「発音がきれいだね」って言われたい。帰国子女じゃなくても、留学経験がなくても、英語に自信が持てるようになれるんです!女優でプロのナレーターの宮本和歌子さんに、6回にわたって発音の磨き方を教えていただきます。
こんにちは、宮本和歌子です。大学卒業後、中学・高校の英語教員を経て、現在は舞台を中心に女優として活動しています。以前、NHKワールドの番組に出演し、同時に番組のナレーションも担当させていただきました。NHKワールドは海外向けの放送局なので、番組はすべて英語です。そのような番組に、帰国子女でもなく、海外居住経験もなく、ただただ日本で英語を勉強してきただけの私のような人間が、どうしてナレーションまで担当することになったのか、そのトレーニング法を書いていきたいと思います。
日本語には、子音で終わる発音がないので、英語が話せるようになるには、子音の練習が欠かせません。子音は24個あるといわれていますが、中でも日本人の多くが苦手な「l」の発音と、私が苦手だった「d」の後に「s」が付いたときの発音のトレーニング法を紹介します。
日本人の多くが苦手な 「l」の発音
私は教員をしていたこともあり、人から発音をチェックしてほしいと言われることがあるのですが、そのときに気になるのが /l/ の発音です。/l/ は舌の先を上の歯の裏にくっ付けて出す音なので、日本語の「らりるれろ」に比較的近いのですが、舌をくっ付けずに発音している人が多いような気がします。
call、fall、milk、の発音 /l/
/l/ は舌の先を上の歯の裏に強く押し付けるように発音します。まずは、単語を1つずつ声に出して読んでみましょう。最初は舌の位置を確認しながら、ゆっくりと発音してみるといいですよ。
鏡や、スマホのカメラを使って、 /l/と発音するときに舌の裏が見えることが確認できるくらい大げさに発音してみましょう。
- call(呼ぶ)
- fall (落ちる)
- I’ll(私は~します)
- milk(牛乳)
- school(学校)
- well(よく)
うまくできましたか?それでは、続けて英文の中に出てくる /l/ にチャレンジしましょう。 /l/の舌の位置を確かめながら、ゆっくりと丁寧に発音してください。
You have a phone call.
電話ですよ。
I didn’t do very well at school.
私は学校であまり成績がよくありませんでした。
I’ll be entering the school in the fall.
私は秋に入学することになっています。
私が苦手だった発音は、friendsの「ds」
私は、words、birds 、friendsなど、dにsが付いた複数形の単語の発音が苦手でした。正しくは、/dz/ですが、/z/に聞こえていたそうです。日本語だと「ワーズ」「バーズ」「フレンズ」と書くため、英語の/dz/と/z/の発音違いに自分から気が付くことができませんでした。
正しく/dz/と発音するなら、「ワーツ」「バーツ」「フレンツ」に近い発音になります。舌を上あごから離さないようにすることが、この発音の注意点です。難しく考えずに、/d/ /z/を同時に無理やり発音しようとすると、うまく/dz/の音が出せました。
cars(車の複数形)なら、「カーズ」、cards(カードの複数形)なら「カーツ」のような違いがあります。
- birds(鳥の複数形)
- cards(カードの複数形)
- friends(友達の複数形)
- heads(頭の複数形)
- winds(風の複数形)
- words(言葉の複数形)
それでは、続けて英文の中に出てくる/dz/にチャレンジしましょう。/dz/の音は特にゆっくり丁寧に発音してみてくださいね。
Birds of a feather flock together.
類は友を呼ぶ。
I’m blessed with good friends.
私はいい仲間に恵まれています。
In other words, he is selfish.
言い換えれば、彼はわがままだってことです。
仕上げは自分の発音を録音して客観的にチェック!
発音の間違いは、自分ではなかなか気付くことができないですが、自分の発音を録音して聞いてみるのが客観的に判断できるトレーニング法かと思います。自分でできているつもりでも、録音したものを聞いてみるとできていなかったり、もっとこうした方がいいというような改善点も見つかります。何度か録音してみるだけでも、発音がびっくりするほどきれいになっていると思いますよ。
発音がこなれてきたら、英文が使えそうな場面を想像してみましょう。感情移入できて、ますます英語らしい発音になります。
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写真:寺岡祥平
編集:増尾美恵子
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