【2023年最新】英語検定・試験10種類を徹底比較!あなたにおすすめのテストはどれ?

英語学習に取り組む皆さんは、「英語の資格や検定、能力測定試験」と聞いて、まず何が思い浮かぶでしょうか?TOEIC?それとも英検?!実は英語能力や英語スキルを試す試験には、たくさんの種類があります。この記事では日本英語検定協会が運営する試験10種類を徹底的に比較しますので、自分に合った試験を見つけてみましょう。

英語検定・試験とは?

「英語の資格や検定、能力測定試験」と聞いて、まず何が思い浮かぶでしょうか?TOEIC?それとも英検?!

TOEICと英検の違い

TOEICはリスニングとリーディングの試験ですが、TOEIC Speaking & Writing Testsも受験すれば英語4技能を測定できます。英検(実用英語技能検定)は級によって4技能の扱いに一部違いがありますが(詳細は後述)、同じく4技能を測れますので、この点は共通します。

では、TOEICと英検にはどのような違いがあるのでしょうか?

ビジネスパーソンにはTOEICがよく受験されており、昇進、転職、海外赴任に有効なことも多くあります。一方、英検は仕事で使われる英語に限定されず、日常英会話や新聞・雑誌といった一般的な題材が扱われているのが特徴です。

TOEICは結果が「スコア」(点数)で出て、英語力の資格として示す際に企業などが「2年以内に取得のスコア」などと期限を区切る場合もあります。それに対して英検は級に分かれていて合否が判定され、一度取得すれば「一生もの」なのが魅力です。

英語検定・試験の種類

さらに英検には、従来型のもののほか、一次・二次試験と2回受けるのではなく1日で4技能を測定する「英検S-CBT」、障がい等のある受験者を対象とする「英検S-Interview」、児童向けに特化した「英検Jr.」、受験料が手頃で国際標準規格CEFR (※1)にも対応したスコアがわかる「英検IBA」の種類があります。

※1 Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ共通参照枠)の略。

また、英検の運営団体である公益財団法人日本英語検定協会は、英検以外の英語試験として、「TEAP」「TEAPCBT」「IELTS」「LinguaskillBusiness」「GCAS」も実施しています。

自分に適切な試験を選んで受験することで、効率的な英語力アップが望めます。各種検定・試験の特徴を詳しく確認していきましょう!

さまざまな英語検定・試験の比較

日本英語検定協会が運営する10の検定・試験の内容を紹介します。

幅広い層に人気で定評のある「英検(従来型)」

試験概要

英検は、1963年から実施されている文部科学省後援の検定です。

レベルに応じて初級から上級の順に7つの級があり、それぞれ合否で判定されます。

5級(中学初級程度)
4級(中学中級程度)
3級(中学卒業程度)
準2級(高校中級程度)
2級(高校卒業程度)
*準1級(大学中級程度)
1級(大学上級程度。国内外で高く評価される最高レベル)

準1級・1級は、品格のある英語使用者として国内外で高く評価されるレベルです。

幅広い年齢層、立場の人が受験しており、英語力を測り学習目標を立てるバロメーターとなるほか、上の級を取得すると就職・転職時に履歴書に書けて、職務内容によっては有利になります。

また、高校・大学の入学試験や単位認定で優遇が受けられる、海外留学時の語学力証明となる、1級合格者は通訳案内士試験(通訳ガイド試験)の筆記(一次)試験の外国語(英語)科目の受験が免除されるなど、具体的なメリットも得られます。

1級、準1級、2級、準2級、3級は、一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)があり、一次合格者が二次を受験でき、二次も合格すると級を取得できます。

4級と5級は一次試験(筆記とリスニング)のみで合否が判定されますが、受験申込者は全員、別途インターネット上でスピーキングテストを受けることができ、スピーキングテスト単独で合否結果が出ます。

試験は年3回実施されています。2021年度第1回検定から、二次試験の日程は申し込み方法、受験級、年齢等によって指定される方式になりました。

受験申し込みはインターネットやコンビニ、一部の書店(特約書店)で行えます。

*受験料(検定料)は次の通りです(いずれも税込み)。

1級 11,800円
準1級 9,800円
2級 8,400円
準2級 7,900円
3級 6,400円
4級 4,500円
5級 3,900円
※ 2023年度「学習支援キャンペーン」価格を実施中。検定料一律100円値引き。

一次試験の解答速報や、一次・二次試験の合否結果・成績表は英検ウェブサイトで閲覧でき、合格した場合は合格証書が交付されます。

なお、個人での受験の他、2~5級に関しては学校・企業等での団体受験も行われており、個人受験とは申し込み方法や日程、会場、検定料などが異なります。

おすすめ対策法

英検に興味を持ったら、まずは英検ウェブサイトの「各級の目安」でレベル感を知りましょう。

日本英語検定協会と株式会社 教育測定研究所が提供するWebポータル 「英ナビ!」 にある「英検級かんたん測定」(※2)を利用するのもおすすめです。

※2 「英検かんたん測定」はトップページのメニュー「スタディギア」から利用できます。測定時間は約10~15分です。

その後、英検ウェブサイトで「各級の試験内容と過去問」 (問題は解答付き)を見て、どのくらい解けるか確認してみてください。一次試験は3回分の過去問、二次試験は1回分のサンプル問題を無料で閲覧できます。

1級~3級の二次試験および4、5級のスピーキングテストは、 「バーチャル二次試験/バーチャルスピーキングテスト」 で受験の疑似体験ができます。

どの級を受けるかの当たりが付けられたでしょうか?上記のウェブサイトを使って学習するだけで合格できそうであれば、それで本番に挑戦するのも手だと思います。

ただ、過去問やサンプル問題を解くだけでは不安な場合、また特に1級は語彙やライティング、スピーキング(面接)の対策が合否を左右することもあるので、上の級を目指す場合は、問題集で対策することをおすすめします。

問題集には、過去問や予想問題をはじめ、単語や面接対策に特化した書籍もあります。最新版を見てみて、使いやすそうなものを選びましょう。

おすすめは、旺文社が出している定番の「過去6回全問題集」シリーズや「総合対策教本」シリーズです。 まずこれらに挑戦し、問題演習が足りなければ「予想問題ドリル」シリーズ、語彙力不足なら「出る順パス単」シリーズで強化しましょう。

ほかにも、語彙・イディオム、リスニング、ライティング、二次試験・面接などテーマを絞って集中的に対策できる本があります。 「旺文社の英検合格ナビゲーター」「英検書オススメサーチ」 のサイトで自分に合った参考書を探せます。

旺文社の英語資格試験対策書の音声をスマートフォンで聞けるリスニングアプリ「英語の友」 も活用してみましょう。

英検S-CBT :PCを使って1日で4技能を測定

試験概要

英検S-CBT は、テストセンターでPC(コンピューター、パソコン)を使って受験する試験です(CBTはComputer Based Testingの略)。出題内容、難易度、採点基準、級やスコアの扱いは英検(従来型)と同じですが、英検S-CBTで受けられるのは準1級~3級のみです。

英検(従来型)が一次試験と二次試験を別々に2日間で受けるのに対して、英検S-CBTは1日でスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの4技能すべてを測定します。スピーキングはヘッドセットで解答を録音する吹き込み式で、ライティングは解答用紙に記述する「筆記型」と、キーボードを使って解答を入力する「タイピング型」から選べます。

英検(従来型)との併願も可能で、原則として毎週実施されています(級や地域による)。受験料は次の通りです(いずれも税込み)。

準1級 9,900円
2級 9,000円
準2級 8,500円*
3級 7,200円
※ 2023年度「学習支援キャンペーン」価格を実施中。検定料一律100円値引き。

英検S-CBTは受験機会が多く、1日で完結するため、忙しい方にぴったりの試験です。

おすすめ対策法

試験内容は英検(従来型)と同じため、上記の従来型のおすすめ対策法をご参照ください。また、公式サイトの「英検S-CBT体験版」で内容やPCでの受験方法をチェックしておきましょう。

英検S-Interview:障がい等のある受験者が対象

試験概要

英検S-Interview は、合理的配慮 (※2)が必要な障がい等のある受験者を対象とする試験です。 年3回実施され、リーディング、ライティング、リスニングは解答用紙への記述式、スピーキングは面接委員との対面式で行われます。出題内容、難易度、採点基準、級やスコアの扱いは英検(従来型)と同じで、1級~3級を受験できます。

※2 英検の公式サイトおよび障害者差別解消法(正式名称「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)の記述にならい「合理的配慮」という表現を使用しています。

申し込み時に受験上の配慮申請が必要で、「障害者手帳 (※3)」「医師による診断書」「状況報告書」等のいずれかの画像データの提出が求められます。

※3 手帳の正式名称として、ここでは「害」の表記にしています。本記事内のこれ以外の箇所では、英検公式サイトに準じて「障がい」の表記に統一しています。

配慮の内容については、公式サイトの 「S-Interview受験上の配慮の概要」 をご参照ください。視覚障がい、聴覚障がい、肢体不自由、音声言語障がい、病弱、発達障がいなどの方への対応が用意されています。

英検(従来型)との違いとしては、一次試験の合否にかかわらず4技能すべてを受験可能であることなどが挙げられます。 *受験料は次の通りです。

1級 11,900円
準1級 9,900円
2級 9,000円
準2級 8,500円
3級 7,200円
※ 2023年度「学習支援キャンペーン」価格を実施中。検定料一律100円値引き。

おすすめ対策法

出題内容は英検(従来型)と同じですので、学習も同様に進めるとよいでしょう。

英検Jr.:児童対象でリスニングのみ、合否がない

試験概要

英検Jr. は、1994年に開発された、児童向けの「育成型ゲーム感覚」のリスニングテストです。英語に親しむことと外国文化の理解を目的としています。

小学校の外国語活動に対応した内容で、解答方法は、英語の音声を聞いてそれに合ったイラストなどに丸を付けたり、文字で書かれた選択肢から適切なものを選んだりするものです。

英検(従来型)とは異なり合否がありません。成績は「正答」で表され、進級の目安も示される「育成型」のテストです。

*級の代わりに以下の3つの「グレード」があります。

BRONZE(小学校での英語活動での学習年数の目安は1年半~2年程度=小学校低学年)
SILVER(同2年半~3年半程度=小学校中学年)
GOLD(同4~5年程度=小学校高学年)

受験方法は、5人以上を1グループとして代表者が実施会場を確保して行う筆記式の「ペーパー版」、個人でもグループでも受験できる「オンライン版」、学校と自治体のみが申し込みできる「英検Jr.学校版」が用意されています。

試験時間は、BRONZE約30分、SILVER約35分、GOLD約45分です。

受験料(ペーパー版)は次の通りです。

BRONZE 2,500円
SILVER 2,700円
GOLD 2,900円

オンライン版の受験料は内容によって数種類あります。

「英検Jr.」と「オンラインテスト+カードアルバム」が提供される「テスト」なら、 BRONZE 2,300円、SILVER 2,500円、GOLD 2,700円。ほかに、「ドリル&ゲーム」「もぎテスト+カードアルバム」が提供される「ラーニング」や、「フルパック(ラーニング+テスト)」があります。

おすすめ対策法

まずは公式サイトの「英検Jr.サンプル問題」を試してみて、どのグレードを受けるのがいいか検討しましょう。

対策としては、小学校での英語活動に積極的に参加するほか、公式サイトの「英語をもっと楽しく」も参照して、日常生活に英語を取り入れるとよいでしょう。

英検Jr.の出題は、市販されている本で問題形式に慣れることができます。書籍としては、旺文社の「楽しくはじめる英検Jr.」シリーズ、アルクの「はじめての英検Jr.」シリーズなどがあります。中身を見てみて、使いやすそうなものを選んでください。

英検IBA®・英検プレテスト: CEFR対応のスコアが分かり学習に生かせる

試験概要

英検IBA・英検プレテスト(IBAはInstitution Based Assessmentの略)は、学校やクラス単位、塾単位など受験でき、語学力の国際標準規格CEFRに対応した「英検CSEスコア」(CSEは Common Scale for Englishの略)と「英検級の目安」が分かります。英検(従来型)とは異なるテストです。

学校・教育委員会向けの英検IBAには3種類の受験形式があります(下記受験料はいずれも税込み)。

英検IBA RL:リーディングとリスニングの2技能テスト。30名以上の団体が対象、受験料500円
英検IBA WS :ライティングとスピーキングの2技能テスト。40名以上の団体が対象、受験料2,700円
英検IBA RLWS :リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能テスト。40名以上の団体が対象、受験料3,000円

*英検プレテストは学習塾や英会話学校が対象で、RL2技能のみを検定します。

テストレベルは*級ではなく、英検級に準じたレベルが設定されています。

  • RL:「テストA:準1級・2級」「テストB:2級~3級」「テストC:準2級~4級」「テストD:3級~5級」「テストE:4級・5級」
  • WS:「テストA:準1級・2級」「テストB:2級~3級」「テストC:準2級・3級」
  • RLWS:「テストA:準1級・2級」「テストB:2級~3級」「テストC:準2級・3級」

リーディング、リスニング、ライティングは紙の記述式、スピーキングはコンピューター形式です。

結果は2種類の成績表で示されます。「個人成績表」には、CSEスコア、英検級レベル測定、Can-do、得意分野・不得意分野などの情報が記載されています。「団体成績表」では、スコアの平均点、スコア分布図、英検級レベル別人数分布図などを確認できます。

学校の教室などを会場にでき、実施日は都合に合わせて団体が指定できます。リーディングとリスニングの2技能のテストを授業時間内に収まる45分で行えるなどの利便性も考慮されています。

英検IBAは、学校などの団体利用により、受験者の今後の学習に生かすことが想定されたテストです。

おすすめ対策法

公式サイトで「テストレベル」を確認後、「サンプル問題」を見てみてください。

実力を測定する意味合いが強いテストですが、受験前に不安を感じるなら、上記のサンプル問題や英検(従来型)の試験形式に慣れておくといいでしょう。

TEAP:大学入試に導入され受験生や新入生が利用

試験概要

TEAP(ティープ、Test of English for Academic Purposes)は、大学入試や入学後のプレースメントテスト・効果測定での利用のために日本英語検定協会と上智大学が共同開発した英語4技能試験です。

アカデミックな場面での英語運用力(英語で文献を読み、講義を受け、意見を述べ、論文を書くなど)を測ることを目的とし、特にスピーキングとライティングに力点を置いています。

解答方法は、リーディング(試験時間70分)とリスニング(同約50分)はマークシートでの択一選択、ライティング(70分)は解答用紙への記入、スピーキング(約10分)は面接官との1対1の面接(録音が採点される)です。

出題分野は、大学教育で出合う語彙や場面を想定した設定と内容になっています。難易度は英検準2級~準1級程度とされ、留学時に英語力の証明として使われる試験のTOEFLよりは、レベルは高くないと言えるでしょう。

試験結果は合否ではなく「スコア(Score)」と「バンド(Band)」で示されます。成績表には今後の学習に生かせるフィードバックも記載されています。

大学入試に利用される「TEAPスコア」は、4技能別スコア(各20~100点)とその総合スコア(計80~400点)で算出されます。

また成績表には、このTEAPスコアとは別に、TEAPスコアに基づいた国際標準規格CEFRのレベルと、CSEスコア(CEFRと関連性を持たせて開発された尺度)も表示されます。CSEスコアは、英検(従来型)、英検IBA、英検Jr.で算出されるCSEスコアと比較可能です。

試験は年3回、26都道府県の試験会場で実施されています。受験資格は高校1年生以上で、スコアの有効期間は 取得後2年度( 取得翌年度と翌々年度の大学入学に利用可能)です。*受験料は次の通りです。

4技能パターン 15,000円
リーディングとリスニングの2技能パターン 6,000円

おすすめ対策法

まずは、公式サイトの「問題構成・見本問題」で試験内容を確認しましょう。問題量が多いため、制限時間内に解く練習も大切です。

対策本には旺文社の「大学入試合格のためのTEAP対策書」シリーズなどがあります。4技能や語彙、文法などのうち自分の苦手な部分はどこか、また大学受験でどのレベルを目指すかなども勘案して、TEAP以外の英語参考書なども活用しながら学習を進めることをおすすめします。

TEAP CBT:「4技能を超えた」がコンセプト、コンピューターで受験

試験概要

TEAP CBT は、TEAPの発展系として開発された、思考力・判断力・表現力を測定する英語4技能テストです。コンピューターで受験するため、実際の言語運用により近い状態、すなわち4技能を統合した形式で実施できるとされています。

TEAPと同じく大学入試に活用され、受験資格は高校1年生以上で、スコアの有効期間はスコア取得の翌年度末までであることもTEAPと同じです。リーディング(約65分)とリスニング(約35分)はコンピューターでの択一選択、ライティング(約45分)はコンピューターでのタイピング、スピーキング(約25分)は録音によって解答します。

スコアは各技能200点満点で、全体では800点満点です(TEAPは各技能100点満点、総合400点満点)。

試験結果では、TEAPスコアとの高い相関に基づいた、各技能別や4技能総合のTEAP CBTスコア、CEFRバンド、CSEスコア、およびTEAPの推定スコアが表示されます。

全4技能測定のみの提供で、受験料は15,000円(税込)。年3回(2023年度は6月、8月、10月に実施)。12都道府県の試験会場で実施されています。

おすすめ対策法

公式サイトの「問題構成」で問題形式を確認後、「無料体験」でサンプル問題を解いてみましょう。TEAP対策と同じように学習しつつ、問題形式や解答方法に慣れておくようにしてください。

イギリスなどへの留学で英語力証明に使われる「IELTS」

試験概要

IELTS(アイエルツ、International English Language Testing System)は、主にイギリス、オーストラリア、カナダなどへの留学や海外移住の際の英語力証明に使われるテストです。アメリカの高等教育機関でもTOEFLに加えてIELTSが採用されていることもあります。

受験対象者は16歳以上が推奨されています。IELTSはブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営する試験で、日本英語検定協会は日本国内における実施運営をしています。主に大学・大学院で学ぶ人向けの「アカデミック・モジュール」と、主に移住申請をする人向けの「ジェネラル・トレーニング・モジュール」という2つのテストタイプがあります

4技能テストで、試験時間は合計約2時間45分です。ライティング、リーディング、リスニングの筆記テスト(紙に記入)は同日に実施され、スピーキングテストは筆記テストの前後6日以内に面接官との1対1の対面式で行われます。

テスト結果は合否ではなく1.0から9.0の「バンドスコア」で示されます。数字が大きいほどレベルが高くなります。各技能のバンドスコアと、総合評価としてのオーバーオール・バンド・スコアが与えられます。結果は筆記テスト実施日より2年間有効です。

国内16都市でほぼ毎週実施され(実施会場は試験日により異なる)、受験料は25,380円です

申し込みと受験には有効期限内のパスポートが必要ですので、注意しましょう。

紙に記述して解答するIELTSに対して、「コンピューター版IELTS」](https://www.eiken.or.jp/ielts/cdielts/)もあります。試験内容、採点 基準 、試験時間はIELTSと同様で、スピーキングテストはIELTSと同じく試験官との1対1の対面式で行われます。

18歳以上のみが受けられる「IELTSオンライン」もあります。アカデミック・モジュールのオンライン版で、自宅で受験することができます。

また、英国ビザ申請のために必要な英語能力証明テストの「IELTS for UKVI」(IELTS for UK Visas and Immigration)、「IELTS Life Skills」も実施されています。

おすすめ対策法

「アイエルツ 公式ホームページ」 を確認しましょう。サンプルテストも無料で閲覧することができます。

IELTS対策書は海外のものもたくさん出ていますが、日本で発行されている本としては、旺文社の「IELTS対策書」シリーズのほか、『完全攻略!IELTS』(アルク)『IELTS 32のドリル+模試』(三修社)などがあります。またブリティッシュ・カウンシル提供の、練習問題ができる公式アプリ「IELTS Prep App」などがあります。自分が取り組みやすそうな教材を選び、対策していきましょう。

Linguaskill Business:ビジネスに必要な英語4技能を測るオンラインテスト

試験概要

Linguaskill Business(リンガスキル ビジネス)は、ビジネスで求められるコミュニケーションスキルを測定するオンライン英語テストです

ビジネス英語のテストといえば日本ではTOEICが有名ですが、Linguaskill Businessはケンブリッジ大学英語検定機構が開発したビジネス英語能力を測定する能力評価試験です。ヨーロッパをはじめ世界中の50カ国の企業や団体で人材の採用や評価、育成に活用されています。

出題内容は、さまざまな職種に対応するビジネスシーンで構成されています。テストの種類は、スピーキング(マイク付きヘッドセットで解答、約15~20分)、ライティング(タイピングによる入力、約45分)、リーディング&リスニング(3または4肢択一と語句の入力、受験者の能力=解答状況に合わせて出題レベルが変化する仕組み、約60~90分)の3種類です。

試験結果は最短3営業日で通知(ライティングは自動採点)されます。「Linguaskill Business Test Report」が発行され、各技能の力がCEFRの指標で示されます。*個人でも企業などの団体でも申し込みできます。受験料は次の通りです(いずれも税込み)。

リーディング&リスニング 2,900円
スピーキング 6,900円
ライティング 3,900円
※ Reading & Listeningと一緒にSpeakingまたはWritingを受験すると、セット割引あり。*

日本英語検定協会を通して申し込んだ場合、会場は、団体受験では企業・団体施設内またはテストセンター、個人受験ではテストセンター(オフィス)または要件を満たせばリモートとなります。試験日は、会場受験は1カ月に1回の指定日、リモート受験は1カ月に1回指定された期間になります

おすすめ対策法

*日本英語検定協会サイトの「テスト内容」でサンプルテストを体験できます。

*また、同サイトの「学習サポート」とケンブリッジ大学英語検定機構サイトの「練習用教材」にも無料で利用できる情報や学習コンテンツがあります(「学習サポート」で紹介されているオンライン学習ツール「Cambridge Online Course」は有料です)。こうしたコンテンツを活用して演習してみましょう。

GCAS:ビジネス力を測定する対面の英語スピーキングテスト

試験概要

GCAS (ジーキャス、Global Communication Assessment for Business )は、ビジネスにおける実践的な英語力を測定する、試験官との対面型スピーキングテストです。「英語スピーキング力(English Language Skills、ELS)」と「ビジネススキル( Business Performance Skills、BPS)」の2つで評価することにより、「ビジネスを動かす英語力」を測定するとされています。

個人でも団体でも受験でき、個人の場合はビデオ会議ツールを利用したリモート、団体の場合は面接官との1対1の対面(申し込んだ企業・団体の指定会場)またはリモートで行われます。受験時間は約15分。

試験構成は、インタビュー、プレゼンテーション、ロールプレイの3つです。出題範囲は、経営企画、マーケティング、販売、広報、IT・システム、人事・総務、資材調達・物流など。

受験料は6,900円(対面の場合、面接官派遣の交通費は別途です。試験日程は1カ月に1回で、指定日の中で受験可能時間枠が設定されています。試験結果は答案受領後、10営業日以内に発送されます。「GCAS Score Report」にCEFRレベル、GCASスコア(300点満点)、GCAS CSEスコアなどが示されます。

おすすめ対策法

日本英語検定協会サイトの 「試験内容」 で無料サンプル問題を確認できます。

日本英語検定協会が開発した有料の公式教材については、「学習サポート」に掲載されています。一般のオンライン英会話レッスンなどを利用して、ビジネス分野に強い講師とGCASの試験形式に沿った内容で練習するのもおすすめです。

まとめ:各種英語検定・試験の比較表

本記事で紹介した10の英語検定・試験の内容を表にまとめました。

英語を学習する目的などからどれを受験するのか決めて、英語力アップにお役立てください!

※以上の情報は、2023年6月現在の情報です。

 Akino
Akino

ICU イギリスの大学院で英語文学を専攻。英検1級。趣味は美術や舞台鑑賞、旅行、バレエ・ダンスなど。

トップ写真:John Schnobrich from Unsplash

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