英語で話し掛けられたとき、自然にすぐ答えられるとかっこいいですよね。GOTCHA!でおなじみのリチャード川口さんの英語学校、RK English Schoolの「英語脳」の授業に編集部が参加し、自分の言いたいことをぱっと英語で返せるコツを教えていただきました!
リチャード川口
英語学校 RK English School 校長。 産業能率大学 客員教授。カナダ生まれ。オーストラリア、アメリカ、日本育ち。 明治大学卒業後、バンクーバーへ渡り、TOEIC専門学校の講師になる。学校の運営をはじめ、企業での研修、テレビやラジオのメディア出演、番組制作、小学校から大学、さまざまな教育機関とのコラボを通じて「日本人英語のネイティブ化」を進めている。 著書に『 バンクーバー 発音の鬼が日本人のためにまとめた ネイティブ発音のコツ33 』(明日香出版社)、『 発音記号キャラ辞典 』(KADOKAWA)など。
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「英語脳」って何?
このクラスのテーマは、 なんでも思ったことを英語で言えるようになる「英語脳」の構築 です。「英語脳」とは、直接英語で考える「英語思考法」のことです。
「英語脳」のクラスで一番大事なこと。それは、
大事なのは、自分が言いたいことが伝わること。 伝われば100点満点 、とリチャード川口さんは言います。文法的に多少間違えていてもいいから、言い回しに 「自分らしさ」が出ればなお良し とのことです。
従来のテスト英語だと、◯か×で評価されてしまうので、頭の中で完全な文章を作ろうとして、時間がかかったり、途中で諦めてしまったりと心のブレーキがかかる癖が付いている人が多いのだそう。
言葉のブレーキが外れれば、あとは楽しいライトニングスピードの(スピード感のある)コミュニケーションを取るだけ!
ではそのような状態になるには、どうすればいいでしょうか?そのためにはおさえるべきポイントを知り、あとはどんどんアウトプットして慣れてしまうことです。
では、「英語脳」を作るために押さえるポイントとはどんな点なのでしょうか?2つあります。
1. 英文の語順を理解する!
英文は語順の言語、 とリチャード川口さんは言います。
英語は単語を置く順番でその役割が決まります。語順を間違えたり、適当に単語を並べるだけでは、すごく分かりづらい表現になったり、相手に大きな勘違いをさせてしまったりします。
例えば、
日本語
<リチャードは> <生徒たちに> <教えていた>。
英語
<Richard> <was teaching> <students> .
日本語では「教えていた リチャードは 生徒たちに」のように、語順をシャッフルしてもさほど問題はないですが、英語は語順を入れ替えると、意味が変わったり、分からなくなってしまいます。
英語は好きなように単語を並べていいわけではないので、「英語脳」のクラスでは、 間違った英語を言ってしまっても、正しい英語の語順でリアルタイムで先生が校正していき、英語を英語のまま理解していく思考回路を作るトレーニングを行っていきます。
2. 英語を英語で説明できるようになる!
「英語脳」を作るためには、使える表現をたくさん知っているということも大事です。
しかし、これはがむしゃらにボキャブラリーを増やそう、という意味ではありません。
例えば、
I appreciate it. = ありがとう。ではなく、
I appreciate it. = Thank you . / Thanks. / I owe you one. / You are the best. / Cheers.という具合に同じ意味合いのものでまとめていくと、英語を英語で説明できるようになります。
「英語脳」のクラスの大事なポイントとして、このような英語の表現と表現を結び付けて、理解も説明も日本語が必要のない状態を作っていくトレーニングを行っていきます。
単語や表現の意味を日本語で覚えることも自然な学習方法ですが、プラスアルファの学習方法として、英語の表現を別の英語の表現と結び付けることで、英語で英語を理解できるようになるのです。
つまり、日本語を挟む必要(英語から日本語に訳す手間)がなくなります!まさにライトニングスピード!
このようなポイントを踏まえて、実際の授業は次のように行われます。
RK English Schoolの「英語脳」の授業を体験してみた!
RK English Schoolの「英語脳」のクラスは 前回紹介した「発音」のクラス のあと、毎週火曜日20:10から始まります。今日も遠方から、Skypeでの参加の方もいました。この日は、ほとんどの方が会社帰りの社会人の方で、「発音」のクラスと一緒に1日に2コマ受講する方が多かったです。
まずはウォームアップ。リチャードさんが、台湾に出張に行っていたという方にちなんで、「ギョ―ザ」って英語でなんて言うの?というお題を出しました。
最近はラーメンが世界的ブームなので、ギョ―ザ(gyoza)でも通じるけど、他にも言い方があるよ。ヒント、ギョ―ザを焼くときに困ることって何?
フライパンに皮がくっつく?こげちゃう?破れる?
そう、俺はギョーザがうまく焼けなくて、鍋にくっついちゃうんだ。ギョ―ザにはまさにこの、「鍋にくっついちゃうよね~?」という意味の呼び方があるよ。
なんて言うと思う?鍋は英語で “pot” だね。ということで・・・ “pot sticker”。まさに鍋にくっついちゃうイメージで言ってるよね。あとギョ―ザは基本 “dumpling”と呼ばれるけど、これは水餃子が蒸し餃子。
くっつかないと言えば、鍋のフッ素樹脂の「テフロン」ってあるけど、不屈の精神をもつボスのことを “teflon don”(テフロン・ドン)って言ったりもするよ。
1万通りの言い方を考えよう!
生徒さんの雑談からの流れでこのような英語脳の軽いウォームアップ。続いて、今日の本題に入ります。
それでは、今日のお題にいってみよう! 今日は「それだけはかんべんして!」 を英語で言ってみよう!
一番、嫌そうに表現できた人が「かんべんして大賞」受賞(笑)!言い方は1000通りでも1万通りでもあるはず!一つの「正解」を探すんじゃなくて、型にとらわれず、自分らしい表現で言ってみる!Be fast(速く)! Be creative(独創的に)! Make mistakes(じゃんじゃん間違えろ)! どんどんチャレンジして、みんなで殻をぶっ壊していこう!
No way!
いいね!短くて良い!この意味合いでは、「いやなこった!」がかんべんして感がでてるね~。何か大変なことをお願いされたときの返事に、使えるね。他にも何かあるかな?
What's happen that? あと、I can’t believe what happened!
なーるほど、「何が起こった?」みたいなね。いいね~、直訳じゃなくて心境、状況をダイレクトに出すのが英語脳!殻、破れてるやないけ~、100点!
まあ一応「授業」ってことで、文法的にも伸び代を埋めていこう。“happen” は動詞なので、主語と動詞はそれぞれ “what” と “happen”。なので今回ここのbe動詞の “’s” は動詞が重複しちゃうのでいらないね。
あと “happen” 自動詞なので、前置詞を付けて、What happened to that?(それに何があった?)と言うと、形的にはさらにスムーズ!
それから、もう一個のやつは “just” を入れてI can’t believe what (just) happened! というと、今起こっている感をさらに表現できる。マジ、かんべん!みたいな、「かんべん感」により臨場感が出るよ!
じゃあ、ここで私も参戦します! That is the( )( ) I want to do. この( )に入るのは何だと思う??
last resort
よく知ってるな!“last resort” 最後の楽園(できれば使いたくない、最後の手段)って表現を知っているだけでもすごい!last resort を入れたいときは That is my last resort. という風に使えるよ。
I want to do との相性を考えると今回はシンプルに “last thing” がおすすめ! That is the last thing I want to do. よく使う言い回しだよ。
例えば応用して「私、あの人だけは付き合いたくない」と言いたい場合は・・・He is the last person I want to date with .という風に言える(笑)。
他にも、違う表現で「かんべんして」を作った人いる?
Help me God. I will do anything.
ぶほ!すごい表現だね~。Godが付いて、そこまでいっちゃうと本気のクリスチャンが本当に助けを求めるときに使いそうな雰囲気があるから、そこだけ注意。
じゃあ、“anything”を使った表現を作った人はいるかな?
I can do anything you want but this.
Nice! 「あなたの望むことならなんでもできます。しかしこれだけは(いやだ)」という意味になるから、「かんべんして」の必死さが出てるね~。嫌感がやばい(笑)!短く “Anything but this.” も「かんべんして」の意味でよく使うよ。
他にも、おいおい!みたいな言い方だとどんな言い方があるかな?
Come on !
そうそう! “ on ” に力を入れて、 “Come ON !”。
他にも同じような言い方で “Oh, please!” とかもあるよ。この場合、“Oh,” は付けても付けなくでもいいような気がするけど、特に “Oh, please!” には付けます。これを付けないと、「かんべんして」じゃなくて、ただお願いしているだけみたいな感じになっちゃうからね。
このように生徒が全員参加し、テンポよく、わらしべ長者のように次々と類似フレーズを手に入れることができます。英語で「かんべん」マシンガンがさくれつ!な気分を味わえた授業でした。
授業では「英語脳」ノートを使い、毎回、自分で考えたフレーズとほかの人が考えたフレーズを書きためていきます。今日も授業の終わりには、このノートにたっぷりと「かんべんして」のフレーズが集まったのでした。
このように毎回、お題の言い換え表現を増やしていき、自分だけのノートを作っていきます。実際に使える実践的なフレーズばかりです。もちろん、復習にも役立ちます。
従来の受け身一方の講義と違い、先生が生徒さん達を巻き込み、いろんな角度から考えさせ、生徒さん達から表現を引き出すので、本当に「英語脳」が刺激された気分でした。
「英語脳」の授業のレッスンを受けた感想
1.英語で伝える方法は無限にあることを実感!
その場にいた人たちが出し合って作ったフレーズで、市販の参考書などではなかなか見たことがないような生きた英語表現が次々とでてくるのがユニークです。同じ表現を英語にしようと思っても、その人のその言葉に対するイメージの捉え方によって、言い方は無限にあると実感できます。
2.ライブ感を味わえる、コミュニケーションの授業!
脳をフル回転して、自分の知っている単語を使って、あれこれ考えるのがなんといっても楽しい!ライブ感あるコミュニケーションの授業で、間違いや失敗が気にならなくなります。
よくある通常の言い方にもとらわれず、とにかく間違えてもいいから自由な発想でどんどん言ってみようというスタンスなので、気楽な気持ちになって、気後れせずに参加できます。
3.使える表現をたくさん覚えられる!
いつも同じフレーズばかり使っていて、ボキャブラリーや言葉の広がりが欲しい人にぴったりの授業です。どんな場面でどんな表現を使うかも説明してもらえるので、シュチュエーションで使い分けて、幅広い英語表現を覚えられるようになります。
また、よくある表現を知らなくても、瞬発的に自分で考えて言ってみて、通じるかを試すことで、「英語で伝える力」を 強化 したい人におすすめです。
RK English Schoolの「英語脳」の授業の動画はこちら!
リチャード川口さんの「英語脳」の授業の様子を動画で紹介します。見ればきっとRK English School に通って、英語脳の感覚を身に付けたくなるはず!都心にお住まいの方でなくても、Skype経由で参加可能です。
『ENGLISH JOURNAL』 2月号はリチャード川口さんの発音特集!
『ENGLISH JOURNAL』の2020年2月号は、16ページのリチャード川口さんの発音特集です!ENGLISH JOURNAL読者の6人に、リチャード川口さんの個別指導内容に従い、1週間猛特訓していただいた、その効果はいかに? Before & Afterの音声付き でどのくらい上達したのか、特訓の成果や、取り組んでみた感想も掲載しています。
英語の「発音」をネイティブに近づけたい方はぜひ、ご参考になさってください!
RK English School
2013年にリチャード川口が立ち上げた、講師全員がバイリンガルの英会話スクール。無料の英会話ラウンジや、「発音」「表現力」「英語脳」「TOEIC」などの技術の習得に特化しているのが特徴。留学しなくてもネイティブと対等にコミュニケーションができる「イケてる英語」が楽しく習得できる。