There is the dog これって正しい?間違い?【英文法の落とし穴】

日本人が苦手な項目で英文法をマスターしていく書籍『英文法の落とし穴』から、クイズ形式の記事をお届け!栄えある第1回目は、There is/are構文に隠れる「落とし穴」に関する内容です。多くの日本人が中学の早い段階で習うThere is/are構文ですが、ここでも冠詞の使い方など覚え違いはけっこうあるようです。

まずは、○×クイズに挑戦!

第1問

正しい英文には( )に○を、間違った英文には( )に×を入れましょう。

*レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を見ながら

( )There is the long, white table.
( )There is a long, white table.

第2問

正しい英文には( )に○を、間違った英文には( )に×を入れましょう。

*「パンはどこ?」と聞かれて
 
( )There is the bread on the table.
( )The bread is on the table.

第3問

正しい英文には( )に○を、間違った英文には( )に×を入れましょう。

*捜していた飼い犬をテーブルの下に見つけて
 
( )There is the dog, under the table!
( )There is my dog! I've been looking all over for him.

解答と解説

それぞれ、解答と解説を見ていきましょう!

第1問:一般的なルールの確認!

*レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を見ながら
 
(×)There is the long, white table.
(○)There is a long, white table. (長くて白いテーブルがある)

一般的なルールとして、「~がいる/ある」という意味でThere is/are~を使う際は、あとの名詞に特定の限定詞(the、this、that、these、those、所有代名詞など)はつけません。There is/are構文は、まだ特定されていない初めて登場する人や物を言い表すときに用いられるからです(a long, white table)。そのため、単数の可算名詞(table)には不定冠詞a/anをつけなければならず、複数名詞は無冠詞、または次の例のようにsomeなどの不定限定詞がつきます。

(○)There are some people gathered around the table.(テーブルの周りに何人かの人が集まっている)

第2問:特定の人や物の位置を表すとき

*「パンはどこ?」と聞かれて
 
(×)There is the bread on the table.
(○)The bread is on the table.(パンならテーブルの上だよ)

特定の人や物(the bread)の位置を表すとき、基本的にはThere is/are ~は使いません。ですので、次の文は不自然になります。

(×)There are Jesus‘s followers gathered around the table.

その代わりに、次のように言えるでしょう。

(○)Jesus’s followers are gathered around the table.(キリストの信徒たちがテーブルの周りに集まっている)

第3問:あえて強調したい場合

*捜していた飼い犬をテーブルの下に見つけて
 
(○)There is the dog, under the table!
(○)There is my dog! I've been looking all over for him.

それでも、あえて「そこに・あそこに」ということを強調したいときは、There is/areのあとの名詞に特定の限定詞をつける場合があります。例文では、話者は捜していた特定の犬(the dog、my dog)を見つけたので、その居場所を強調するためにThere is ~を使っています。同様に、例えばイタリアに旅行してピサの斜塔を見たら、こう叫ぶこともありえるでしょう。

(○)There's the Leaning Tower of Pisa!(あそこにピサの斜塔がある!)

ただし、ピサの斜塔はイタリアにあるという事実を述べたい場合は、There is the Leaning Tower of Pisa in Italy.とは言わず、

(○)The Leaning Tower of Pisa is in Italy.(ピサの斜塔はイタリアにある)
と言います。

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ENGLISH JOURNAL編集部
構成:ENGLISH JOURNAL編集部

英語を学び、英語で学ぶための語学情報ウェブサイト「ENGLISH JOURNAL」が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。 単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

編集:湯直樹(アルク)

※ 本記事は、書籍『英文法の落とし穴 ~ 日本人が苦手な100項目でマスターする!』(アルク)の内容の一部を再構成したものです。

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