この連載では 『Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル』 などでおなじみのカリスマ英語講師Mr. Evineさんが、スピーキングにつながる英文法のテクニックをクイズ形式で紹介します。今回は「助動詞の表現」についてです。根拠がある強い 可能性 を表すときは might、can、mustどれを使うのでしょうか?
Hello! Evineです。連載6回目のテーマは「助動詞の表現」です。
今回取り上げる助動詞は、動詞の意味に、話し手(書き手)の「主観的な気持ち」を加える働きをします。また、時制による動詞の形の変化だけでは対応できない状況描写や感情の表現も、助動詞によって可能になります。
まずは、次のクイズを解いてみてください。
チャレンジ!話せる英語クイズ
Q. 【 】の単語に注目すると、次の英文の違いは何でしょうか。
(A) Everything 【is】 all right .
(B) Everything 【should be】 all right .
さて、文の違いを説明できるでしょうか?答え合わせをしましょう。
「可能性」を表現する助動詞
英文(A)の現在形は「全て大丈夫だよ」という意味で、「事実」をそのまま表現した形。原則として「何事も100%問題ない」ことをストレートに伝えます。
一方、be動詞に助動詞 should を加えたものが英文(B)。英文(A)と比較してどんなニュアンスの変化があるのでしょうか。
助動詞 should を用いた 英文(B)は「きっと全て大丈夫だよ」という意味になり、100%の確信はないけれども、個人的な予想や期待を込めて「きっとそうだろう」という話し手(書き手)が考える「可能性」を表現したものです。
「助動詞+動詞の原形」の形で、助動詞は本来の動詞の意味に話し手(書き手)の気持ち(主観的な感覚)を加える働きがあります。
つまり、主観を相手に伝えたいときに大いに役立つのが助動詞なのです。
伝えたい内容や自分の状況に合わせて形を変える!
助動詞で悩む 原因 の一つに、その用法の多さが挙げられるのではないでしょうか。今回は実用性を重視した上で「可能性」の表現を軸に、助動詞を整理していきます。
まず、「可能性」を表現するmustと might が持つ響きの「強弱」を例文で比較して見ていきましょう。
(A) Jack must be with your daughter. I just got a text from her.
ジャックはきっとあなたの娘さんと一緒ですよ。彼女からメールをもらったんです。(B) Jack might be with your daughter, but I’m not sure .
ジャックはあなたの娘さんと一緒にいるかも、でも自信ないなぁ。
どちらも助動詞で「実現の可能性」を表現したものです。実は同じ助動詞でも話し手の確信度(気持ち)の「強弱」が異なります。
まず英文(A)の助動詞mustは「こうだから、こうなる」というように根拠に基づく強い可能性を表現したものです。今回であれば2文目がその理由を示す情報になっています。
一方、英文(B)の助動詞 might は「ひょっとしたら・・・ではないかもしれない 」という否定的な感覚で話し手(書き手)の弱い可能性を表現したものです。
「可能性」を表現する助動詞の練習方法
それでは、スピーキングに必要な「可能性」を表現する助動詞を、ステージごとに整理していきましょう。
Stage 1 文法的理屈を学ぶ
「可能性」用法を持つ助動詞は次の4つがあります。
| 助動詞 | 日本語訳例 |
|---|---|
| must [have to ] +動詞の原形 | ・・・に違いない |
| should +動詞の原形 | きっと・・・だろう |
| might [may /could] +動詞の原形 | ・・・ かもしれない |
| can’t [cannot]+動詞の原形 | ・・・であるはずがない |
文法的な誤用として、見落としがちなのは、「可能性」用法の助動詞の時制です。「可能性」用法の助動詞は基本的に「現在」または「未来」を示し、「過去」の可能性は「助動詞+動詞の完了形(have Vpp)」になります。
例えば、must have Vpp(・・・だったに違いない)、 might have Vpp(・・・だったかもしれない )、can’ t have Vpp(・・・だったはずがない)などです。
Stage 2 リアルな使い分けをイメージする
助動詞の「(実現の)可能性」用法の使い分けをイメージしましょう。
| 用いる助動詞 | 会話の目的 | |
|---|---|---|
| 可能性の響き 「強弱」 | must [have to] | 根拠に基づき「~だから、・・・になる」という 強い可能性を話す |
| should | 「きっとこうなるだろう」という話し手の 期待を込めた可能性を話す | |
| might [may / could] | 「・・・かもしれないし、そうでないかもしれない」 と確信の薄い可能性を話す | |
| can’t [cannot] | 否定的な可能性を話す |
※助動詞の「(実現の)可能性」用法は「推量」と呼ばれることも多いですが、「可能性」があるから「推量」できるという見方から、この記事では便宜上「可能性」として統一しています。
might / may /couldは可能性としては話し手(書き手)の中で半々の気持ちが含まれ、可能性を否定したcan’tは限りなくimpossibleなニュアンスに近くなります。
日本語も使い分けのヒントにはなりますが、会話の目的を意識し、また助動詞の響きの強弱にも注目することで、実践的な感覚に近づいていきます。
Stage 3 運用力を養う
自分自身に当てはまる(直接的)経験を、助動詞を使って発話してみましょう。例えば、次のようなフレーズです。
That should be true.
それはきっと真実ですよ。
You might know this already.
あなたはこのことをすでにご存じかもしれません。
強めのトーンはshould、弱めのトーンはmightです。この2つを軸に他の助動詞も整理すると効率が良くなります。根拠ありのmustと違い、shouldは話し手の予想や期待に過ぎません。
そのため、本音は確信を持っていても、誤った情報を発信してしまった場合のリスク回避のために、あえてshouldで済ますというのもリアルな会話ではありですね。
レベルアップ問題にチャレンジ!
スピーキングにつながる文法力を身に付けるため、次の「助動詞」の使い分け問題にチャレンジしましょう。
(1)、(2)は状況に合うように適切なものを選びましょう。(3)は空欄を埋めてください。
(1)
Is this one mine? ― Yeah, it[ ]be. The other one has someone else’s name on it.
(A) might (B) can (C) must
(2)
[Can/Do] you take a look at this, please?
― OK. What is it?
(3)
彼女が友達とブラブラしているはずないわ。ここ数日はかなり忙しくしてるって言ってたもん。
She ( ) ( ) hanging out with her friends. She said she’s been very busy in the last few days.
レベルアップ問題の解説
まず(1)ですが、返答文の2文目より、話し手の中で根拠がある強い可能性を表現することができる助動詞mustが正解です。
続いて(2)について。現在形の疑問文の基本は「日常習慣」を尋ねることなので、返答文の内容からDo you …?(・・・しますか)は誤りですね。Can you …?(・・・してくれませんか)は特定の場面において相手に何かをお願いする、いわゆる「依頼」表現。「こういうことができる可能性はあるのか」を尋ねたものです。
ちなみに canは「能力(・・・することができる)」が基本用法ですが、「能力」は「可能」につながりますから、結局は「可能性」用法と根底のニュアンスは同じです。
最後に(3)について。canには「能力」だけではなく一般的な可能性(・・・することがあり得る)を表現することができますが、それを否定形can’t [cannot] にすることで可能性の否定、つまり「・・・するはずがない」という意味で使えます。ここでは応用的に進行形と組み合わせcan’t be Ving(・・・しているはずがない)という意味です。
レベルアップ問題の解答
(1) (C)
(2) Can
(3) can’t [cannot] be
助動詞は時制と同様、苦手意識が強い人が多いです。まず一番に行うことはつづりと意味(日本語)の確認と暗記ですが、結局のところそれだけでは実践において活用できないため、ストレスがたまってきます。
助動詞がどのような場面で使われ、どんな印象を相手に与えるのか、しっかりとイメージして定着させましょう。使い分けが明確なものから確実に押さえていくとスムーズにマスターできますよ!
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