円滑なビジネスを行うための鍵!改善点を英語でうまく伝える方法

円滑なビジネスの鍵!改善点を英語でうまく伝える方法

問題なく英語を読めたり聞けたりしても、話したり書いたりするときには困ってしまう、という人は多いのではないでしょうか。そんな人のために、英語の瞬発力を鍛えて自分の意見をロジカルにアウトプットできるようになる方法をご紹介します。ポイントをつかんで、あなたの英語をワンランクアップさせましょう。

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耳の痛いことを言うときは、そこから話し始めない

「現状に満足せず、さらによい明日を創ること」を目指しているのが仕事だとすると、相手が何かやってくれたときに、その変更依頼、問題の指摘改善方法のアドバイスなどをするのは日常茶飯事でしょう。そうしたフィードバックの仕方は今まで説明してきた話のロジックとは大きく異なり、以下のようにするのが普通です。

  1. 相手のやったことの中で「よい点」を言う。
  2. 改善してほしい点」について言及する。

もちろん1.も2.も「ポイント―サポート」のロジック構造を持つのが普通です。また、改善点を指摘するときに使う英語表現もかなりの工夫が必要になります。ロジック構造も英語表現の工夫も、「相手の立場や人格への配慮と尊重」のためであり、改善点の指摘の仕方がフェア(公正)だと感じてもらうためです。フェアだと感じてもらえると、指摘も受け入れてもらいやすくなります。ここではロジック構造について説明しますが、どのように英語表現を工夫するのかは、実践練習の解答例で見ることができます。

以下の日本語の文章を、英語的なフィードバックの組み立て方に置き換えてください。

「ジョン君、君の出してくれた提案なんだけど、①コストの見積もりの所が、まだ甘いんだよね。②インターネットの販促のアイデアなんかはいいと思うし、③面白いアイデアはいろいろあるんだけど、④契約の再交渉のための弁護士費用なんて考えてないでしょ。⑤コスト面をもう一度検討してみた方がいいんじゃないかなと思うよ」

ヒント
組み立て方のステップは次のように考えるとよいでしょう。
ステップ1 よい点と改善点を分ける。
ステップ2 よい点と改善点で、それぞれ基本形を作る。
ステップ3 日本語だと基本形の結論部分が省略されている場合もあるので、結論部分を新しく作って入れる。
ステップ4 よい点から始めて、後ろに改善点を持ってくる。

いかがですか、できましたか?答えは、③、②、⑤、①、④の順が最適だろうと思います。英語で話すと次のようになります。

③ John, I think your proposal has many interesting ideas.
② I particularly like the idea about the internet promotion.
⑤ One thing we should look at further is the cost.
① I think your estimate needs to be much more thorough.
For example, have you considered the legal fees for contract renegotiation?
⑥ What do you think?

フィードバックをする際は、まずは③のようにプラス面から言います。そのときに、名前を呼ぶのは絶対です。個人として認めていることを印象付けることで、相手がオープンになります。ここでは最初に、「たくさん面白いアイデアがある」と言ってから、②で具体例を出すことで基本形を作ります。単なるリップサービスで褒めているわけではないことをわかってもらえる工夫として、具体例は特に大切です。

次にマイナス面に移ります。⑤で問題指摘に入りますが、その際にbutを使わないようにできれば最高です。butだとその直前に言ったことの重みを打ち消すことになるので、せっかくプラス面を認めている印象が薄れてしまいます。かつては、butよりは直前に言った内容の重みが残るhoweverを使ったのですが、これもフィードバックで使っているうちに徐々にbutと同じようなニュアンスが感じられてきたようです。今日では、フィードバックではプラス面もマイナス面と同じぐらい大切なので、アメリカの人事の世界ではandでもいいと言われています。

ここでは、one thing we should look at furtherという旗印表現で移行して問題の指摘に入っています。プラス面からマイナス面に移るときの旗印表現もまだたくさんありますが、例えばjust one thingと言い捨ててからマイナスの指摘に入ることがよくあります。何点か言いたいのなら、“My comment would be...”や、“There are, however, a couple of areas that could be stronger.”などがあります。

①で理由に入りますが、ここもコストの見積もりがnot goodとは言わずに、「もっと完全になる必要がある」と未来志向的な、相手に配慮した言い方にしています。④でどこが問題なのかの具体例を出すときも、「考えていないだろう」と決め付けずに、“Have you considered... ?”のように完了形の疑問形で穏やかに尋ねている印象にしています。最後に、相手にも言い分があるかもしれないので、⑥でそれを聞いてあげることで、指摘のインパクトを和らげています。

Point 6

  • フィードバックをするときは、プラス面を伝えてからマイナス面を指摘しましょう。
  • やってくれたことの全体像がフェアに見えていますか?マイナス面だけに意識がとらわれていませんか?

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※本記事は、『ENGLISH JOURNAL』2021年7月号特集の内容を再構成したものです。

アウトプット力を鍛えたい人におすすめ

国井信一/橋本敬子(くにい しんいち/はしもと けいこ)1990年代にワシントンD.C.で同時通訳。2001年に英語・コミュニケーション力研修を提供するK/Hコミュニケーションズ株式会社を設立、現在に至る。厳しいが、きちんと成果が出るノウハウを開発し、大手企業のクライアントを中心に、現在までに受講者数は約2万人。ご質問やコメントはsupport@kh-system.comまで。