同時通訳者が教える「英語を聞くときの心構え」。これさえ知っていれば、英語が聞き取れなくても怖くない!

スペイン語・英語・日本語トリリンガルの英語コーチであるビルドソラ レネさんが、英語が聞き取れない不安を解消するための簡単なテクニックを紹介します。英語でうまく意思疎通するには、リスニング以外にも知っておくべき、やっておくべきことがあるそうです。

「英語が聞き取れない不安」は解消できる

皆さん、Good to see you again!

英語大学代表のビルドソラ レネです。今回は、英語の会話での「聞き取れない不安」を解消するために、リスニング以外にやっておくべきことをご紹介します。

「リスニングを頑張っているけど、英語が聞き取れるようになりません」
「会話してみたいけど、速い英語でまくしたてられたらどうしよう?」

私が日本の方をコーチングしてきた中で、一番多い相談がこうした聞き取りに対する課題です。このような悩みをお持ちの方々には、実は共通点が存在します。

それは、会話をするときに「相手の話をさえぎっていない」ことです。

「え?相手の話をさえぎってもいいんですか?」
「さえぎったりしたら失礼ではないんですか?」

今にもそんな声がたくさん聞こえてきそうですね。今回の記事では、英語が聞き取れない不安を解消するために、日本と欧米の会話教育の違いと会話をする際に取るべき振る舞いをご紹介します。

英語では、相手の話をさえぎってもいい?

今の日本の英語教育では、英語を聞き取れるようになるために、英語の「音」を聞き取る練習が主流です。母音・子音を認識したり、語彙の知識を増やしたり、シャドーイング練習などを行ったりすることが多いです。

もちろん、これらは全て必要な勉強ではありますが、加えて皆さんには会話時に行ってほしい「一つのアクション」があります。それは、英語を聞き取れなかったときに相手の話をさえぎること。

皆さんは小さい頃、親や周りの大人からこのようなことを言われた経験はありませんか?

  • 相手の話はさえぎらず最後まで聞く
  • 確認を繰り返すと、理解していないと思われる
  • 相手の言いたいことをなるべくくみ取る

実はこれは日本のようなハイコンテクスト文化(言葉による説明が少なく、表情の変化や声のトーン、体の動きなどの行間からメッセージを読み取る)特有の会話教育です。会話の内容を理解する責任が聞き手にあるということです。

一方、欧米のようなローコンテクスト文化では、責任は聞き手ではなく話し手にあるので、話し手には話を分かりやすく伝達する責任があります。よって、子供の頃から次のような会話教育を受けることがあります。

  • はっきり言わないと、相手をだましていることになる
  • うまく聞き取れなかったら、さえぎってもいい
  • 誤解を避けるために、確認を繰り返すことが礼儀
  • 相手の話をどのように理解したかを伝えるとよい

このように、国の文化によって会話で期待される行動は異なります。

聞き手に責任が置かれている日本では、リスニング練習だけをやってしまうと、相手の話をさえぎらず、一言一句完璧に聞き取ろうとしたり、少ない情報の中で一生懸命相手の話を推測したりしてしまいます。

日本人と欧米人の頭の中の違い

文化による会話教育が異なると「頭の中で期待されていること」が全く異なります。

  • 日本人の頭の中→話をさえぎらずに、最後まで聞く方が礼儀正しい
  • 欧米人の頭の中→話をさえぎってもいいから、どう理解したか伝えてほしい

つまり、欧米の人たちの頭の中では「うまく伝わらなかったら、話をさえぎって確認してもらいたい」という期待がありますが、多くの日本人は「日本人の心のまま」英会話に臨んでいます

ここで注意しなくてはいけないのは、「さえぎる=相手の話を奪う」というわけではなく、「さえぎる=確認を取る」ということです。

さえぎったり確認したりしないと、相手は「話を理解してもらえた」と間違った認識を持ってしまい、話がどんどん進んでいってしまうこともあります。

話をさえぎるための練習法

それでは、スマートに話をさえぎる練習を行っていきましょう!この練習を行えば、あなたも好印象な英語話者になれます。次の会話を音読しながら、練習してみましょう。皆さんはKen役だと思って、音読してみてください。

Tom: You know I’m starving today.
Ken: Excuse me? Did you say starv.....what?
Ken: Could you say that again? More slowly?
Tom: Yeah, starving.
Ken: Oh! What does starving mean?
Tom: Starving means ”super hungry”.
Ken: I see! You meanYou didn't have breakfast”?
Tom: Exactly!
Ken: I see!

太字になっている文字をリアルな会だと思って練習してみてください。上のように振舞うと、印象良く相手と意思疎通が図れます。

また、今や英語は英語圏の人のみならずドイツやスペイン、インドや中国など、アクセントが異なる国の人たちが扱うグローバルな言語になっているので、コミュニケーションにおいては分からないことがあったら、話をさえぎって確認した方が早いです。

上手な意思疎通の4ステップと、使える英語表現は下の通りです。

ステップ1 さえぎる:Excuse me?、Did you say….?
ステップ2 リクエストする:Could you say that again?、Could you speak more slowly?
ステップ3 言葉の意味を聞く:What does ~ mean?
ステップ4 自身の理解を伝える:You mean ~?

まとめ

英語での会話を聞くときの心構えとして、下の3つを意識しましょう。

  • 一言一句聞き取ろうとしない、または無理に推測しようとしない
  • 相手の話をさえぎって、堂々と分からないことを確認する
  • 相手も確認待ちであるのを忘れない

いかがでしたでしょうか?今回の記事で少しでも皆さんの「英語を聞き取れない不安」を解消できたら幸いです。

英語大学のインスタグラムでも、「聞き取れないときの対処法」などを詳しく解説しているので、よかったら覗いてください。

Instagramアカウント:english.univ


また、英語大学内でも、普段こうしたトレーニングを実施しているので、よかったら遊びにきてくださいね!

ではでは!See you next time!

ああああ
ビルドソラ 鈴木 レネ 天(たかし)

日本人とチリ人の両親の下に生まれ、17年間南米チリで過ごした後、上智大学国際教養学部に入学。異文化コミュニケーションのコンサルティングや英会話カフェの経営、Jリーグでの会見通訳などを勤めてきた。日本語と英語を習得する難しさと楽しさを体感した経験と、自信を持って英語を話せる日本人がもっと増えてほしいという思いから、コーチングスクール「英語大学」を設立。Instagram:english.univ

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