「ふわふわ」「ぱりぱり」「さくさく」「もちもち」・・・食感を表すオノマトペ、英語でなんて言う?

「ふわふわ」なパンケーキ、「ぱりぱり」なピザ生地、「こってり」したラーメン、などなど。微妙なニュアンスや豊かなイメージを伝える日本語のオノマトペ(擬音語・擬態語)。英語でどのように表現すればいいのでしょう?

感覚やイメージが伝わるオノマトペ

「わいわい」「もふもふ」「こってり」「ザーザー」など、日本語は擬音語・擬態語が非常に豊かな言語です。こうした擬音語・擬態語のことを「オノマトペ」と言い、オノマトペを使うと感覚やイメージを直感的に伝えることができます。この記事では、「食感」を表す英語表現をピックアップしました。

「ふわふわ」って英語でなんて言う?

【クイズ】

空欄に入る言葉はなんでしょう?

These pancakes are so (   ). They’re delicious!
このパンケーキはふわふわだね。おいしい!

【正解】

These pancakes are so ( fluffy ). They’re delicious!

空気が入っていてやわらかいパンやオムレツなどは、fluffyとよく言います。fluffyは食べ物以外にも使います。例えば、綿のように見える雲のことは、fluffy clouds(ふわふわした雲)と言えます。ちなみに、動物の毛並みなどが「もふもふ」した感じもこの語で表現することができます。fluffyは、ふんわりと膨らむ、やわらかなイメージがある語です。

「こってり」を表す英語はニュアンスで使い分ける

【クイズ】

濃厚なおいしさだったり、胃もたれするほどヘビーな味だったり・・・。一口に「こってり」と言っても、いろいろなニュアンスがあります。どんなこってり感を伝えたいかによって、使う単語も変わってきます。では、次の空欄にはどんな言葉が入るでしょうか?

※1.はネガティブな意味の「こってり」、2.はポジティブな意味の「こってり」。別々の言葉が入ります。

1.
This ramen is too (   ) for me.
このラーメンは僕にはこってりし過ぎている。

2.
This ramen has a wonderful, (   ) flavor!
このラーメン、こってりとした見事な味わいがある!

【正解】

1.
This ramen is too ( heavy ) for me.

2.
This ramen has a wonderful, ( rich ) flavor!

heavyとrichは、味が濃い食べ物に対して使えます。通常heavyは、胃にもたれるような料理に対して、ネガティブなニュアンスで使われます。一方、濃厚なおいしさを表現したい場合には、richを使います。richは、「こってり」だけではなく「とろり」とした感じも表します。クリーミーでとろとろとした食べ物のことは、よくrich and creamyと言います。

「ぱりぱり」「さくさく」をネイティブはどう表現する?

【クイズ】

さくさくのシリアルが入ったNestle Crunchというチョコレートがありますが、このcrunchという語、実は英語のオノマトペが由来です。オノマトペはよく、商品名や広告に効果的に使われています。

次の空欄には、crunchと似た語が入ります。「さくさく」「ぱりぱり」した食感を表し、カタカナが商品名に使われているのも見かけます。さて、なんでしょう?

I want to bake the apple pie so that the crust has a nice (   ) texture.
アップルパイは、生地がぱりぱりになるように焼きたい。

【正解】

I want to bake the apple pie so that the crust has a nice ( crispy ) texture.

「さくさく」「ぱりぱり」は英語でcrispyと言います。唐揚げやお菓子の「クリスピー〇〇〇」というネーミングの由来はここにあるんですね。日本語では音や食感によって「ぱりぱり」と「さくさく」を微妙に使い分けますが、英語ではどちらもcrispyで表します。

「もちもち」って英語でなんて言う?

【クイズ】

空欄に入る言葉はなんでしょう?

My favorite cookies are (   ) and have chocolate chips in them.
僕の一番好きなクッキーはもちもちで、粒チョコが入っている。

【正解】

My favorite cookies are ( chewy ) and have chocolate chips in them.

chewは「かむ」という意味の動詞で、形容詞のchewyは、弾力があって歯応えがある食べ物のことを表します。しかし、肉に対してchewyを使うと、「もちもち」を通り越して、「固くて食べにくい」という意味になりますので、注意しましょう。

日本語のオノマトペ、ネイティブが英訳してみた!

本書では、英語学習サイト「英語with Luke」で人気のルーク・タニクリフさんが、日本語のオノマトペの世界に挑戦!表情豊かな擬音語と擬態語の数々を、ネイティブに伝わる自然な英語に訳しました。表現の幅が広がり、思ったまま・感じたままを英語で言えるようになります。

場面別&例文付きでフレーズを紹介

日本語のオノマトペを場面・テーマ別に取り上げ、英語表現と例文をセットで紹介しています。巻末の日本語・英語索引から知りたい表現をさっと探すこともできます。

見出し語の一例

【動作】 じろじろ、ぶらぶら、ごくごく、ぺちゃくちゃ
【心の動き】 いらいら、わくわく、きゅんと、うんざり
【感覚】 すべすべ、ひりひり、もちもち、あつあつ
【様子・状態】 あたふた、じわじわ、ほっそり、ぎゅうぎゅう
【物音・動物の鳴き声】 とんとん、がたがた、ワンワン、モーモー

コラムでわかる「英語のオノマトペ」

「英語の音が伝えるイメージ」「英語の広告とスローガンのオノマトペ」など、翻訳家ルーク・タニクリフさんならではの着眼点が興味深いコラムを10本収録しています。

※この記事は、『英語でオノマトペ表現』(アルク)の内容の一部を再構成したものです。

Luke Tunnicliffe(ルーク・タニクリフ)
Luke Tunnicliffe(ルーク・タニクリフ)

1982年、イギリス、コーンウォール州生まれ。父はイギリス人、母はアメリカ人。13歳のとき、一家でアメリカのノースカロライナ州へ。大学卒業後は雑誌編集者・記者の仕事を経験。2005年にJETプログラムで来日し、新潟県の中学校で英語教師を2年間務める。2008年に再来日し、英会話講師とビジネス翻訳の傍ら、東京大学大学院にて翻訳論を学ぶ。2010年に開設したウェブサイト「英語 with Luke」が、月間150万ページビューを記録する人気サイトに。著書に『イギリスのスラング、アメリカのスラング』(研究社)、『「とりあえず」は英語でなんと言う?』(大和書房)、『「カジュアル系」英語のトリセツ』(アルク)などがある。
ブログ「英語 with Luke

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