- このときは、覚えることは意識せず、理解を心がける
- 要点などは、ノートではなくテキスト(文法書)に書き込む
【フェーズ 2】
- 1日あたり6時間ほどの学習時間を取り、15日間で文法事項を覚えることを意識しながら文法書をもう一周する
【フェーズ 3】
- 【フェーズ 2】と同様の学習を、1週間で行う
最初は、しっかりと理解することを意識しつつスピード感を持って学習することにより、頭の中に「文法」というものの全体像が残るようにします。このとき、覚えたかどうかはそれほど気にしません。
人間1回やっただけだと、どうしても忘れてしまいます。また、ここで覚えることを強く意識すると、後で忘れていたときにがっかりしてしまい、モチベーションが下がってしまう可能性さえあります。
「フェーズ 1」で一度学習が完了したら、「フェーズ 2」は二度目なので、当然学習のスピードが速くなります。ここで覚えることを意識して進めます。2周したことでさらにがスピードが増すので、最後の「フェーズ 3」では、約1週間で1周できます。
もちろん、人によって学習に取れる時間は異なると思いますので、これを参考にして自分自身の学習計画を作ってみてください。
まとめ
今回は、英文法をマスターするための戦略と戦術をお伝えしました。
全部やるのは大変だと思うかもしれませんが、これをコツコツと丁寧に行うことで、自信を持って「自分は英文法を理解している」と言えるようになります。
それだけでなく、実際にその文法を使うとなったときにもスムーズに対応できるようなります。粘り強く進めていきましょう!
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