ビジネスの場で英語を話すなら、国際情勢や経済動向、企業戦略など、世界の最新事情に触れる機会が必ず訪れます。そんなとき、「今話題のあれを英語でなんて言うのか」を学ぶのに最適の素材が英語のニュースです。日経LissNで配信されている最新情報を、英語講師の天満嗣雄先生がわかりやすく解説します!
今回のニュース
コロナウイルス感染症の拡大に伴って、他の病気で病院を受診する人が減っているようですね。緊急事態宣言が解除になっても受診件数がさほど戻っていない疾患が2割ほどあるということのようです。
Patients continue to "refrain from seeing a doctor" for 20% of illnesses: January to September 2020 Kenporen analysis
疾患の2割で「受診控え」続く 健保連分析、20年1~9月
2021年10月1日に配信されました。
まずは聞いてみよう!
音声は以下から聞くことができます。一体、どんなことが話されているのか、概要を把握するつもりで聞き取りましょう。
※ノーマルスピード(1倍速)の音声です
理解度をチェック!
ニュースの内容について、しっかり聞き取って理解できているか確認しましょう。次の問題について、正解の選択肢を選んでください。
What illnesses saw a slow return of patients?
(A) Severe illnesses.
(B) COVID-related complications.
(C) Common illnesses.
詳細を聞き取ろう
今度は、スクリプトや翻訳を確認しながら、もう一度音声を聞いてみてください。聞き取れていなかった箇所や、意味がわからなかったところなどを重点的に確認してください。
スクリプト
Patients continue to "refrain from seeing a doctor" for 20% of illnesses: January to September 2020 Kenporen analysis
With the spread of the novel coronavirus infection, the way patients visit doctors has changed. According to a survey of trends from January to September 2020 by the National Federation of Health Insurance Societies, or Kenporen, it was revealed that medical consultations by patients for 20% of 133 illnesses, such as the common cold and rhinitis, decreased significantly during the state of emergency declaration, and the patients have continued to avoid doctor visits even after the declaration was lifted. One reason for this is that individual coronavirus prevention measures have led to the prevention of other illnesses.
Kenporen has recently compiled the medical fee receipts of people under the age of 65 who belong to health insurance societies with a total of over 13 million members. The increase and decrease in consultations was investigated for the 133 illnesses with a large number of outpatients.
The results could be categorized into three groups: 1) illnesses of patients whose visits decreased significantly during the state of emergency and were slow to return, 2) illnesses of patients whose visits decreased but returned afterward, and 3) illnesses that saw no significant increase or decrease in patient visits.
Illnesses that saw a slow return of patients include acute nasopharyngitis (cold), bronchitis, nasal allergies, and asthma. These account for 20% of the 133 illnesses surveyed.
For example, in April and May of 2020, the number of patients with nasal allergies fell by 40% compared to the same months of the previous year. Even in June-September, when the government's state of emergency declaration was lifted, a 20-30% decline continued. By age group, the number of consultations for 0-14 year olds decreased significantly.
翻訳
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関を受診する患者の行動が変わってきた。健康保険組合連合会が2020年1~9月の動向を調べたところ、133の疾患のうち、かぜや鼻炎など2割で緊急事態宣言の期間中に受診が大きく減り、宣言解除後も受診控えが続いていることが分かった。個人のコロナ対策がほかの病気の予防につながった面がある。
健保連はこのほど、合計で1300万人超の健保組合で65歳未満の診療報酬明細書(レセプト)を集計した。外来患者数が多い133の疾患を対象に、受診の増減を調べた。
その結果は、(1)緊急事態宣言期間中に患者が大きく減って戻りが鈍い疾患(2)患者が減った後に戻った疾患(3)大きな増減がない疾患――の3つに類型化できた。
患者の戻りが鈍かった疾患は、急性鼻咽頭炎(かぜ)や気管支炎、鼻アレルギー、ぜんそくなど。133の調査対象のうち2割を占めた。
例えば、鼻アレルギーでは20年4月と5月に患者数の落ち込みが前年同月比で4割減となった。政府による緊急事態宣言が解除された6~9月も2~3割減という状態が続いた。年代別に見ると、0~14歳の受診が大きく減っている。
覚えておきたい単語リスト
ニュースに出てきた表現のうち、難しいものや、特に知っておいた方がよいものをまとめました。1つずつ、意味を確認してください。
- refrain from: ~を控える
- health insurance society: 健康保険組合
- rhinitis: 鼻炎
- lift: 解除する
- medical fee receipt: 診療報酬明細書
- outpatient: 外来患者
- acute nasopharyngitis: 急性鼻咽頭炎
- bronchitis: 気管支炎
- nasal allergy: 鼻アレルギー
- asthma: ぜんそく
ニュースのポイント
コロナウイルス感染の拡大で、病院を受診する患者が減っているというニュース。見出しにあるsee a doctorという表現は「医者にかかる、受診する」という意味。
第1段落の第2文はかなり長いですが、文の構造は追えましたか? or Kenporenという部分はその前のthe National Federation of Health Insurance Societiesを言い換えたもの。orには同じものを表す別の表現を導く働きもあります。健保連が調査した133の疾患のうち2割で受診が減っているということが明らかになったようですね。such as the common cold and rhinitisの部分はその前の133 illnessesの補足説明で、ここまででようやくthat節の主部が終わります。次の文のindividual coronavirus prevention measuresは個人が行うコロナウイルス感染予防策のことで、これが他の病気の予防にもつながった面があったとのこと。
第2段落では、調査の内容が紹介されています。健保連がpeople under the age of 65(65歳未満の人)のmedical fee receipt(診療報酬明細書)をまとめたようですね。with a total of over 13 million membersは健康保険組合の被保険者が合わせて1300万人いることを補足しています。
第3段落は調査の結果、3種類に分類できることが述べられています。その中でも、緊急事態宣言で受診件数が大幅に減り、その後も増加のペースがゆっくりだった1つ目のグループについての説明が第4、5段落に続きます。Illnesses that saw a slow return of patients includeは、患者の戻りが遅い疾病にどのようなものがあるかを紹介する部分で、このseeとincludeの使い方は意外と頻繁に登場します。
今週のキーワード
acute
急性の
「鋭い、とがった、深刻な」という意味もあるacuteですが、病気に関して「急性の」という意味で使われることが多い単語です。反対の「慢性の」という意味のchronicとセットで確認しておきましょう。
クイズの正解">クイズの正解
(C)
いかがでしたか?来週はどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。毎週月曜日の更新をお楽しみに!
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