秋の行楽シーズンにおすすめ!サイクリストの聖地「しまなみ海道」&職人が集まる「八女の伝統工芸」&日本三大朝市の一つ「輪島朝市」

『ENGLISH JOURNAL』11月号の特集は「海外ゲストと行きたい日本7選」。本記事ではさまざまな「目的」に合わせて、日本の各地域で働く観光のプロフェッショナルに地元の注目スポットを教えてもらいました。今後訪れる海外ゲストの増加を見込んで、日本の今知っておきたいスポットや新しい魅力について英語で紹介できるようになっておきましょう。

ここでは各地域の注目スポットの英語説明と、海外ゲストに紹介する際のポイントやアドバイスをまとめて紹介します!

Activity―アクティビティー ―:Shimanami Kaido しまなみ海道(愛媛県)

愛媛県今治(いまばり)市と広島県尾道(おのみち)市を結ぶ、全長約70キロメートルの「しまなみ海道」。瀬戸内海に浮かぶ美しい島々を巡りながら橋を渡るサイクリングコースが有名で、コースの途中で立ち寄れるパワースポット「大山祇(おおやまづみ)神社」も人気です。

瀬戸内の島々を結ぶ「しまなみ海道」は、サイクリストの聖地として世界的に有名。

Toyo is the eastern area of Ehime. The area is known for its local industries and is home to some of Japan’s largest producers, including the country’s largest towel manufacturer. One of the most popular sights in Toyo, the “Shimanami Kaido” consists of nine bridges connecting six islands between Ehime and Hiroshima over the Seto Inland Sea, with a total length of 70 km. You can cross the Shimanami Kaido on foot or by bike via the special pedestrian laneways. Exploring the interconnected islands by bike is the perfect way of enjoying the spectacular scenery of this beautiful archipelago!
東予は愛媛県の東側の地域です。この地域は地場産業が有名で、国内最大のタオル製造会社をはじめ日本最大級の製造業者の幾つかがあります。東予で最も人気が高い名所の一つ「しまなみ海道」は、愛媛県と広島県の間の六つの島を結んで瀬戸内海に架かる九つの橋から成り、全長は70キロメートルに及びます。特設の(自転車)歩行者道を使って、しまなみ海道を徒歩または自転車で渡ることができます。相互に結ばれた島々を自転車で探索するのは、この美しい群島の壮観な景色を堪能するのにぴったりな方法です!

紹介のポイント&アドバイス

しまなみ海道は片道70キロメートル以上、往復約150キロメートルにもなるのでためらう方もいると思います。そんな方には、安心して楽しんでいただくためのさまざまなサービスをご案内しましょう。

①レンタル自転車は対岸で乗り捨てることができます。
You can drop off your rental bicycle on the other side of the sea.

②途中で自転車ごと船に乗ることができます。
You can take a ferryboat with your bicycle on the way.

③荷物を対岸にある宿泊先に当日送ってくれるサービスがあります。
There is a service to send your luggage to your hotel on the other side on the same day.

④電動アシスト付き自転車のレンタルがあります。
You can rent an electric assist bicycle.

Art―アート―:Yame’s Traditional Crafts 八女の伝統工芸(福岡県)

福岡県・八女(やめ)市は江戸時代からの美しい白壁の街並みや、広大な敷地に広がる茶園が有名ですが、昔ながらの職人が集まる街としても知られています。仏壇やちょうちん、和紙や木工品などの伝統工芸品は「八女伝統工芸館」で実際に見て体験することができます。

かつての城下町が思い起こされる、八女市福島地区の街並み。

During the Edo Period, many craftsmen flocked to Yame because of its importance, and the area flourished artistically. Today many of these traditional crafts remain alive thanks to the dedicated effort and skill of local artisans. In particular, Yame Fukushima Buddhist altars are majestic, splendid and breathtakingly well-crafted, meaning they have become expensive in recent years. Nowadays, artisans have adapted the techniques they use in making altars to make intricate accessories and more. Yame is also famous for its paper lanterns, stone garden lanterns, washi paper, spinning tops, arrows, Hoshino pottery, incense sticks and countless other crafts. Visitors are encouraged to experience these amazing crafts themselves by making these traditional goods.
江戸時代、八女にはその土地の重要性から多くの職人が集まり、この地域は芸術的に栄えました。今日、これらの伝統工芸品の多くは、地元の職人たちの献身的な努力と技術のおかげで生き続けています。その中でも、八女福島の仏壇は荘厳華麗で息をのむほど精巧な作りのため、近年は高価なものとなっています。現在、職人たちは仏壇を作る際に使う技術を応用して、手が込んだアクセサリーなどを作っています。八女はまた、ちょうちんや石灯籠、和紙、こま、矢、星野焼、線香など数え切れないほどの工芸品でも有名です。訪れる人たちには、これらの伝統的な品々を自分で作って、素晴らしい工芸品をじかに触れることをおすすめします。

伝統工芸のワークショップでは、はがきやうちわなどを作って土産として持ち帰ることができる。

紹介のポイント&アドバイス

八女では仏壇(Buddhist altar)、ちょうちん(paper lantern)、石灯籠(stone lantern)、木工品(woodwork)、竹細工(bamboo work)など、さまざまな伝統工芸品(traditional crafts)が作られています。八女の伝統工芸品の一つ、和紙を簡単に紹介してみましょう。

和紙は楮(こうぞ)などの樹皮の繊維から作られたものです。薄く、強く、長持ちします。独特の風合いを持ち、ちょうちんなどの工芸品に利用されています。
Washi is Japanese traditional paper made from the fibers of the bark of the plants such as paper mulberry. It is thin, tough and long-lasting. It has a unique texture and used for art crafts such as paper lanterns.

Shopping―買い物―:Wajima Morning Market 輪島朝市(石川県)

日本の三大朝市の一つとして知られ、平安時代から続いているといわれる、石川県の「輪島朝市」。朝早くから、新鮮な海産物や干物、野菜、民芸品などを扱う露店が200軒ほど並び、活気にあふれています。値札が付いていない売り物も多く、地元の人とのコミュニケーションを楽しみながら値切り交渉をしてみてください。

地元で取れた新鮮な海産物は、購入した物をその場で焼いて食べることもできる。

Wajima Morning Market is one of the three biggest morning markets in Japan, with over 200 stalls. Its history dates back over 1,000 years, when locals would barter for fish and vegetables during shrine festivals. Today the market bustles with locals doing their grocery shopping. The energy of the vendors hawking freshly caught fish, local fruit and vegetables, and various dried goods draws curious visitors as well. Some stalls sell locally made crafts, textiles and snacks such as sweet bean-filled rice cakes called “egara manju.” Free grilling stations let shoppers cook their purchases to eat them yon the spot. The market operates daily from 8 a.m. to noon (except the second and fourth Wednesdays of each month).
輪島朝市は日本三大朝市の一つで、200以上の露店が立ち並びます。その歴史は1000年以上昔、神社の祭日に地元住民が魚や野菜の交易をしていた頃にさかのぼります。現在、朝市は食料品の買い物をする地元住民でにぎわっています。取れたての魚やその土地の果物・野菜、各種乾物などを売り込む売り子たちの威勢の良さに、興味津々の観光客も引き込まれます。地元の工芸品や布製品、あんをくるんだ「えがらまんじゅう」という餅などの菓子を売る店もあります。無料で使える炭火焼きコーナーでは、買い物客が自分たちの買った物をその場で焼いて食べることができます。朝市は毎日朝8時から正午まで開かれています(毎月第2・第4水曜日を除く)。

輪島朝市には、海産物、野菜、総菜から、食べ歩きできる菓子、さらには雑貨まで並ぶ。

紹介のポイント&アドバイス

地方に行く楽しみの一つは、地元民の生活に触れられることです。輪島朝市は地域の観光目的でなく、地元民の間で1000年以上前に始まったことを伝えましょう。英語は通じないことが多いと思いますが、身ぶり手ぶりを交えての素朴なコミュニケーションもまた楽しい体験です。

そんなときは紙とペンを持って行くとよいでしょう。外の方に「幾らですか?(How much is it?)」という日本語だけは覚えてもらい、買いたい物を指さして紙とペンを差し出せば、お店の人は金額を書いてくれるはずです。

食べたことがある魚介類や野菜でも、調理前の状態で売られていると「これは一体なんだろう?」と分かりづらいものもあります。例えば、わさび(Japanese horseradish)、ウニ(sea urchin)、レンコン(lotus root)などです。事前に写真などで紹介しておくと、市場巡りをより楽しめるでしょう。

紹介のポイント・アドバイス執筆:島崎秀定
スポット選定・英文・写真:一般社団法人 愛媛県観光物産協会、©福岡県観光連盟、八女伝統工芸館、©石川県観光連盟
英文翻訳:挙市玲子

『ENGLISH JOURNAL』2022年11月号

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
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