TOEICのスコアを伸ばすためには、どこかの段階でPart 5の問題を相当数解く必要があります。そのため、最近は500から1000問ほど収録された対策本が多く出版されていますが、今回はその中でも特にお勧めの一冊を紹介します。では、さっそく… GO ON TO THE MAIN POINTS!
目次
Part 5の文法問題も語彙問題も鍛えられる対策本を3つの指標でチェック
本連載では現役エンジニアの視点を活かし、毎回以下の3つの指標(Metric)で教材を徹底分析します。
Metric 1:基本スペックの分析(定量的な問題数・解説量など)
Metric 2:適合スコアの解析(推奨する保有スコア帯)
Metric 3:ユーザビリティーの評価(定性的な強み・付加価値)
それではさっそく、今回のターゲット『TOEIC® L&Rテスト 文法・語彙・語法 あがる1000問』の分析に入りましょう。
冒頭で述べたように、最近は問題収録数の多いPart 5教材が増えています。たくさん解けるのは良いのですが、収録問題数が多い分、ページ数の都合により解説が少なくなり、初中級者には不親切になりがちです。しかし、本書は動画解説という手段でその欠点をカバーしており、初級者から上級者まで使える一冊となっています。
Metric 1 基本スペックの分析(問題数・解説量など)

Part 5問題を1000問も収録
本書は、書名のとおり、Part 5を1000問も収録しています。
しかも、やみくもに多くの問題を収録しているのではなく、すべて本番と同等の品質になっています。
ここでいう「本番と同等」というのは、単純にテスティング・ポイント(問われている文法や語法、語彙)だけでなく、文の長さや文意、話題などが、本物と言われてもわからないレベルで再現されているということです。
花田先生、本当に凄すぎます。
紙面での説明も十分手厚いが……
実は、この本、他の問題収録数の多いPart 5対策本と比較しても、解説が非常に手厚いです。どれくらい手厚いかというと、解説が多すぎて、1ページに3問分しか解説できていないページも多くあります。
端折ることなく、本当に丁寧に説明されているため、初中級者の方も安心して使うことができます。
さらに驚くべきは、花田先生と監修の前田先生自身が出演されている解説動画の圧倒的なボリュームです。なんと60時間(※各レベル・問題ごとの詳細解説動画の合計)を超えており、書面だけでは伝えきれない解法のプロセスや着眼点まで網羅されています。
704ページの圧倒的ボリューム
ページ数は704ページと、TOEIC対策本としては規格外の分厚さです。持ち運びには少々骨が折れますが、これ一冊でPart 5に必要な知識が網羅されていると考えれば、非常にコスパの高い一冊と言えます。
Metric 2 適合スコアの解析(推奨する保有スコア帯)

初級者(〜595点):はじめの400問に全集中がお勧め
初級者が分厚い本にチャレンジすると挫折しがちですが、この本は難易度順(易→難)に問題が掲載されているので、それをうまく活用することで、初級者の方もチャレンジできます。
具体的には、はじめの400問のみに全集中し、以降の600問は中上級者になるまでとっておくことをお勧めします。そうすれば、挫折せずに続けられますし、「周回」(※同じ参考書に繰り返し取り組むこと)もしやすくなります。
この段階だと基礎知識が十分ではないことも多いため、文字よりも情報量の多い動画を積極的に活用して、基礎固めを行ってください。
中級者(600〜855点):Part 5を得点源にできる。ただし挫折のリスクに要注意
MORIの独断と偏見になりますが、600点を超えたあたりで401〜600問を、800点を超えたあたりで601〜1000問を「解禁」するのがお勧めです。
こういう話をすると、「各問題、何周すればいいですか?」という質問をよく受けますが、ざっくりした目安として「10周くらい」とお伝えすることが多いです。
誤解を防ぐために補足させていただくと、本当のゴールは「答えが分かる」ではなく、「正解選択肢が正解である理由と、不正解選択肢が不正解である理由を説明できること」です。その境地に1周で辿り着けば1周でOKですし、10周してもできなければ、10周以上取り組む必要があります。
とはいえ、その境地に至ったかどうかはなかなか体感しにくいため、とりあえずキリがよく、MORI自身もそれくらいでマスターできるかなという「10回」を目安としてお伝えしています。
本書をしっかりと何周もやり込めば、Part 5が大きな得点源になります。一方で、繰り返しになりますが、収録問題数の多さから挫折するケースも多々あるので、前述の「分割法」のような工夫は必須です(他の方法でもOK)。
上級者(860点以上):マスターすればPart 5全問正解が普通になるが、難易度は「鬼」
正直、書籍全体の難易度は、公開テスト本番でいう「鬼フォーム(超難フォーム)」と呼ばれるレベルです。最後のLevel 5にいたっては、990点を何度も取っている方でも間違える問題がゴロゴロと入っています。(とはいっても、もちろん本番で出題される範囲・レベル内です)
というのも、こちらに収録されている1000問は、オンラインでのべ5000人以上の参加者を集めてモニターテストを行ったうえで精選された問題だからです。無料で花田先生の良問を解くことができるということで、MORIももちろん、友人のTOEIC猛者たちと共に、楽しく解かせていただきました。
その解答データを分析し、正答率で1000位から1位まで順位付けをしているので、終盤の200問は難問ぞろいになっているのです。
この本を完璧にできれば、”TOEIC超猛者”になれる難易度の問題が数多く収録されているので、高得点狙いの方には本当にお勧めです。一方で、半端な覚悟で臨むと上級者でも鼻をへし折られて挫折してしまうため、覚悟をもってチャレンジしましょう。
Metric 3 ユーザビリティーの評価(定性的な強み・付加価値)

リーディング満点対策に最適
Metric 2の後半と重複しますが、本書は本番で出題される範囲・レベルにおいて、非常に高難度の設定になっています。そのため、やり切るのは大変ですが、Part 5全問正解の最短ルートの1つだと確信しています。
毎回、Part 5で間違えてしまい、リーディングで満点が取れないとお困りの方にぜひ取り組んでいただきたい一冊です。
また、花田先生のブログには、直近のTOEIC公開テストで出題された文法・語彙とその類題となる本書の収録問題の問題番号が掲載されていますので、こちらも併せて活用すると効果的です。
TOEIC連続990点講師 花田のブログ
https://ameblo.jp/hanadatoeic/
動画の操作性と解説クオリティーが◎。数万円で販売されるレベル
解説動画の操作性と解説クオリティーが非常に良かったので、それらについて説明させてください。
まずは、解説動画の操作性ですが、この動画はアルクの専用サイトから視聴することができます。サイトにログインすると、問題番号が表示されており、解説が見たい問題の問題番号をタップすると、その問題の動画を視聴することができます。
文字だと伝わりづらいのですが、見たい問題だけをサッと選択して視聴できるため、非常に使いやすかったです。収録問題数も多いため、非常に工夫されている印象で、個人的には感動しました。

次に、解説のクオリティーですが、花田先生×ヒロ前田先生で、しかも60時間以上という圧倒的な尺なので、英語のオンラインスクールでは普通に数万円で売られているレベルの動画です。
お二人とも普段からとても論理的で分かりやすい講義をされますが、今回はさらに、モニター受験者5173人の解答データを分析し、正解・不正解の分岐点となったポイントを中心に解説していることが、有用性をアップしています。実際に多くの人が間違えた点をカバーしているため、多くの人にとって有意義な内容になっています。
書籍を買うと1年間無料でアプリもできちゃう
こちらは地味ですが、非常に魅力的なポイントです。書籍を購入すると、アプリ「Santaアルク」でも本書に収録されている問題を1年間無料で解くことができます。
Part 5は繰り返し学習が効果的であり、できるだけ高頻度で多くの問題を解くことで、スコアアップが狙えます。その際、書籍よりもアプリの方が高回転で問題を解くことができるため、MORIはPart 5は基本的にアプリで解いています。そのため、書籍を購入するとアプリでも無料で解けるというのは非常にありがたかったです。
にもかかわらず、評価の木が5つではなく3つである理由は、Santaアルクでは、無料会員の場合、間違えた問題だけを抽出して解くことができないためです。間違えた問題を再度解きたい場合は、自身で間違えた問題を記録しておき、その問題にジャンプして解く必要があります。
自動復習機能がないために、やや効率が下がってしまうのは残念な点ですが、分厚い本を持ち歩かずに1000問を解けるのはメリットですから、無料期間内に工夫して取り組みたいところです。
結論
分量の多さなどから多少ハードルが高い本ではあるものの、逆にこの本を味方につけるとPart 5は怖いもの無しになります。
難易度の高さから主に上級者にお勧めしていますが、動画解説でカバーされているので、初中級者であっても、やる気と根性次第で、Part 5を苦手から得意なパートに劇的に変化させることができる本です。
「とても気にはなるけれど、ページ数的に手が出ない」という方は、ぜひ、花田先生の別の問題集、『1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急』から始めてみてください。
こちらは336ページと、比較的ページ数が少ないです。まずは、こちらで花田先生のワールド(問題と解説)にハマっていただき、その次に『あがる1000問』にステップアップしていただくとよいかと思います。
英語が苦手だったとしても、得意なPartが1つでもできると、TOEICが劇的に楽しくなります。この本はそれを応援する一冊だと思います。この本でPart 5を得意にして、あなたのTOEICライフを楽しくしてみませんか?
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