TOEICテスト600点からコロンビア大学の大学院へ【サラさんインタビュー】

EJ新書『Q&Aサイトから読むアメリカのリアル』刊行を記念して、著者のサラさんのインタビューをお届けします。英語に興味を持った きっかけ や、EJ新書に込めた思い、将来の展望を聞きました。

初めて受験したTOEICテストは600点

――サラさんが、英語に興味を持った きっかけ はなんですか?昔から英語は得意だったのですか?

英語は全然できませんでした。高校を卒業して初めて受験したTOEICテストは600点。スピーキングもそれまでまったく練習したことがなく、sheとseaを同じ発音で読んでいたレベルでした。

私の英語学習の転機は大学3年生の初めです。当時は就職活動が迫っていたのですが、やりたい仕事も得意なことも何もなく、「将来どうすればいいんだろう」と本気で悩んでいました。ちょうどそのとき私生活でも大きな出来事が重なり、一度自分を見つめ直すために大学を1年間休学することにしました。

英語のレベルは初級でしたが、なぜか英語は昔から好きで、漠然と「英語ができたら楽しいだろうなぁ」という憧れを持って猛勉強を始めました。これが英語学習を本格的に始めた きっかけ です。

自分より英語を勉強した人は日本にいないはず!

――休学中はどのような英語学習をしたのですか?

休学中の1年間は私の中で「引きこもり留学」と呼んでいる時期で、大げさかもしれませんが 「自分より英語を勉強した人は日本にいないんじゃないか」 と自信があるほど、猛勉強していました。朝から晩まで、1日も欠かさずにすべてを英語にささげました。

英文法総復習から始め、単語暗記、スピーチ練習、大量の例文暗唱などを行ったのですが、中でも自分の人生を変えたと言っても過言でないのは 「シャドーイング」との出合い です。 朝・昼・晩と欠かさず行っていました 。最初は全然できなかったので、比較的簡単な英検準2級のリスニング音源でシャドーイングしていました。無心にシャドーイングしていたこの頃が自分の英語学習の原点です。

また、英語の「音」に魅力を感じていたので、この頃から 「発音矯正」を始め、英語学習を始めた初期から徹底的に発音の基礎を学んだ のもよかったと思っています。この頃は英語 に関して やれることは全部やったという感じで、本当に英語力が伸びたと感じます(ほかのあらゆることを犠牲にはしましたが・・・)。その後もほぼすべてを英語にささげる生活を数年続け、英語教育の道に進むことに決めました。

本書でもお話ししていますが、実は留学前、 世界一周貧乏バックパック旅行を行い、そのときにニューヨークにあるコロンビア大学を訪れました。 コロンビア大学は、最先端の英語教授法や第二言語習得研究が学べ、教育実習ではコロンビア大学付属の語学学校で、さまざまな国籍の生徒に英語を教えることができます。世界一とも言われる多様性を持つニューヨークで英語教授法を学びたい、という気持ちを固めました。

アメリカへの憧れを胸に大学院留学

――英語教育はイギリスやオーストラリアなどほかの英語圏でも学べると思いますが、アメリカの大学院を選ばれた理由はなんでしょうか?

バックパック旅行で実際にアメリカを訪れたことが、アメリカの大学院進学を決めた大きな理由ですが、 アメリカの映画、海外ドラマの 影響 も非常に大きかった と思います。実は休学中に 年間300本以上の洋画・海外ドラマを観ました。

最初は英語が聞き取れず、停止・巻き戻しを繰り返しながら、知らない単語を全部ノートに書き出して文で覚えていたのですが、 同時に アメリカの文化や人の行動・考え方が日本とは異なっていることが非常に面白い と思うようになりました。アメリカへの憧れが強くなっていき、学ぶなら大好きなアメリカの大学院で学びたいと思い進学を決意しました。

――帰国後、オンライン英語スクール「英語ジム らいおんとひよこR」を開かれた理由や きっかけ はなんですか?

コロンビア大学での大学院での専攻は英語教授法TESOLだったのですが、プログラムの中で本格的な音声学や第二言語習得論などを学び、その知見を生かしたレッスンをしたいと思うようになっていました。

特に音声学の授業には非常に 影響 を受けました。僕が運営しているスクール「英語ジム らいおんとひよこR」では、「シャドーイング特訓」というコースがいちばん人気です。このコースは本格的な音声学の知識を、全レベルの英語学習者に落とし込むような内容にしています。 今後は 第二言語習得論の知見をもっと生かした「科学的な英語学習」を生徒さんに伝えたいと思っています。

世界中を旅して英語に関わりながら生きていく

―― 今後の 展望や夢はなんですか?

まずは「英語ジム らいおんとひよこR」をレッスン・トレーナー品質ともに日本一のオンラインスクールにすることが直近の目標です。現在、英語初級から通訳レベルまで、そして英語総合力向上から発音矯正、ビジネス英語まで、ほとんどの英語ニーズに対応できるようになっていますが、どんな目標の学習者でも「らいひよRで学べば大丈夫」という品質のスクールにしていきたいと思っています。

そのためには中長期に、自分の運営しているSNSやウェブメディアの認知度をもっと向上させ、多くの人に「らいひよR」を知ってもらいたいなと思っています。

最終的な目標は、世界中を旅して英語に関わりながら生きていくことです。本書の第7章でもお伝えしましたが、世界一周バックパック貧乏旅行で世界中を周り、世界の広さ、旅の楽しさを学びました。まだまだ自分の知らない「世界のリアル」を探しに死ぬまで旅を続けたいと思っています。

『Q&Aサイトから読むアメリカのリアル』の読みどころ

――本書に込めた思いやアピールポイントをお願いします。

本書は「ENGLISH JOURNAL ONLINE」でご好評を頂いた連載「Q&Aサイトから読むアメリカのリアル」に新たな章を加えてパワーアップさせた1冊です。

アメリカでの就労や留学に興味がある人から、アメリカに行く予定はないけれど、アメリカについてもっと深く知りたい、楽しく英語を学びたいという人まで、どんな人にも役立つよう工夫しています。

海外生活や留学経験なしで、右も左も分からないままアメリカに行き、 恥ずかしいほどに無知だった自分だからこその視点、実際に苦労した体験 を所々にちりばめており、アメリカ文化の背景知識を楽しく学ぶことができます。

書籍化するにあたり新たに書き下ろした章では、 コロンビア大学での「アメリカ留学のリアル」と、ETS問題作成者になるまでの「アメリカ就労のリアル」 を物語風に書いており、楽しんでいただけると思っています。

▼サラさんがご自身のYouTubeチャンネルで本書について紹介してくれました!

本書『Q&Aサイトから読むアメリカのリアル』へのご感想

本書を読んだ方からの感想がTwitterに続々と寄せられています!その一部をご紹介いたします。

▼サラさん新刊の詳細・購入はこちら

サラ 英語ジム らいおんとひよこR 代表。コロンビア大学大学院 英語教授法修士。 コロンビア大学修了後は、TOEIC、TOEFLなど作成する米最大のテスト作成機関 Educational Testing Service(ETS)本社で問題作成者として勤務(フルタイムインターン)した。 アメリカのニュースとトークショーが大好きで、毎日欠かさず視聴しています。
YouTube・note ・英語ウェブメディアなどSNSは こちら

『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」

現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明れいめい期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。

日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!

【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明

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