庭の芝生は刈らない時代に!?国際的な運動「No Mow May」って何?

夏といえば夏休み、夏休みといえば宿題、宿題といえば練習ドリル!『ENGLISH JOURNAL』9月号は、EJ史上最高難度の英語ドリルを特集します。今回はその中から「No Mow May」に関する長文を読んで六つの問題を解く、リーディング問題にチャレンジしてみましょう。

リーディング問題にチャレンジ!

Lawns: We love them, and we hate them. People love them when they are perfectly green and uniform. But few people enjoy battling weeds, or the chore of mowing every week. However, there is now an international movement called No Mow May which is changing people’s minds about what a healthy lawn looks like.

The perfect, golf-course-style lawn is actually terrible for insect diversity. A traditional lawn is a “monoculture” ? an area in which only one kind of plant grows. Grass has little or no nectar for pollinating insects like bees, butterflies and moths. These insects, and others, need a diverse range of plants and flowers for survival. No Mow May is exactly what it sounds like ? a chance to let your lawn grow for the entire month of May without mowing or weeding. That’s good for the environment, and a great way to skip out on your chores.

Lawns make up a large percentage of urban and suburban gardens. If left unmown for four weeks, it is estimated that the average lawn can produce enough nectar to support 400 bees. This is because most lawns, even the ones that appear to have only one kind of grass, still contain several wildflower species waiting to sprout. Plants like dandelions and daisies, which many gardeners think of as weeds, are amazing sources of food for bees and butterflies. Some lawns, called “super-lawns,” could even produce enough food for 4,000 bees!

So, why only May? Well, in the Northern Hemisphere, May is often the first month in which people cut their grass after the winter. No Mow May means gardeners only have to wait one extra month. This makes the idea more appealing to people who want to help the environment but don’t want to turn their lawn into a meadow. One month is a small sacrifice with big environmental benefits. However, occasional trimming is also beneficial because shorter grass supports different kinds of plants. In fact, research has shown it is best to cut your lawn once a month, or to create areas of long growth and short growth. When done artfully, these patches of tall and short grass can look quite pretty.

Sadly, a carefully manicured lawn is still considered the sign of a high-value home. But these attitudes are changing. The sooner they change, the better it will be for wildlife in our cities and suburbs.

1. What does the article say about traditional short lawns?
(A) They are difficult to keep green.
(B) They are less fashionable today.
(C) They are bad for insect diversity.
(D) They are easier to care for.

2. What is the main purpose of No Mow May?
(A) To give gardeners a break in May
(B) To help create better monocultures
(C) To save money on grass seed
(D) To create more nectar for insects

3. What does the article say about the average unmown lawn?
(A) It can feed approximately 4 bees.
(B) It can feed approximately 40 bees.
(C) It can feed approximately 400 bees.
(D) It can feed approximately 4,000 bees.

4. Why does the No Mow May movement happen in the month of May?
(A) May is often the first month for mowing grass.
(B) May is the best month for nectar production.
(C) Most young bees hatch from eggs in May.
(D) Grass grows longest in May.

5. What does the article say about tall grass versus short grass?
(A) Tall grass is always better for diversity.
(B) Short grass attracts different insects than tall grass.
(C) Tall grass is more attractive than short grass.
(D) A mix of both lengths is best for plants.

6. According to the article, why might some people resist growing longer grass?
(A) They worry that they will be stung by bees and other insects.
(B) They feel that long grass makes their house look cheap.
(C) They worry that wild animals might hide in the tall grass.
(D) They generally enjoy the task of mowing the lawn.

日本語訳

芝生:私たちは芝生を愛し、憎む。芝生が非の打ちどころがなく均一で青々としているとき、人は芝生が大好きだ。しかし、雑草との闘いや毎週の芝刈りという作業を楽しむ人はほとんどいない。ところが、今No Mow May(芝刈りなしの5月)と呼ばれる国際的な運動があり、これが健全な芝生の見た目についての人々の認識を変えつつある。

完璧な、ゴルフコース様式の芝生は、実は昆虫の多様性にとって最悪である。伝統的な芝生は「モノカルチャー」で??ただ一種の植物しか育たない区域だ。芝には、ハナバチやチョウやガといった花粉を媒介する昆虫のための花蜜がほとんどないか、全くない。これらの昆虫や他の生物は、生存のために多様な植物や花を必要とする。No Mow Mayはその名がまさに示すとおり??5月の丸1カ月間は芝刈りも草取りもせず、芝生を伸ばしておく機会のことだ。これは環境に良いし、人が面倒な作業から逃れるうってつけの方法である。

芝生は都市と郊外の庭の大きな割合を占めている。芝刈りをしない状態で4週間放っておけば、平均的な芝生は、400匹のハナバチを養うのに十分な花蜜を作り出せるとされる。なぜかというと、大半の芝生には、たとえ1 種類の草しか生えていないように見える芝生でさえ、芽吹きを待つ数種の野草が入り込んでいるからだ。タンポポやヒナギクといった植物はガーデニングをする人の多くが雑草と見なしているが、ハナバチやチョウにとっては最高の食料源だ。中には「超芝生」と呼ばれる芝生もあり、ハナバチ4000匹分の食料を作り出すことができるのだ!

では、なぜ5月だけなのか? そう、北半球では、冬が終わって5月に最初の芝刈りをするという人が多い。No Mow Mayとは、ガーデニングをする人々があと1カ月だけ待てばいいということだ。この点が、環境を守りたいけれど自分の芝生を牧草地にはしたくない人々を、よりこの考えに引き付ける。1カ月は小さな犠牲だが、環境には大きな恩恵となる。一方、時たま奇麗に刈りそろえることも有益で、短い芝はさまざまな種類の植物を養うからだ。実際、芝刈りは1カ月に1度にするか、丈の高い部分と低い部分の区域を作るのが一番良いとする研究がある。上手にやれば、高さの違う芝の区画があるととても美しく見える。

残念ながら、丁寧に刈り込まれた芝生は、いまだに価値ある家の象徴と思われている。しかしこのような考え方は変わりつつある。変化が早ければ早いほど、わが国の都市や郊外の野生生物にとって望ましい

解答と解説

1. 正解:(C)
【訳】
記事では伝統的な短い芝生についてなんと言っていますか。
(A)青々と保つのが難しい。
(B)今日ではあまりはやらない。
(C)昆虫の多様性にとって良くない。
(D)手入れがしやすい。
【解説】
第2段落1文目で、ゴルフコースのように完璧に刈り込んだ芝生は、昆虫の多様性にとっては最悪な環境であることが述べられている。よって、伝統的な短い芝生について述べられていることとしては、「昆虫の多様性にとって良くない」という(C)が正解。なお、同段落では、昆虫や他の生物が生存するためには、多様な植物や花、そしてそれらが生み出す花蜜が必要であることも説明されている。

2. 正解:(D)
【訳】
No Mow Mayの主な目的はなんですか。
(A)ガーデニングをする人が5月に休めるようにすること
(B)より良いモノカルチャーを作る手助けをすること
(C)芝の種にかけるお金を節約すること
(D)昆虫のための花蜜をより多く作ること
【解説】
No Mow Mayという国際的な運動の内容については、第2 段落後半で説明されている。「芝刈りなしの5月」という名のとおり、5 月の丸1カ月間は芝刈りや草取りをせずに芝生を伸ばしておこう、という環境保全活動だ。このNo Mow May の主な目的は、同段落前半で述べられた「花粉媒介昆虫のための花蜜がない状況の改善」なので、これに一致する(D)の「昆虫のための花蜜をより多く作ること」が正解である。

3. 正解:(C)
【訳】
記事では芝刈りをしない平均的な芝生についてなんと言っていますか。
(A)約4匹のハナバチを養うことができる。
(B)約40匹のハナバチを養うことができる。
(C)約400匹のハナバチを養うことができる。
(D)約4000匹のハナバチを養うことができる。
【解説】
第3段落2文目に、平均的な芝生は4週間芝刈りをせずに放置すると、400匹のハナバチを養うのに十分な花蜜を作り出すことができるとある。これに合致するのは(C)の「約400匹のハナバチを養うことができる」である。ちなみに、花蜜を作り出すのは芝生自体ではなく、芝生に入り込んだタンポポやヒナギクといった植物であることが同段落で説明されている。

4. 正解:(A)
【訳】
No Mow May運動はなぜ5月に行われますか。
(A)5月はほとんどの場合、芝を刈る最初の月だから。
(B)5月は花蜜の生産に最も適した月だから。
(C)ほとんどのハナバチが5月に卵からかえるから。
(D)芝が最も伸びるのが5月だから。
【解説】
第4段落2文目によると、北半球限定の話だと断りを入れつつ、5月は冬が終わって人々が最初に芝を刈ることが多い月であると説明されている。No Mow May 運動は、あと1カ月だけ芝刈りを待つだけで環境を守れるという手軽さをアピールすることが狙いだ。よって、この運動が5月に行われる理由としては、(A)の「5月はほとんどの場合、芝を刈る最初の月だから」が正解。

5. 正解:(D)
【訳】
記事では丈の高い芝と低い芝の対比についてなんと言っていますか。
(A)丈の高い芝の方が多様性にとって常に良い。
(B)丈の低い芝は高い芝とは別の昆虫を引き寄せる。
(C)丈の高い芝は低い芝より魅力的だ。
(D)高さの違う芝の混合が植物にとって最適だ。
【解説】
第4段落終盤に、環境に良い芝生の管理方法に関する研究への言及がある。その研究によると一番良い管理方法の一つは、芝刈りを1カ月に1度にすること。そしてもう一つは、芝生に丈の高い部分と低い部分の区画を作ることだとされている。この後者を受けた(D)の「高さの違う芝の混合が植物にとって最適だ」が正解。

6. 正解:(B)
【訳】
記事によると、芝を伸ばすことに抵抗を感じる人がいるのはなぜですか。
(A)ハナバチなどの昆虫に刺されるのではないかと心配だから。
(B)伸びた芝のせいで自分の家が安っぽく見えると感じるから。
(C)野生生物が丈の高い芝の中に潜むことが心配だから。
(D)基本的に、芝刈りという作業を楽しんでいるから。
【解説】
最終段落では、丁寧に刈り込まれた芝生が価値ある家の象徴だという考え方が根強いことが述べられている。これは、芝刈りを控えることを提唱するNo Mow May 運動への抵抗につながると考えられる。よって、正解は(B)の「伸びた芝のせいで自分の家が安っぽく見えると感じるから」。

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