家庭での日常会話編【キムタツ式クイックレスポンス】

どんなに英語を学習しても意外と言えないのが「身の回り」の出来事。キムタツ先生印の「クイックレスポンス」トレーニング(日→英を高速変換)で「言いたいことを英語で言える」ようになりましょう!

第16回 家庭での日常会話編

今回のテーマは家庭での日常会話に関する表現です。下の指示に従って、Let’s get started!

「クイックレスポンス」トレーニングの手順

  1. それぞれの表現を確認します。わからない単語や文法があれば、印を付けておきましょう。
  2. 音声を聞き、表現の意味や発音を確認します。その後、自分で英文を読み上げ、自信のない箇所は音声を聞き直して再確認しましょう。
  3. 音声の英語に合わせて10回ほどシャドーイングしましょう。ネイティブスピーカーと同じように発音することが目標です。
  4. 何度も声に出して読み上げ、英語と日本語をセットにして、しっかりと表現を覚えます。
  5. 日本語だけを見て、即座に英語の表現が言えるようになるまで頭にたたき込みます。何度も何度も反復して練習しましょう。
  6. 音声を流し、日本語が聞こえたら、英語の音声が聞こえてくる前に、自分で英語表現を口に出してみましょう。

これができるまで、挫折禁止!

Japanese

  1. また靴下を脱ぎっ放しにしてる!
  2. お母さん、僕のYシャツにアイロンをかけてほしいんだけど。
  3. 最近ちょっと偏頭痛が続いているんだけど、肩こりかしら。
  4. お父さん、最近太ってきたから、お母さんと駅前のジムに通ったらどう?
  5. お父さんの下着が僕のに交じって、たんすに入っていたよ。
  6. 犬を飼ったら、あなたが必ず散歩に連れていくって言ってたわよね。
  7. コーヒー豆を買いにスーパーに行くけど、何か要るものはある?
  8. ここに棚があったら便利だと思わない?

English

  1. You left your socks lying around again!
  2. Hey Mom, can you iron my shirt?
  3. I get frequent migraines lately; it may come from my stiff shoulders.
  4. You’ve been getting fatter recently, Dad. Why don’t you go to the gym near the station with Mom?
  5. Dad’s underwear was put in the closet with mine.
  6. You said you were gonna walk the dog when we’ve got a dog, didn’t you?
  7. I’m going to the supermarket to buy coffee beans, do you want anything?
  8. Don’t you think it’d be useful if we put a shelf here?

身の回りのものを英語で言ってみよう!

よく「学校ではこんなくだらない英語を教えている!」と息巻く人がいるのですが、以前に比べてそんなことはなくなってきていると思います。最近の教科書にはThis is a pen. といった英語は載っていませんし、そういう例文を黒板に書く先生もかなり少なくなっているはずです。

確かに、以前は「実用的な英語」と「受験英語」の差はかなり大きかったように思いますが、今ではその差は縮まっています。それに、そもそも「使えない英語」などというものは存在しません からね。

この前読んだ本に「『どういたしまして』を You are welcome. なんて言わない!」と書いてありましたが、とんでもありません。昨年、生徒たちと一緒にイギリスに行きましたが、僕がThank you all very much for welcoming us.(私たちを歓迎してくれて、ありがとうございます) と言ったのに対して、先方の校長先生はYou are welcome.とおっしゃいました。

僕が中学1 年生の担任をするときは、最初の1カ月ほどを使って身の回りのものを英語で言えるように指導します。最初から教科書を使った授業を行う学校や先生が多いでしょうが、中学校に入って外国語を体系的に学び始めるというせっかくの時期です。まずは身近な物事を言えるようになって、モチベーションを上げられればと思っているので
す。

実際、table や newspaper などを言える生徒は多くても、ceiling(天井)、cupboard(食器棚)などまで言える中学1年生は少ないでしょう。家庭にあるものだけでなく、学校や街の中で見掛けるものも英語で言えるようにします。

もちろん、学習の仕方も指導します。 「見て、聞いて、声を出す」というのが基本的な方法 です。覚え方を教えずに「とにかく覚えろ!」と言うような乱暴な指導はできませんからね。しっかりと説明して、目で見て、音声を聞き、同時に声を出しながら覚えていきます。

スペリングよりも発音と意味が大切なので、中学生の最初の段階で暗記の仕方まで体で覚えてもらうのです。大人になっても覚え方を知らない人がいますが、 基本に忠実に、そして習慣づくりをしながら、語彙を増やしていく ことで、かなりのレベルまで自分の英語力を高めることができるのです。

これもついでに覚えてしまおう!

  • duplicate key(合鍵)
  • household accounts(家計簿)
  • hand-me-down(お下がりの)
  • wash rice(米をとぐ)
  • change a diaper(おむつを替える)
  • give a child a bath(子どもを風呂に入れる)
  • hang out the wash(洗濯物を干す)
  • set the machine to record the show(テレビ番組を録画予約する)
  • What’s for dinner?(夕飯は何?)
  • Keep the ventilator running to dry the bathroom.(風呂場を乾燥させるために、換気扇を回しっ放しにしておいて)
木村達哉
木村達哉

1964年1月29日生まれ。奈良県出身。関西学院大学文学部英文学科卒業。奈良県の私立高校教諭を経て1998年より灘高等学校英語科教諭。教員と執筆業以外にもラジオのパーソナリティーを努めるなど多方面で活躍。趣味は沖縄の海に潜ること。また野球が好きで、灘中学校野球部監督を務めている。主な著作に「センター試験英語」シリーズ、「東大英語」シリーズ、夢をかなえるシリーズ(いずれもアルク)、「熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター」シリーズ(講談社)などがある。

Narration :Katie Adler、Julia Yermakov

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2019年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

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