SNSで話題の「ブラック校則」は日本だけ?世界の変な校則まとめ

2022年8月、約12年ぶりに文部科学省の生徒指導提要が改訂され、「ブラック校則」の見直しが行われたことでも話題になった「おかしな校則」。本記事では世界の変わった校則や面白い高速、さらに日本の校則が世界からどう見られているかを紹介します。

SNSで「ブラック校則」を発信する学生が増加

あなたの通っている、または通っていた学校に、おかしな校則はありましたか?

最近では「茶色い地毛を黒く染める」「男子は丸刈り」などのアイデンティティーやジェンダーに関わる校則や、「下着は白色だけ」「通学中の水分補給は禁止」など理不尽な校則を、「#ブラック校則」「#生徒の権利」などのハッシュタグを付けてSNSで発信する学生が増えています。

しかし、おかしな校則があるのは日本だけではありません。国が変われば校則も変わる。世界の変わった校則を、下記2サイトから幾つか取り上げて詳しく紹介します。

世界のヘンテコ校則

親友を作ってはいけない

You cannot make best friends

ロンドン南部のバタシーに位置する私立小学校、トーマス・バタシーの校則です。この学校にはウィリアム皇太子の長男、ジョージ王子と、長女のシャーロット王女も通っていました(現在は転校済み)。

「積極的に友達を作りましょう」と教える学校が多いのに、なぜこの学校では親友を作ってはいけないのでしょうか?それはこの学校の「be kind(親切にしなさい)」の精神に由来します。

「親友を作ってはいけない」は裏を返すと、「一人の友人だけでなく、全員と仲良くしましょう」ということ。「仲間外れにされている」と感じる子供が一人も出ないようにするために考えられた校則だそうです。

授業中に手を挙げてはいけない

Students cannot raise their hands during a class

イギリス、バーミンガム近郊にあるサムワース・チャーチ・アカデミーの校則。授業中に生徒が手を挙げて質問するのは「outdated(古くさい)」慣習だとして、これを禁止しました。理由は、同じ生徒ばかりが発言することを避けるため。先生や保護者からは批判が殺到したようですが、この校則にはしっかりとした理由があるようです。

学校関係者は「われわれ大人が会議でdiscussion(討論)するとき、わざわざ手を挙げて発言しますか?子供たちにももっと自由に発言してほしいのです」と言います。一人の生徒が手を挙げて発言するのではなく、クラス全員が授業に参加するために作った校則だということが分かります。

教師は赤ペンで採点してはいけない

Teachers not allowed to use red pen

先生に対しての校則ですが、なぜ赤ペンで採点をしてはいけないのでしょうか?イングランドの南西端、コーンウォールにあるマウンツ・ベイ・アカデミーは、赤色はnegative(否定的)な色だからという理由でこの校則を作りました。日本人にはよく分からない感覚ですね。

ただ、この採点システムには特徴があって、赤ペンの代わりに緑色のペンで教師が採点をしてポジティブなコメントを添え、生徒はそのコメントに対して青ペンで返事を書くのだそう。教師と生徒のコミュニケーションを深めようとする試みの一環だということです。

生徒は学校でケチャップを使ってはいけない

Students aren’t allowed to eat ketchup in school

フランス政府は、学校や大学のカフェテリアでのケチャップの使用を禁止しています(ただし、週に1度提供されるフレンチフライの付け合わせとしてはOKという謎ルール)。学校で決められた校則ではなく、国が決めているとは驚きです。

禁止する理由は、ケチャップに含まれる砂糖の含有量が多いからという健康的理由と、フランス料理の味を守るためという文化的背景があるそうです。

生徒は1学期に3回しかトイレを使ってはいけない

Students are allowed to use washroom only three times per semester

アメリカ、シカゴにあるエバーグリーン・パーク高校は、生徒が授業中にトイレに立つのを学期中に3回までと決めました。3回を超えた場合は、その授業の補講を受けなければいけないそう。

校長によるとこの校則を決めた理由は、「大切な授業時間を逃してほしくない」から。ただ、一部の生徒からは、「授業と授業の間の休憩が5分しかないので、トイレに行く時間がない!」と不満も出ていたとか。

ハイタッチ、ハグ禁止

No high fives and hugs

チーム戦のスポーツで勝ったときのハイタッチや、長期休暇明けの友人同士のハグを目にするのは珍しいことではないでしょう。しかし学業の妨げになるという理由で、イギリスとアメリカの幾つかの学校ではハイタッチとハグを禁止しています。

アメリカ、大西洋岸に位置するバージニア州の学校では、ハイタッチとハグに加えて、握手などのいかなるボディータッチも禁止しています。これには多くの批判が寄せられたようです。学校関係者はボディータッチを禁止した理由について「生徒たちのパーソナルスペースを保ち、学校の秩序を守るため」としています。

生徒は勝ってはいけない

Students are banned from winning

イギリスのタブロイド紙『デイリー・メール』の記事によると、イギリスの半分以上の小学校では運動会で順位を決めません。理由は「悲しむ生徒を生まない」ため。

しかしデイリー・メールの調査によると、82%の保護者は「健全な競争は、子供たちが成長するのを助ける」という理由で、old school(昔の習慣の)運動会が戻ってきてほしいと回答しています。

日本でも順位をつけない運動会が増えていることを耳にした人もいるでしょう。皆さんはどう思われますか?

日本では当たり前の校則が海外では変!?

今回参考にしたサイトで紹介されている日本の校則を紹介します。どれも日本に住む皆さんなら聞いたことがある校則かと思いますが、海外の人にはおかしいと思われるようです(ちなみに筆者が通っていた高校はこの三つ全てが校則に入っていました)。

生徒は学校の教室やトイレを掃除する

Students clean their own classrooms and washrooms in school

Not only do they clean the classrooms, but also serve lunch and even clean the washrooms so that the students become responsible citizens as they grow up.
責任ある人間に成長するよう、教室を掃除するだけでなく昼食を配膳し、トイレ掃除までする。

ワールドカップの会場でも見られた日本人サポーターの「汚したら片付ける」の精神は、この校則によって生まれたものなのかもしれません。最近では海外でも生徒に掃除をさせる学校が増えてきているのだとか。

男女交際をしてはいけない

Ban on relationships

Many Japanese academies strictly imposed a ban on relationships so that pupils can concentrate on their education.
生徒が勉強に集中できるよう、多くの日本の学校は男女交際を厳しく禁止している。

筆者の高校は「男女交際禁止。手をつないで外を歩いたら停学」という校則がありました。恋愛がしたいお年頃にはとても厳しい校則です・・・。

見た目をよくしてはいけない

Good appearance not allowed

Some schools in Japan students are not allowed to flaunt makeup, painted nails and shaved legs. The authorities want students to focus on their studies instead of looking good.
日本の一部の学校の生徒は、化粧をしたりネイルをしたり脚の毛を剃ったりすることを禁止されている。学校関係者たちは、学生が見た目に気を使うよりも学業に専念してほしいと考えている。

筆者も眉毛を剃ってものすごく怒られたのを思い出しました。眉毛を剃っただけで学業がおろそかになることはなかったと思いますが・・・!

皆さんが覚えているブラック校則は??

最近では「男女交際禁止」の校則に違反した生徒に自主退学勧告を出した高校に対して、東京地裁が約100万円の賠償を命じたことがニュースになったことからも分かるように、校則を見直す過渡期に来ているのかもしれません。

日本、または世界にどんなブラック校則があるか気になった人は、ぜひSNSで調べてみてください!

文・構成:古川(ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部)
文・構成:古川(ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部)

英米語学科卒。カナダ、フランスでの社会人留学を経てEJ編集部に。書くことが苦手なのに、なぜか今の職に就いてしまった。もっとクリエイティブライティングができるようになりたい!2023年の抱負は早寝早起き・体重管理・TOEIC950点。

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