ちょっと気になる英単語を毎回ピックアップしてお届けします。今回取り上げるのは「hallucination(ハルシネーション)」。医療や心理学の分野でよく見かける言葉ですが、最近ではAIに関する記事や解説でも、この単語を目にする機会が増えています。
hallucinationってどういう意味?
hallucination は、日常会話ではあまり使われない言葉ですが、英語では明確な定義を持つ専門語です。
hallucination: ハルシネーション(幻覚)
hallucination, the experience of perceiving objects or events that do not have an external source, such as hearing one’s name called by a voice that no one else seems to hear.
ハルシネーション(幻覚)とは、外部の原因を持たない物体や出来事を知覚する体験のことであり、たとえば、ほかの誰にも聞こえていないのに、自分の名前を呼ぶ声が聞こえるような場合がこれに当たる。
出典:hallucination – Encyclopaedia Britannica, Encyclopaedia Britannica
近年、この hallucination という言葉は、AI分野で比喩的に使われるようになりました。いわゆる AI hallucination (AI ハルシネーション)です。
医療や心理学の分野では、hallucination は「幻覚」と訳されることが多いですが、AIの文脈ではカタカナで「AI ハルシネーション」と表現されることが多いようです。
AI hallucination(AI ハルシネーション)とは?
AIハルシネーションとは、AIが事実ではない情報や、存在しない人物・論文・出来事を、もっともらしい文章として生成してしまう現象を指します。
ここで error や mistake ではなく hallucination が選ばれているのは、AIが単に間違えるのではなく、あたかも正しい情報であるかのように、一貫した内容を生成してしまう点が、人間の幻覚と重ねて理解されているからだと考えられます。
英語ではこう使われる(例文)
AIの文脈では、hallucination(名詞)や hallucinate(動詞)のように使われます。
AI hallucination remains a major challenge for developers.
(AIのハルシネーションは、開発者にとって依然として大きな課題だ)The system produced a confident answer, but it turned out to be a hallucination.
(そのシステムは自信満々に答えたが、結果的にはハルシネーションだった)The model hallucinated details that were not in the original data.
(そのモデルは、元のデータには含まれていない情報を作り出してしまった)
まとめ
hallucination(ハルシネーション)は、本来は医療や心理学の分野で使われてきた言葉です。しかし現在では、その意味の核心である「存在しないものを、もっともらしく知覚する」という点が、AIの誤情報生成を説明する比喩としても使われています。
英語の記事で AI hallucination という表現を見かけたら、単なる「ミス」ではなく、もっともらしく作られた誤りを指しているのだと理解すると、文脈がつかみやすくなるでしょう。
