2回に分けてお届けしている、「クゥ?!」でおなじみの川平慈英さんのインタビュー。 前半 は、壁を乗り越えるときの心の切り替え術を教えていただきました。後半は、夢に向かうときに支えになる英語のフレーズを教えていただきます。
インタビューの前半はこちら
弱い自分でいいんです
若いころは「パーフェクトでいたい」「隙を見せたくない」だから、いつも I’m good.と強い気持ちでいました。しかし、50歳を超えたら、「自分はこういうときにへたれなんだ」と弱い部分の自分を受け入れることができるようになったのです。弱い自分をよしと思えるといろんなことが見えてきて。一人で全部やる必要はないと気づきました。
パーフェクトなんて無理だし、「ここだけはオレなかなかすごいよ」っていうの1つ2つ持っているだけでも意外とラッキーと思ってから、人生が楽になりました。
若いころは、「あいつすごい。絶対負けないぞ」と思っていたことも、今は「あの人に任せよう」と思えるようになりました。
いつも Wow! と言われなくても、自分の番は必ず来る。誰にでもちゃんと輝けるときがあるんです。
夢を支える7つのフレーズ
ここで、私が夢を追いかけながら大事にしてきた言葉を皆さんに紹介します。
1. Respect.(尊重)
いちばん大切にしている言葉です。職場で自分が関わるすべての人に尊重する気持ちがあって、さらに自分自身のことも尊重していれば、仕事は丁寧になります。
2.Be fair to others.(他人に公平に)
ちゃかさない、いじらない、ふてくされない。両親がクリスチャンだから、その教えの影響かもしれません。
3.Let’s be happy together.(みんなで楽しもう)
幸福感、高揚感は、誰かと共有することで倍増すると思います。自分が表現者としてステージに立てることに感謝し、そのステージを見てくれたお客様がハッピーになる。それは自分にとっての癒やしと活力になります。そのために稽古を積んでいます。
4.Dream doesn’t have to be very big.(夢は大きなものでなくてもいい)
小さな目標を一つ一つこなしていると、気が付いたころにはそれが全部がつながって大きなものになっています。最初から無理をしなくてもいい。
5.Go for it!(行けー!)
強く願えば、願い続ければ、夢に近づける。諦めたらおしまい。自分にリミットをかけてはいけない。 無理だと思ったときは、I need your help!(助けて!)って言えばいい。 全然恥ずかしいことじゃない。 敗北と捉えずに、いろんな人たちに知恵をもらい、助けてもらいながら夢に向かって進む。 その代わりに、そこにリスペクトの気持ちが必要なんです。
6.You have to believe in yourself.(自分を信じて)
他人は自分を諦めることができるけれど、 自分だけは自分を見捨ててはいけない 。自分を信じていれば、腐ったり、へこたれたり、自己嫌悪に陥ったとしても、自分を信じて前へ進める。たとえ今が最悪でもいつか好転するかもしれないと思えるんじゃないでしょうか。
7.I can do it.(できる)
エネルギーが湧いてくる言葉です。小さな成功の体現が喜びをもたらすのだと思います。
自分の内に I can! というエネルギーを持つ
日本とアメリカのサッカー少年の違いを見る、面白い出来事がありました。日本でコーチが「リフティング10回できる子いる?」と聞いたとき、50人中の誰も手を挙げませんでした。「隆、お前できるじゃん」と友だちに小突かれると「えー」と言いながらしぶしぶリフティングを始めると、なんと100回くらいできたのです。
一方、アメリカでコーチが Who can keep the ball up 10 times?と聞くと、20人中の全員が、Me! I can. I can I can do it! と言います。でも、コーチが OK. You!とボビーという子を指名すると、たったの3回くらいしかできなかったりするんです。 Yay! Bobby, good try! 結局、そこが大事。みんな笑いましたが、ボビーはそのときの主役でした 。
このメンタルの違いは大きいのではないでしょうか。自分の内に I can! というエネルギーを持つことができたら、夢に近づく原動力になるんじゃないかな。
私は家族、友人、恩師から心に響く言葉をたくさんもらいました。自分が励まされた言葉は、次にほかの誰かを励ます言葉になることもあります。壁を乗り越えたいときや、自分を鼓舞したいときのために、自分自身に贈りたい言葉を考えてみるのも、いいものです。
Go for it!
取材・編集:増尾美恵子 / 写真:山本高裕
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