2023夏最新版「最強パスポートランキング」で、日本は首位を守れたか!?

海外メディアが報じたニュースから、英語表現を学びましょう!今回は、イギリスのコンサルタント会社がまとめた2023年夏の最強パスポートランキングに関するニュースを取り上げます。

パスポートランキング最新版が発表

時事英語専門のオンライン辞書サイト「RNN時事英語辞典」編集長の廣川です。

ビザなしで渡航できる国や地域の数で集計した「最強パスポートランキング」が発表されました。日本のパスポートはこれまで世界最強でしたが、その座は維持できたのでしょうか?今回はこのニュースで英語を学んでいきましょう。

The Henley Passport Index ranks the world’s most powerful passports and is updated quarterly.
(ヘンリー・パスポート・インデックスは、世界最強のパスポートをランク付けし、四半期に一度更新している)

It is based on the number of destinations passport holders can access without a visa.
(これは、パスポート保持者がビザなしで訪問できる行き先の国・地域の数に基づく)

(中略)

Countries score one point for every destination they can visit visa-free. This applies if citizens can obtain a visa on arrival, a visitor's permit or an electronic travel authority (ETA) when entering the destination.
(各国は、ビザなしで訪問できる行き先1つにつき、1ポイントを獲得する。これは、国民が行き先の国・地域に入った際に、到着時ビザや滞在許可、電子滞在許可[ETA]を入手できる場合に適用される)

No points are awarded for destinations where a visa is required or the passport holder has to obtain a government approved e-visa before departure.
(ビザが必要だったり、出発前にパスポート保持者が政府発行の電子ビザの入手を求められたりする場合は、ポイントの対象外だ)

記事引用元:euronews

外国を訪れるには通常、渡航前にその国の大使館などでビザ(査証)を取得する必要がありますが、国同士の協定などでビザが免除される場合があり、ビザなしで渡航できる国や地域が多いほど、「強いパスポート」となるわけです。

キーワード

  • quarterly 年4回の、3カ月ごとの
  • passport holder パスポート保有者
  • visa-free ビザ(査証)なしで
  • visa on arrival 到着時ビザ
  • electronic travel authority, ETA 電子滞在許可
  • e-visa 電子ビザ

日本のランクは!?

For five long years, Japan has been sitting pretty in the No.1 position in the Henley Passport Index, which measures global travel freedom in terms of how much visa-free and visa-on-demand access to the world different citizens enjoy.
(外国人として、ビザなしや到着時ビザの発行による海外旅行の自由度をどれだけ享受できるかを測るヘンリー・パスポート・インデックスで、日本は5年という長きにわたり、王座に君臨し続けてきた)

But for summer 2023, Japan’s been knocked down into third place and the new titleholder is Singapore, whose citizens are able to visit 193 destinations out of 227 around the world visa-free.
(しかし2023年夏、日本は3位へと陥落し、227のうち193の国と地域にビザなしで訪問できるシンガポールが新王者となった)

記事引用元:CNN

日本のパスポートでビザなし渡航が可能なのは189の国・地域で、オーストリア、フランス、韓国などと並んで3位となりました。ビザなし渡航可能な国の減少が響きました。

“Japan has been sitting pretty in the No.1 position”という表現ですが、prettyが入ることで「余裕で」というニュアンスが出るので、「君臨してきた」という訳にしてみました。

キーワード

  • visa-on-demand 到着時ビザ

ランキング上位と下位で格差広がる

The index found that the three weakest passports in the world are Syria, Iraq and Afghanistan, which can take you to 30, 29 and 27 destinations, respectively.
(世界最弱パスポートの3本の指に入るのは、シリア、イラク、アフガニスタンで、ビザなし渡航先の数はそれぞれ30、29、27であることも分かった)

While many travelers have been seeing more freedom to travel visa-free over the years, the gap between the top and the bottom of the rankings has also widened.
(多くの旅行者がビザなしで渡航できる自由度を年々高めてきているが、ランキング上位と下位の格差も広がっている)

記事引用元:CBS NEWS

ビザなし渡航が可能な国・地域の数の平均は109で、2006年の58からおよそ倍になっているが、首位シンガポールと最下位アフガニスタンでは165の差があり、格差は拡大傾向のようです。

日本のパスポートはビザなし対象の国・地域は依然として多く、自由な旅をこれからも享受できることに変わりはありませんが、逆に日本がビザ免除で入国を受け入れているのは69の国・地域(2023年4月時点)です。ビザ免除は国同士相互に実施するのが原則で、片方だけが免除している状況が維持できるとは限りません。今後も強いパスポートであり続けるには、日本もビザなしで受け入れる国・地域を増やしていく必要がありそうです。

次回をお楽しみに。

参考資料

ランキング一覧や各国のパスポート情報について。

日本のビザ免除国・地域(短期滞在)について。

廣川さんが解説する英語ニュース一覧

EJ
廣川 亘(ひろかわ わたる)

RNN時事英語辞典」編集長。1998年に同サイトを立ち上げる。RNNは「Rapid News Network」の頭文字。最新の英文ニュースを常にウォッチし、多用されるキーワードや現代用語、専門用語を多数収録する。

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