日本では芸人によるPodcast(ポッドキャスト)が人気ですが、海外のPodcastにはどんなお笑い番組(Comedy Podcast)があるのでしょうか。自身もPodcastを配信し、「Podcast評論家」を自称するブロガー・ねじまきさんが、Comedy Podcastにまつわるさまざまな疑問にお答えします。また、数々の番組からイチ押しの番組もご紹介!記事の最後には、ねじまきさんによる「ENGLISH JOURNAL ONLINE」限定の音声もありますので、ぜひ聞いてみてくださいね。
Comedy Podcastって?
最近、日本でも耳にすることが多くなってきた、海外で話題の「Podcast」。その中でも特に人気のジャンルであるComedy Podcastについて、Podcast配信者であるねじまきが、おすすめ番組を紹介します。
「Comedy Podcast」に明確な定義はないのですが、「面白トークを楽しめる番組」として選んでみました。番組の種類もたくさんあって、形式や長さもさまざま。一般人はもちろん、超有名人も配信しています。それぞれラジオにはない魅力があり、本当に奥が深いです。
Podcastを聞くコツ
おすすめのComedy Podcastを紹介する前に、「 そもそも Podcastを普段聞く習慣がない」という方に向けて、Podcastを聞くコツを3つにまとめてみました。
①好きなトピックに関する番組を聞く
②何度も聞く
③再生速度をゆっくりにする
①好きなトピックに関する番組を聞く
特にComedy Podcast に関して は「楽しめる」ことが大 前提 。自分の好きな番組・エピソードを選ぶことが最も重要です。ゲーム好きならポケモンについて面白おかしく語る番組を聞くとか、ニュースを揶揄(やゆ)する番組を聞くとか、自分で「これだ!」と思う番組を見つけることから始めてみましょう。
②何度も聞く
スマホさえあれば、「いつでも」「どこでも」「何度でも」聞けるのがPodcastの魅力。Comedyという番組の性質上、長い尺のものが多いのですが、つまらない部分や難しい部分はすっ飛ばして、気に入った部分を何度も聞いて、好きな表現を自分のモノにしましょう。
③再生速度をゆっくりにする
Podcastのいいところは、再生スピードを変更する機能が標準で付いていること。 聞き取れない部分は0.8倍速、もしくはさらにゆっくりの0.5倍速にしてみるなど、自分のリスニングレベルに合った聞き方をしてみましょう。ゆっくりのスピードで何度も繰り返し聞けば、さすがに理解できるようになるはず。それでもわからないのであれば、単語や文法の復習は必要かもしれませんね。
Podcastは英語学習に役立つ?
「実際、Podcastって英語の勉強に役立つの?」と気になる方がいるかもしれません。僕自身、留学はしていませんが、Podcastのおかげでリスニングには自信があります。
スピーキング・ライティングについても、Podcastのトークの流れで覚えた表現はずっと記憶に残ってくれるので、参考書だけで学んだ表現よりも身に付いた実感があります。
海外ドラマや映画もいいとは思うのですが、あくまでドラマはドラマなので、芝居の中での会話よりもリアルな会話を使った方が、英語学習という意味では向いていると思います。何より、日本とは異なる欧米の「会話のノリ」を学べるのがいいですね。
ということで、そろそろおすすめのComedy Podcastを2つ紹介してみますね。
初心者でも聞き取りやすい!おすすめのComedy Podcast
番組タイトル:Luke’s English Podcast
teacherluke.co.uk英語の先生でありコメディアンでもあるイギリス人のLukeさんがホストを務めるPodcastです。
今回紹介したいエピソードはこちら。
583 The Dirty Fork / Restaurant Sketch (Monty Python)
イギリスの古典的なComedy番組、「Monty Python」のネタについて解説してくれています。この中で、レストランにてウエーターに汚れたフォークを交換してもらおうとする場面の会話が出てきます(23:00~)。
Oh, er, by the way , I’ve] got a bit of a dirty fork. Could you, er, get me [another one? ああ、えーと。ところでフォークが少し汚れているようなんだけど。ほかのフォークを持ってきてくれる?事を荒立てないよう、a little bit dirtyと控えめな表現を使った にもかかわらず 、ウエーターの過剰な反応で大惨事に・・・というネタです。ネタの後でLuke先生が詳しく解説してくれるので、初心者の方でもなんとか付いていけるはず 。 この番組は、あらゆるジャンルに関する話題や使える表現を随時教えてくれるので、初心者の方には超おすすめです!
今、これが面白い!中級者におすすめのComedy Podcast
番組タイトル:OFF MENU PODCAST
www.offmenupodcast.co.ukイギリスのコメディアンであるEd GambleとJames Acasterが、コース料理をゲストと食べながら、あらゆるトピックを面白おかしくしゃべるという番組です。
今回は以下のエピソードを取り上げてみましょう。
Edが有名コメディアンのツアーに同行したとき、舞台裏で持ち帰りのカレーを食べていたが、コメディアンの声がよく聞こえなかったので自分のテーブルを舞台に近づけたら大失敗した・・・という話です(8:10~)。
どんなカレーだったかの説明から始まります(9:25~)。
Ed:... Plate in front of you, and then , rice on one side, curry in front, and then , er, the naan to the left.目の前にプレートがあって、ご飯が横にあって、カレーが手前にあって、ナンが左にあった。9時(nine)とナン(naan)を掛けています。そして、オチがこちら。Ivo(ゲスト) :
Yeah. The cl?the curry clock!
カレーの時計だね!
Ed: The, curry clock.
カレーの時計。
Ivo: Yeah, yeah.
うんうん。
Ed:
That's exactly it. ... And, er, ha-ha, about quarter past naan, ...
そう、その通り。 それで・・・ナン時15分になった頃、・・・
Ivo: Ha-ha!
あはは!
Ed:Um, er, Jack Dee on stage suddenly said, “Can anyone smell Cup a Soup?"ステージ上のJack Deeが突然「カップスープの匂いがする人いますか?」って言ったんだ。非常にコメディアンっぽい表現だと思います。
それほど難しい単語も出てこず、中学校でも習うような表現ばかりですが、こうやって世界中のリスナーを笑いに引き込むことができるんですね。
今回取り上げた分 に関して は、表現そのものよりも、彼らの会話の「ドライヴ感」を楽しんでほしいと思います。
「独自の視点」「ひねり」「即興性」を身に付けることは、語彙力・表現力がネイティブに及ばない非ネイティブにとって重要といえます。Comedy Podcastを聞いて、海外のユーモアを学んでみてはいかがでしょうか?
ねじまきさんのEJO限定音声はこちら!
今回、ねじまきさんに「ENGLISH JOURNAL ONLINE」のためだけに音声を録音していただきました!ハリー・ポッターやポケモンに関する番組から全米 No .1の番組など、今回書ききれなかったというおすすめのComedy Podcastについて紹介されています。
ぜひ聞いてみてください!
『ENGLISH JOURNAL』2020年8月号の特集は「Podcast&ラジオ大活用法」
『ENGLISH JOURNAL 』最新号の特集は「Podcast&ラジオ大活用法」。Podcastとラジオに着目し、EJおすすめの番組をご紹介します。あなたのお気に入りの番組を見つけて、効率的に英語力をアップさせましょう。
文:ねじまき
ゲイが独自の視点で、 海外ニュース・映画・読書・音楽・LGBT などについてお届けするPodcast「 世界のねじを巻くラジオ 」を配信中。世界一周旅行の思い出についても語っています。
Twitter: @nejimakiradio1
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。