世界で最もダウンロードされている語学学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)』。ダウンロード数は5億以上に及び、オバマ元大統領やビル・ゲイツもユーザーだということも話題になりました。アプリの特徴と語学力アップのための効果的な使い方を紹介します。
目次
「Duolingo」ってどんなアプリ?
緑のフクロウがトレードマークの語学アプリ、「Duolingo(デュオリンゴ)」。「英語初心者向けアプリでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実は「Duolingo」は英語レベルが中級、上級の方にもおすすめのアプリなんです。
そこで、今回はDuolingo Country Managerである水谷翔さんに、おすすめの「Duolingo」活用法を特別に教えていただきました。
活用法をご紹介する前に、まずは、「Duolingo」をよく知らない方のために、アプリの特徴を簡単にご説明します。
「Duolingo」の4つの特徴
- すべての学習コンテンツが完全無料
- 「読む」、「聞く」、「書く」、「話す」の4技能を鍛えられる
- ゲーム感覚で効率よく、楽しく学習できる
- 学習のモチベーションを保つ仕組みが満載
パーソナライズされたレッスンで学習が可能
「Duolingo」は、数百万人におよぶ日々の学習プロセスを、ビッグデータから自動的に分析し、各ユーザーにとって最も効果のあるようパーソナライズしたレッスンを提供しています。そのため、全コンテンツが無料で利用できるアプリでありながら、マンツーマンの英語レッスンのような、質の高い学習を効率よく行うことができるのです。
ある研究では、「Duolingo」での34時間分の学習は、大学1学期分の語学授業に匹敵する学習効果があることも証明されています。
第2言語習得理論に基づいた学習アプローチ
「Duolingo」は、implicit learning(暗黙的学習)と呼ばれる学習アプローチが採用されています。implicit learningとは、子どもが母国語を覚えるのと同じような方法で言語を身に付けるアプローチのことです。
一般的に学校の授業などでは、教師が文法などの知識を生徒に教えてから、生徒が実践問題に取り組むことが多いですが、implicit learningを取り入れている「Duolingo」では、文法説明がない状態で、学習者がまず問題に挑戦し、学習者が自然にその言語のルールやパターンを習得できるよう設計されています。まさに、子どもが経験を基に、母国語を学んでいくのと似たようなプロセスです。
このアプローチで学習することによって、(ルールを暗記するのではなく)コミュニケーションを取る際の言葉の活用を促進するので、「知っている」単語や表現を、「使える」レベルにまで効率的に高めることができます。
ただし、学ぶ内容によっては、明確にルールを理解することが必要な場合もあるため、文法、発音、フレーズの説明(ワンポイントアドバイス)を、問題を解く前や、レッスンの後、復習のために読むこともできます。
なぜ高品質なアプリが「無料」で利用できるの?
「Duolingo」がなぜ課金なしで利用できるのか、不思議に思われた方もいるかもしれません。
その答えは、このアプリの開発者ルイス・フォン・アーン氏が、「Duolingo」を開発するに至った背景にあります。
彼はグアテマラという国の出身で、子どものころから貧富の差が教育格差を生む状況を目の当たりにしていました。教育の不公平性を解決する方法を考えた結果、外国語の習得が貧困を抜け出すために最も効果的な方法の一つであると考え、「誰もが、無料で言語を学べる」アプリ、「Duolingo」を開発したのです。
そして「誰もが利用できる、世界最高の教育を開発すること」が「Duolingo」の企業ミッションとなり、世界中で人気となった今でも、「無料で」提供することにこだわっています。
ちなみに、ルイス氏は「CAPTCHA」の開発者でもあります。「CAPTCHA」とは、インターネット上で認証を行う際などに、ロボットではないことを証明するために利用される仕組みのこと。画像に表示された歪んだ文字を入力させる、あの機能のことです。
天才エンジニアが作った語学アプリ、それが「Duolingo」なんですね。
中級者・上級者にもおすすめ!「Duolingo」の効果的な使い方
さて、今回の記事の本題に入りましょう。ここからは、Duolingo Country Manager 水谷さんおすすめの、英語中級者~上級者にもおすすめの「Duolingo」活用法をご紹介します。
「飛び級問題」に全問正解できるかをチェック
「Duolingo」には各セクション(レベル)に複数のユニットがあり、基本的な学習は、地道に各ユニットをクリアして進めていきます。各ユニットを一度クリアすると、ロックが解除され、より難易度が高い次のユニットに進むことができるようになっています。
どの英語レベルの方でも、この基本的な進め方を日々実践すれば、高い学習効果を得ることができます。しかし、「それでは物足りない」「もっと挑戦したい」という方におすすめの学習方法が、「飛び級問題」に挑戦すること。
飛び級テストにパスすると、次のセクションに進むことができます。3問以上間違えると、飛び級はできずテストが終了するので、現在の実力のチェックにも活用できそうですね。
また、出てくる英文を音読しながら問題に取り組むと、発音の向上にも繋がるのでぜひ試してみてください。
「ストーリー」を活用
2020年11月、日本語話者向けの英語コースに追加されたのが「ストーリー」機能です。ネイティブスピーカーのナレーションで展開されるさまざまなストーリーを基に、読解、リスニング、英作文といったエクササイズに取り組むことができます。
楽しみながら、リーディングやリスニングの力を総合的に鍛えられるよう設計されています。ストーリーのテーマは日常生活に則したものになっており、より実践で役立つフレーズを学ぶことができます。
表示される英文を目で追いながら問題を解いてももちろん学習効果がありますが、中級以上の方は、英文を読まずに、音声だけで会話の内容を把握し、問題に挑戦してみましょう!
視覚的なサポートなしに、音声だけで内容を把握するトレーニングを取り入れることで、瞬時に英文を理解する処理能力が格段に上がります。
また「わかったつもり」になっているものが、本当に身に付いているのかを確かめることもできるので、ぜひお試しください。
英語モードで他言語を学習してみる
現在、「Duolingo」の日本語版では、英語・中国語・韓国語・フランス語が提供されています。
これを英語話者向けの英語版に切り替えると、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語などさまざまな言語コースが利用できます。英語に自信のある方は、こうした他の言語を学んでみるのはいかがでしょうか?
すべて英語表記なので、問題文やインストラクションを読むだけで十分英語の訓練になります。そして、さらに新しい言語も学べるので、まさに一石二鳥!トライリンガル、マルチリンガルを目指して、「英語で」ほかの言語を学んでみましょう!
下記の画像は英語話者向けのスペイン語コースのサンプルです。
さらに応用編!もっと挑戦したい方へ
ここからは、上記で紹介した方法ではまだまだ物足りない!という方へ、さらに応用編「Duolingo」活用法をご紹介します!
「Duolingo」の英文を使ってパラフレーズ・トレーニング
アプリでの学習が終わったら、その日に学習した英文を、異なる単語や構文でパラフレーズ(言い換え)してみましょう。アプリ画面のスクリーンショットを取っておくのがおすすめです!
英語は、同じ語や表現の繰り返しを避けることが好ましいとされる言語です。このパラフレーズ・トレーニングをアプリ学習に並行して行うことで、ライティングだけではなく、リスニングやリーディング、スピーキング力を上げることにもつながります。
「Duolingo English Test」受験もおすすめ
実は、「Duolingo」は語学アプリの開発だけでなく、4技能(文法、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能)を測る英語試験、Duolingo English Testも実施しています。
最大の特徴は、オンラインで自宅から受験が可能なこと。また、ほかの英語試験に比べ、受験料が59ドルとリーズナブルで、試験結果は2日以内にわかります(2023年9月時点)。
信頼性や利便性が評価され、最近では英語力証明として、Duolingo English Testを導入する教育機関も増え続けています。
自分の好きな時間に自宅で受けられるので、定期的に受験して学習の成果を随時把握するのもおすすめです。
まとめ
中級者・上級者以上におすすめの「Duolingo」活用法を紹介しました。ご自身に合いそうな方法は見つかりましたか?
英語力をさらに高めるために必要な反復学習を行うのに「Duolingo」は最適なアプリです。5分から学習ができるので、ぜひ気軽にお試しください。
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