ビジネスの場で英語を話すなら、国際情勢や経済動向、企業戦略など、世界の最新事情に触れる機会が必ず訪れます。そんなとき、「今話題のあれを英語でなんて言うのか」を学ぶのに最適の素材が英語のニュースです。日経LissNで配信されている最新情報を、英語講師の天満嗣雄先生がわかりやすく解説します!
今回のニュース
新型コロナウイルスに感染し自宅療養する人のオンライン診療が広まっていないというニュースです。今年1月~3月の実績では、その利用頻度が1カ月に10万人あたり1回という低水準とのこと。
Online initial consultations see almost zero adoption , doctors reluctant despite strained healthcare system
オンライン初診、活用ほぼゼロ 医療逼迫(ひっぱく)も医師動かず
2021年9月1日に配信されました。
まずは聞いてみよう!
音声は以下から聞くことができます。一体、どんなことが話されているのか、概要を 把握する つもりで聞き取りましょう。
※ノーマルスピード(1倍速)の音声です
理解度をチェック!
ニュースの内容について、しっかり聞き取って理解できているか確認しましょう。次の問題について、正解の選択肢を選んでください。
How many doctors in the Tokyo area offer house calls?
(A) Almost 70,000.
(B) About 550.
(C) Around 20,000.
詳細を聞き取ろう
今度は、スクリプトや翻訳を確認しながら、もう一度音声を聞いてみてください。聞き取れていなかった箇所や、意味がわからなかったところなどを重点的に確認してください。
スクリプト
Online initial consultations see almost zero adoption , doctors reluctant despite strained healthcare system
Telehealth visits using computer screens and other means for COVID-19 home care patients have failed to catch on in Japan. The online format for initial and subsequent consultations was hardly used in 35 prefectures between January and March 2021, less than once a month per 100,000 people, according to data Nikkei obtained by information disclosure request . Doctors are reluctant to use the system even as the healthcare system struggles to keep pace with the spread of infection . Outside of Japan, online systems are allowing for a quicker response , so the government and local communities must urgently work together to promote such systems.
More than 70,000 patients are receiving home care for COVID-19 nationwide. The largest number is in Tokyo with over 20,000 people. According to the Tokyo Medical Association , there are only about 550 doctors contracted by the metropolitan government who offer house call services or other home care for COVID patients, not enough to provide them with adequate treatment . In April 2020, Japan approved online medical services for initial consultations that eliminate the need to meet face- to -face, but more than a year later, the system is still far from being effectively implemented.
Nikkei examined the number of online first consultations by prefecture between January and March based on data obtained from the Ministry of Health, Labor and Welfare. An average of 2,400 initial visits were found to be conducted online per month, accounting for less than 0.1% of the total, although this did coincide with a surge in COVID cases during the "third wave." Of the 11 prefectures under a state of emergency, an average of 2.6 initial consultations a month were conducted per 100,000 people, with the highest number in Tochigi Prefecture at only seven.
翻訳
新型コロナウイルスの自宅療養者ら向けにパソコン画面などを使うオンライン診療が日本で広がらない。日本経済新聞が情報公開請求で得たデータによると、2021年1~3月の初診からの利用頻度は35道府県で人口10万人あたり月1回未満とほぼゼロだった。医師側は活用に消極的だが、感染 拡大 で医療は後手に回っている。海外はオンライン化で迅速に対応しており、政府や地域が一体となって促進する 取り組み が急務だ。
新型コロナの自宅療養者は全国で7万人以上。最多は東京都の2万人超だ。都医師会によると、都の 委託 で往診などコロナ患者の在宅診療を手掛ける医師は約550人で療養者を十分に診療できる 体制 にはない。国は20年4月に対面しなくてもいいオンライン診療を初診から認めたが、1年余りたっても効果的な運用にはほど遠い状況だ。
厚生労働省から得たデータで1~3月のオンライン初診件数を都道府県別に調べた。コロナ患者が急増した「第3波」と重なるが、月平均2400回で全初診の0.1%以下。緊急事態宣言が出ていた11都府県の10万人あたりの初診は月平均2.6回で、最多の栃木県も7回にとどまった。
覚えておきたい単語リスト
ニュースに出てきた表現のうち、難しいものや、特に知っておいた方がよいものをまとめました。1つずつ、意味を確認してください。
- reluctant : 消極的な
- strained: 逼迫(ひっぱく)した、緊張した
- telehealth visit: オンライン診療
- catch on : 流行る、受ける
- initial consultation : 初診
- subsequent : その後の、後続の
- information disclosure request : 情報公開請求
- allow for : ~を可能にする
- urgently: 緊急に
- house call : 往診、家庭訪問
- implement : 運用する
- surge: 急増
- coincide with : と重なる
ニュースのポイント
コロナの自宅療養者に対するオンライン診療が広まっていないというニュース。見出し後半部のdoctors reluctant despite strained healthcare systemは、前半部の「オンライン活用がほぼゼロ」という内容を補足しています。節ではないのでbe動詞は使われていません。
第1段落第1文のcatch on は「流行する」という意味です。第2文の less than once a month per 100,000 peopleは前の部分の補足説明。was hardly used(ほとんど使われていない)という内容の実態(1月あたり10万人に1人にも満たない)が述べられています。重要な情報の後に according to data Nikkei obtained by information disclosure request と出典が続くのはニュースでよく登場するパターンです。
第2段落では 具体的な データが紹介されています。第3文に登場するnot enough to provide them with adequate treatment .はその前の情報(都の 委託 を受けて往診などでコロナ患者の在宅療診療をしている医師が約550人)についての補足説明です。2万人以上の自宅療養患者に対して550人ではさすがに足りませんね。
第3段落第2文の accounting for less than 0.1% of the totalはその前のAn average of 2,400 initial visits were found to be conducted online per monthの補足説明ですね。月平均2,400件が全体の0.1%以下であるということ。その次の although this did coincide のdidは、現実にそれが起こったことを強調するために用いられています。最後の文の with the highest number in Tochigi Prefecture at only seven.もその前の11都道府県での状況を補足説明する部分です。最高の栃木県でも7でしかなかったということのようです。
今週のキーワード
call
訪問
最初に思い浮かぶのは「呼ぶ、電話をする」あたりの動詞の意味かと思いますが、名詞で「訪問」という意味もあります。他にも「要求、必要性、(審判の) 判定 、決定」など色んな意味がありますね。
クイズの正解
(B)
いかがでしたか?来週はどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。毎週月曜日の 更新 をお楽しみに!
また、さらにたくさんのニュースを英語で聞きたい場合は、LissNのアプリがおすすめです。
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ホームページ: https://processeigo.com/
Twitter: @ProcessE
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