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【例文付き】「苦情を伝える」英語ビジネスメールの書き方を解説!優先度が上がる件名とは

英語ビジネスメール講座

「なんとなく英語でビジネスメールを書いているけど、不自然じゃないかな・・・」と不安になったことはありませんか?連載「ワンランク上の英語ビジネスメール講座」(全6回)では、経営コンサルタントのロッシェル・カップさんが、英語ビジネスメールのポイントをわかりやすく解説します。今回は「苦情を伝える」メールです。

このビジネスメール、どこが残念?「苦情を伝える」

苦情のメールを書くときは、微妙なバランスを保つ必要があります。問題を明確に指摘して自分が不満を持っていることをはっきりと伝えておきたい一方、強過ぎる口調のメールを送ると、悪い印象を与えてしまう危険性があります。

相手とのビジネス関係を保つため、そして地雷のような顧客にならないために、冷静に問題点を述べることはとても大事です。相手を侮辱しない形で、クレーム内容をわかりやすく説明しましょう。

それでは、下記のメールを読んで、どこが残念なポイントか考えてみてください。

状況

あなたは、あるプロジェクトに必要な資材の手配を任されています。あなたはABC社の斉藤さんに資材費の見積もり作成を頼みました。ところが、届いた見積もり書に誤りがあることがわかりました。この見積もり書は、今週金曜日の社内打ち合わせで提示する予定です。見積もり書の間違いはこれまで何度か発生しており、斉藤さんにも改善を求めていました。しかし状況が変わらないため、斉藤さんの上司に連絡することにしました。

メール例文(添削前)

To: Kyle Swift
Subject: Regarding the quotation
From: Kana Suzuki
Date: Monday, March 6

Dear Mr. Swift

Thank you for your continued support.

There's something I need to talk to you about the quotation we received from Mr. Saito on March 8.

When I checked the quotation, I found that it included a processing fee for xxx, which we did not request. Also, the quantity of yyy was incorrectly 60 instead of 40. This is related to the project budget, so I'm really having trouble. I suspect that there are other mistakes.

I have pointed out this kind of basic errors in his quotation before. I am very disappointed that this has happened again and again.

When I requested the quotation, I reminded Mr. Saito that there should be no mistakes, but he only replied that there would be no mistakes. I can't understand why it happened.

In addition, he rarely provides us with quotations before the deadline, which is very disruptive to our business. Moreover, many of our staff find Mr. Saito's irresponsible remarks unpleasant.

As we would like to continue doing business with your company, we would appreciate it if you could confirm this matter carefully.

Thank you very much for your cooperation.

Regards,

Kana Suzuki
Yukisha Co., Ltd.

残念ポイントはここ!

件名が不明確で、優先度が下がるかも

まずは件名についてです。Regarding the quotationだと、どのような内容のメールなのか相手がわからないでしょう。また、今回のメールの受信者は見積もり作成を担当した本人ではないので、the quotationはどれを指すのかわからないと思います。問題について連絡していることを明確にすれば、相手はこのメールの優先度を高くするはずです。

Thank you for your continued support.は「いつもお世話になっております」の直訳のようですが、相手は直接的な担当者ではないので、この文を読むと少し当惑するかもしれません。

過剰に責める表現は逆効果

メール全体の印象として、必要以上に長く感じます。問題点をより簡潔に書いた方がインパクトを与えます。また、長い文章を書くことでネチネチした印象を与える危険性があります。そのため、I can't understand why it happened.のような文章はいらないと思います。

自分が困っていることを確実に伝えたいとしても、I’m really having troubleはちょっと幼い表現なので、ビジネス文章にふさわしくありません。

many of our staff find Mr. Saito's irresponsible remarks unpleasantの部分には、2つの問題があります。

まずは、irresponsibleunpleasantは責めるような言葉で、ビジネスのメールとしてあまり適切ではありません。これは言い過ぎなので、見積もりの問題だけに論点を絞る方が賢明でしょう。どうしてもこれについて書きたいのであれば、もっと具体的な事実を説明する文章にするべきです。

「ご確認お願いします」だと何をしてほしいのかわからない

相手への依頼の部分はconfirm this matter carefullyとなっていますが、相手に何をしてほしいのか曖昧で、効果的な表現ではありません。

細かい言葉使いの問題もいくつかあります。There's something I need to talk to you about the quotationのaboutは不自然で、regarding の方が望ましいです。

単数/複数など、英文法的なミスにも気を付けて

さらに、the quantity of yyy was incorrectly 60 instead of 40は、the quantity of yyy was incorrectly stated as 60 instead of 40の方がいいです。

this kind of basic errors in his quotation beforeの一文は、単数と複数の使い方が正しくありません。this kind ofと始めるなら続く名詞は単数を使うべきです。またここでは過去に受け取った複数の見積もりに言及しているので、his quotationsと複数にすべきです。

理想的なメール例文

上記のメールを、より効果的な形で書き直してみました。

メール例文(添削後)

Subject: Quotation Problems

Dear Mr. Swift

Our firm has been very satisfied with the quality of the products your company provides.

Unfortunately, there's a recurring problem I’d like to bring to your attention regarding quotations we receive from your Mr. Saito. I received the most recent one on March 8. When I checked the quotation, I immediately saw that it included a processing fee for something we hadn’t requested (xxx). Also, we were quoted for 60 yyy instead of 40. I need to be able to rely on ABC to provide accurate quotations. I’m sure you’ll understand that I don’t have the time to recalculate and double- or treble-check every quotation we receive.

In the past, I have pointed out these kinds of basic errors in his quotations to Mr. Saito, so I am very disappointed that the situation has not improved. In addition, Mr. Saito rarely provides us with quotations before the deadline, which is very inconvenient for us.

As Yukisha would like to continue doing business with ABC, I would appreciate it if you would let me know what steps you intend to take to resolve this problem going forward. I would also be grateful if you could get a new and error-free quotation to us by Wednesday.

Thank you in advance for your cooperation.

Regards,

Kana Suzuki
Yukisha Co., Ltd.

問題が起きていることが一目でわかる件名

件名をQuotation Problemsとすることによって、見積もり関連でなんらかの問題が起きていることがすぐにわかり、読み手に親切です。

Our firm has been very satisfied with the quality of the products your company provides.と、先方の商品にいつも満足していることを述べるのは、「いつもお世話になっております」と述べるより具体的です。このように書き出すことで、メールの最後にある「今後も御社と取引をしたい」という一文をより確かにできるうえに、ポジティブな雰囲気でメールを始められます。

適切に不満を伝える便利な表現

繰り返して起きている問題を示すとき、recurring problemが適切な表現です。そしてbring to your attentionは、相手に問題を知らせるための、ビジネスライクで少しフォーマルな表現です。

何日に受け取った見積もりなのかを書くことによって、相手が調べやすくなります。

I need to be able to rely onから始まる段落は、「なぜ正確な見積もりが重要なのか」を説明しています。rely onという表現を使うと、ABC社が重要なパートナーであり、「頼りたいと考えている」ということを強調できます。

I’m sure you’ll understandは、自分の状況を相手に説明するときに使える表現です。「見積もりの再確認は自分の役割ではない」ということを強調しています。

過去に問題を斎藤さんに指摘したにもかかわらず改善がなく不満に思っていることを説明することで、今回のミスだけでクレームを述べている訳ではないことや、Swiftさんに連絡する前に過去に直接斎藤さんと解決しようとしていたことを示せます。

丁寧に問題解決を依頼する

最後の段落では、Swiftさんに何をしてほしいかが明確に説明されています。I would appreciate it ifI would be grateful ifは、丁寧な依頼する表現です。問題を解決してほしいこと、水曜日までに間違いのない新しい見積もりを送ってほしいことが明確です。

相手に依頼をするときは、Thank you very much for your cooperation.より、Thank you in advance for your cooperation.の方が適切です。

Thank you very much for your cooperation.だと、「相手は必ず依頼に従うだろう」と決めつけているニュアンスになるため、おすすめできません。in advanceを入れると、「これからのあなたのご協力感謝します」という意味になり、よりソフトな表現になります。ただ、in advanceを入れると長くなりますから、very muchをカットした方がいいでしょう。

「苦情を伝える」メールの極意

英語で苦情のメールを書くときには、「なぜ自分が不満を持っているのか」を明確にし、「その問題はなぜ自分にとって不便なのか」をきちんと説明することが大切です。その一方で、長過ぎたり強過ぎる言葉を使ったりすると印象が悪くなるので、気を付けるべきでしょう。

問題の説明と、なぜ自分にとってその問題が不便なのか、そして相手に何をしてほしいのかを中心に、わかりやすくかつ丁寧に書きましょう。そうすれば、相手は自分の苦情に対応し、解決するように努力するでしょう。

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ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp(ロッシェル・カップ)1964年、アメリカ、ニューヨーク州生まれ。シカゴ大学経営大学院修了(MBA)。ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社社長。専門は異文化コミュニケーション、グローバル人材育成、人事管理、リーダーシップと組織活性化。著書に『反省しないアメリカ人をあつかう方法34 (アルク はたらく×英語シリーズ)』(アルク)、『[音声DL付]英語の品格 実践編』(アルク)など多数。