英語力を身に付けるには「英語の歌」を歌うことがオススメ!今日は、英語の歌を歌う際の基本ルールを、英語・日本語のバイリンガルで教育・教養に関する音声・映像コンテンツ制作を行う、 カン・アンドリュー・ハシモトさんに教えていただきます。まずはこのルールを押さえてから、あなたのお気に入りの洋楽にもぜひ挑戦してみてください!
基本ルール1:リズム(rhythm)がいちばん大事!
rhythm(リズム)とpitch(ピッチ:音の高さ)は「音楽の文法」 です。英語でも、間違った英文法で話していては言いたいことが伝わらなかったり、誤解が生まれたりしますよね。リズムとピッチが間違っていると、音楽として本当に伝えたいことが伝わらないため、この2つはとても重要な要素です。
最初にこれをお伝えした上で、あえて提案します。ピッチはもちろん大切なのですが、ここではまずは ピッチを忘れてリズムだけに意識を集中 しましょう。カラオケでは少しくらいピッチがずれていても、リズムさえ合っていればカッコよく聞こえるものです。
でもリズムがずれてしまったら絶対にカッコよくは聞こえません。
基本ルール2:音と音のつながりを理解しよう!
英会話はもちろん、英語の歌を歌うときも、 発音の変化パターン「①リンキング」「②フラッピング」「③リダクション」は重要 です。初めは難しいかもしれませんが、歌を何度も聞くことで頭と耳に定着させられるよう頑張りましょう。
①linking(リンキング)
子音で終わる語の後に母音で始まる語が来ると、音がつながる。
【例】Gone awayの場合、Goneの語尾の子音/n/と次の/a(?)/の音がつながって、/g??:n?wei/のような音になる。
②flapping(フラッピング)
発音する音自体が別の音に変化する。
【例】And aの場合、つながった1つの音(/d/ が弱く発音されるため、/d?/というよりも日本語の「ナ」の音に近い音)として発音される。
reduction (リダクション)">③ reduction (リダクション)
子音で終わる語(/t/、/d/、/p/、/k/など)が脱落する。
【例】 right nowの場合、 right の語尾の子音/t/が脱落して、/rainau/のような音になる。
基本ルール3:韻(rhyme)を意識して歌おう!
日本人はほとんど韻(rhyme)を意識せずに英語の歌を歌っていますが、英語の歌詞には必ず韻が存在します。ほんの少しでも韻を意識して、丁寧にその部分の母音を合わせるように歌うだけで、歌がグッと上手に聞こえますよ。
例えば、この後紹介する「Winter Wonderland」の一節、“A beautiful sight, we’re happy tonight”のsight とtonight の音は韻になっています。それぞれの/ait/の音が同じように聞こえるように発音してみてください。
Christmas songを歌ってみよう!
ENGLISH JOURNAL 2019年1月号では、冬にピッタリのクリスマスソング「Winter Wonderland」「We Wish You a Merry Christmas」を題材に、歌詞の意味はもちろん、発音や歌い方の注意点を紹介しています。
by Ray Charles">「Winter Wonderland」 by Ray Charles
盲目の歌手・ピアニストであり、「ソウルの神様」と呼ばれたレイ・チャールズは、この曲をシブくかっこよく歌っています。
by Tony Bennett & Lady Gaga">「Winter Wonderland」 by Tony Bennett & Lady Gaga
EJ1月号のインタビュー1に登場するレディー・ガガは、ジャズの名ヴォーカリストであるトニー・ベネットとこの曲をデュエットしています。レディー・ガガは12月21日(金)公開の『アリー/スター誕生』で、スターへの階段を駆け上っていく主人公を演じ、その歌声も話題となっています。
まとめ
歌を歌うのが好きな人も苦手な人も、「英語の歌」を歌うのは難しいと敬遠してしまいがち。でもまずは、簡単で歌いやすい曲から練習することでだんだん楽しくなってくるはず!「英語の歌」で楽しみながら、英語を学んでみてください。
カン・アンドリュー・ハシモト
アメリカ合衆国ウィスコンシン州出身。教育・教養に関する音声・映像コンテンツ制作を手がける株式会社ジェイルハウス・ミュージック代表取締役。英語・日本語のバイリンガル。公益財団法人日本英語検定協会、文部科学省、法務省などの教育用映像(日本語版・英語版)の制作を多数担当する。また、作詞・作曲家として、NHK「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」やCMに楽曲を提供している。2018年7月より9作目の著作『外国人に「What?」と言わせない発音メソッド』(池田書店)が発売中。
『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」
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【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明