「Otter」と「DeepL」の連携で最強の英文ライティング!「Grammarly」での添削も活用

AI技術が進化し、英文ライティングのサポートツールが豊富になってきました。特に「Otter」と「DeepL」の連携は強力。さらに「Grammarly」での添削を加えることで、まるでネイティブが書いたかのような英文が手の内に。この記事でその使い方と魅力を深掘りします。

英文ライティング、AIの力で自信を持って挑戦

リーディングやスピーキングの練習に比べると、後回しになってしまいがちなライティングですが、単なる語彙力や文法力だけでなく、表現の豊富さや、文章の構造など、総合的な語学力が求められる、非常に高度な分野だと言えます。英語の上達を目指している人ならば、常日頃からライティング力を高める勉強をしておきたいものです。

とはいえ、誰もがそんなに律儀で計画的とは限らないのが現実です。実際には、「来週までに英語で資料を準備しておかねばならなくなった」「急に取引先と英語でメールのやりとりをする必要が生じた」など、英語でのライティングが求められる場面は突然やって来ます。自分の英語力に自信がないと、突然の事態にあたふたしてしまいます。

こんなときに便利なのが、人工知能(AI)を活用した自動翻訳や自動添削ツールです。「AIを使った自動翻訳では、自然な英語にならないのではないか?」という不安を抱く人も多いと思いますが、近年は、マイクロソフトの業務ソフト・OfficeのWordにも、AIを取り入れたサービスが追加されたことからもわかるとおり、今はネイティブであったとしても、AIのサポートを参考にしてライティングを行う時代です。

AIがより読みやすい文章を指南したり、文章中の表現に対する「書き換え」候補を示したりすることは、どんどん一般的になっていきます。自分の英語力の足りない部分を補い、ライティング能力の向上を目指すために用いるならば、AIツールは強い味方だと言えるでしょう。

今回は、英語ライティングに役立つお薦めのAIツールを使って、英文ライティングに挑戦してみましょう。

「Otter」と「DeepL」連携: 英語ライティングの新しい形

以下の事例を想定して、英文ライティングに皆さんも挑戦してみましょう。

あなたは社員研修プログラムを任されているチームのメンバーであり、外国人スタッフ向けの「メンタルヘルス研修」を担当することになりました。今回の研修には、心理学者のDr. Kelly McGonigal氏をお招きして、講演をしてもらうことになっています。あなたには、今回のセミナーに関連するYouTube動画が送られてきており、告知用に内容を英語で簡単に要約する必要があります。

まずは、この動画を視聴して、内容を理解できるか確認してみましょう。

 

Otterでの英語音声文字起こしとその利点

動画の内容をどのくらい理解できましたか?英語に苦手意識がある場合であれば、要約に取り組む前に少し戸惑ってしまうかもしれません。内容の理解が曖昧なままだと、どの部分が重要なのかを判断するのは難しいですし、そもそもどう書き始めてよいのかわからないかもしれません。しかし、動画のすべての部分をディクテーションして、英語音声の文字起こしを自力で行うのは、英語上級者であってもかなりの労力がかかります。

そこで試してみたいのは、英語音声の文字起こしアプリ「Otter」です。英語会議や海外出張でのイベント、英語動画などの音声を、精度高くテキスト化してくれます。スマートフォンなどを使って、YouTube動画の音声をパソコンのマイクに近づければ、リアルタイムでテキスト化してくれます。

動画の音声がテキスト化されたら、文字起こしに不正確な部分がないかを、音声を聞きながら確認しましょう。特に固有名詞がおかしなことになっていないか、ピリオドが打たれずに1文が異常に長くなっていないかなどに気を付けるとよいでしょう。

「DeepL翻訳」: AIによる英文の強力な構築ツール

そこから、文字起こしした英文の全体の意味をざくっと把握したいときには、「DeepL翻訳」が有効です。DeepL翻訳は、独自のニューラルネットワークを使用した世界最高レベルの機械翻訳システムです。

テキスト化された文字起こしから、どの部分が要約の中心となるかを、DeepL翻訳で大まかな意味を把握しながら全体の構成を組み立てていきます。見出しと本文の大筋や、段落の流れなどを考えます。

さらに記事のリードとなる冒頭部や、各段落のつなぎの表現、結論部分など、部分ごとに足らない箇所を書き足していきます。ここでも、英語が苦手な人はDeepL翻訳を積極的に使っていきましょう。日英翻訳モードで、自分の日本語を英語へと翻訳するだけではなく、英日翻訳モードを使って、自分の英作文が意図通りにきちんと読まれるかを、DeepL翻訳でテストする使い方もよいと思います。

「Grammarly」: さらなる自然さを求めて英文を磨く

文章の下書きが出来上がったら、今度は「Grammarly」という自動添削ツールを使って、より自然な英語へと近づけるために推敲していきましょう。Grammarlyとは、機械学習とディープラーニングのアルゴリズムを駆使したライティングツールのことで、文法チェックやスペルチェック、有料版であれば盗用の検出なども自動で行ってくれます。

Grammarlyで表示される「書き換え」候補に従って、より自然で読みやすい英語表現を考えていきます。Grammarly上では、どんな読み手を想定した文章なのかを前もって設定できるのも便利な点です。文章のフォーマルさやトーンをどうするかによって、TPOに合わせたライティングが可能です。

以下が3つのAIツールを使って書いたライティングの例です。一読して、機械を通して書いたことがわかるぎこちなさを感じるでしょうか?

“Stress is bad for your health” is a common belief among people today, but this is only one aspect of stress, according to the research of “the stress-mindset effect.”

“Stress can have positive and negative effects, and often it has both at the same time.” Dr. Kelly McGonigal, a health psychologist, and lecturer at Stanford University said; we have false ideas about stress; the main one is that stress is always toxic and has negative consequences for your health and happiness.

What are the positive aspects of stress?

The first point is that as soon as we accept stress and decide to harness its energy, changes occur in our immune system, cardiovascular system, and brain, making our stress response healthier and more skillful. That is to say, it allows us to do better under pressure and connect better with others.

The second point is to understand that you don’t have to deal with stress yourself. Many people feel stress is a do-it-yourself project. People who have a bigger than self mindset realize that stress is often a signal you need to seek help. You’re feeling stressed because you need help. Sometimes your body and your brain will make you feel lonely or anxious to nudge you to connect with other people who have resources to support you.

The third point is that even if you’re going through stress, bringing out something good in you is possible. It is crucial to know that stressful situations can bring out our strengths and help us reprioritize our values, strengthen relationships, point us in a new direction. Moreover, people who believe that are more likely to access it.

To sum up, she argues that depending on how you perceive stress, your body's response to stress will change. In conclusion, stress itself is not harmful to health, depending on how you react to it.

ネイティブとAI添削後の英文、その差は?

上記の英文と、弊社のネイティブチェックを反映させた次に紹介する英文とを見比べてみてください。全体的により客観的な視点へと変更されていることが分かると思います。“according to McGonigal”、“Her first point”、“She says~”などの表現からも分かるとおり、ビデオの中でのDr. Kelly McGonigal氏の主張に対して、ネイティブチェック後の英文では、きちんと中立的な立場が守られていますね。

また、ネイティブチェック以前の文章では、彼女の語りと、彼女の発言の紹介が混在してしまっているため、少し読みづらくなっています。ネイティブチェックを反映させた文章では、このような語りの視点も整序されて、より読みやすい文章となっています。

“Stress is bad for your health” is a common belief among people today, but the negative impacts may not be inevitable, according to some research.

“Stress can have and negative effects, and often it has both at the same time” says Dr. Kelly McGonigal, a health psychologist, and lecturer at Stanford University. She believes that we have false ideas about stress, with the main one being that stress is always toxic and always has negative consequences for our health and happiness.

What are the positive aspects of stress according McGonigal?

Her first point is that as soon as we accept stress and decide to harness its energy, changes occur in our immune system, cardiovascular system and brain, making our stress response healthier and more skillful. That is to say, our attitude toward stress can allow us to do better under pressure and connect better with others.

McGonigal’s second point is that people should understand that they don’t have to deal with stress by themselves. She says that many people feel stress is a do-it-yourself project, but those who have a bigger-than-self mindset realize that stress is often a signal that they need to seek help? you’re feeling stressed because you need help. She concludes that sometimes your body and your brain will make you feel lonely or anxious to nudge you to connect with other people who have resources to support you.

Her third point is that even if you’re going through stress, it is possible for it to bring out something good in you. She says it is crucial to be aware that stressful situations can bring out our strengths and help us reprioritize our values, strengthen relationships, point us in a new direction. Moreover, people who believe that, she thinks, are more likely to access those aspects of stress.

To sum up, she argues that depending on how you perceive stress, your body’s response to stress will change. In conclusion, she believes that stress itself need not be harmful to our health, depending on how we react to it.

「ストレスは健康に悪い」というのは、現代人の共通認識ですが、ある研究結果によれば、その悪影響 は避けられないわけではありません。

健康心理学者で、スタンフォード大学の講師でもあるケリー・マクゴニガル博士は、「ストレスにはプラスの効果とマイナスの効果があり、多くの場合、その両方を同時に持っています」と言います。彼女によれば、ストレスについて間違った考えを抱いている人は多く、そのなかでも主な誤解は、ストレスは常に有害であり、健康や幸福にいつでも悪影響を及ぼすというものです。

マクゴニガル博士によると、ストレスのプラス面とは何でしょうか?

まず第1のポイントは、ストレスを受け入れ、そのエネルギーを利用しようと決心した時点で、免疫系、循環器系、そして脳に変化が起こり、私たちのストレス反応をより健康的で巧妙にしてくれるという点です。つまり、ストレスに対する私たちの態度によっては、プレッシャーを感じていてもうまくやっていけるようになったり、人との関係をうまく築けるようになったりするのです。

マクゴニガル博士は第2のポイントとして、「ストレスは一人で抱え込むものではない」と理解すべきだと挙げています。多くの人は、ストレスは自分ひとりで解消するものだと思っていますが、ストレスをひとりで抱え込まない大きな心を持っている人にとっては、それは助けを求める必要を示すサインなのです。つまり、ストレスを感じているのは、助けが必要な状況だからだということです。自分の体や脳が寂しさや不安を感じさせるのは、自分をサポートしてくれる余裕がある人たちとつながるように促すためなのだと、彼女は結論づけています。

第3のポイントは、ストレスを感じていたとしても、自分の中の良い部分が引き出されることもあるということです。彼女によれば、ストレスフルな状況は、自分の強みを引き出し、価値観の見直しや人間関係の強化が行われ、新たな方向性の提示につながるということを、意識することは重要です。さらに、そう信じている人は、そういったストレスのポジティブな側面にアクセスできる可能性が高いと、彼女は考えています。

要するに、ストレスをどのように捉えるかによって、ストレスに対する身体の反応が変わるというのが、彼女の主張です。結論としては、ストレスに対する反応の仕方次第によっては、ストレスは健康を害するわけではないと主張しています。

AIツールを駆使した英文ライティング、新たな可能性を探る

ネイティブチェックを入れた文章と比べてみるとまだまだ改善点はあるものの、AIツールを用いて書いた英文も、あながち悪くないのではないでしょうか?AIツールを用いずに執筆していたらあったであろう、細かい文法ミスやスペルミスなどは、かなり抑えることができていると思います。

機械に頼りっ放しになってしまい、自分でできる範囲のチェックなどが疎かになってしまったら本末転倒と言えますが、自分の英語力の足りない部分を補い、ライティング能力の向上を目指すために用いるならば、現代のAIツールは強い味方です。皆さんもAIツールを駆使した英文ライティングにぜひ挑戦してみてください。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

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