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苦手な時制がわかった!A4で英会話のテンプレが身に付くトレーニング本【ブックレビュー】

苦手な時制がわかった!A4で英会話のテンプレが身に付くトレーニング本【ブックレビュー】

話題の英会話トレーニング本『A4一枚英語勉強法』のご紹介。ネットでもリアル書店でも大人気の本書ですが、どんな本なのでしょう?早速チェック!

Amazonのさまざまなカテゴリでランキング入り!

この『A4一枚英語勉強法』は、2021年1月発売。発売直後から、本屋さんで平積みになっているのをよく見かけるようになりました。

そして今では、Amazonのさまざまなカテゴリで上位にランクイン!英語の「学習法」や「単語・熟語」、さらには「英文法・語法」や「ビジネス英語一般」といったジャンルでも上位に入っています。

ベストセラーになる英語本はいろいろありますが、これだけ多くのジャンルで支持されているものはなかなかめずらしいのでは。一体どんな本なのでしょう?

ホントにA4×1枚でいいの?

本書をめくると、本文が始まる前に、タイトル通りにA4サイズのシートがとじ込まれています。

こちらの画像は、このA4用紙の使い方を示したもの。シートそのものは実際にはカラーで、表にも裏にも英語に関する情報がびっしり記載されています。

誌面

パーツA、B、C、Dの4つに分かれているのは、表面も裏面も同じで、次のようになっています。

  • パーツA 4つの時制の練習ドリル
  • パーツB 表面:グループ化した動詞/裏面:形容詞
  • パーツC 前に付け足すもの
  • パーツD 後に付け足すもの

よく見るとわかりますが、パーツAとBを組み合わせるだけで、ごく基本的な文が作れます。

表面なら、こんな感じですね。

I’m going to go home.

家に帰るつもりだ。

裏面なら、こんな感じ。

He’s hungry.

彼はお腹が空いている。

さらに、パーツCの「前に付け足すもの」も使えば、こんなことも言えるように。

I’m glad it's raining.

雨が降っていてよかった。

基本の文、It’s raining. の前に、I’m glad (~でよかった)を付けたしたのですね。

このやり方をマスターすれば、まったく反対のことも言えるようになります。

It’s too bad it's raining.

雨が降っていて残念。

なんだか、ずいぶんいろいろ表現できるようになったと思いませんか?

パーツDの「後に付け足すもの」も使ってみましょう。パーツDは次の3つに分類されています。

①形容詞

with名詞

③動詞ing

基本の文の後にこれらのパーツをくっつけるだけで、ネイティブが使うような自然な言い回しができるようになるそう。本書ではこれを「奇跡の応用」と呼んでいます。

例えば、こんな基本の文があるとして・・・。

He came home.

彼は帰ってきた。

この文のあとに、①の「形容詞」hungryを足すとこうなります。

He came home hungry.

彼はお腹を空かせて帰ってきた。

これだけでいいんですね!ぐっと具体的なことが言えるようになりました。

②の「with名詞」の例を応用すると、こんなことも言えます。

He came home with a headache.

彼は帰ってきたとき頭が痛かった。

これは、「帰ってきたときたまたま頭痛だった」という意味でも、「彼は頭痛だったので帰ってきた」と、頭痛と帰ってきたこととの間に因果関係がある場合でも、どちらでも使えます。

さらに、③の「動詞ing」を使うとどうなるでしょう?

He came home crying.

彼は泣きながら帰ってきた。

この「彼」は小学1年生くらいでしょうかね・・・?

ともあれ、確かにA4シートに従って練習するだけで、表現の幅がかなり広がりましたね。情景が目に浮かぶような、ドラマチックな文になりました。しかも、難しい英文法の知識はまったく使っていません。

このシート、確かにすごいですね!

現在形と現在進行形はどう違う?

本書によれば、自然な英語表現をするには「時制の使い分け」がとても重要なのだそう。パーツAは、時制を次の4つに分類しています。

  • 普段していること・習慣(現在形)
  • 今している最中・一時的なこと(現在進行形)
  • 過去(過去形)
  • 未来(未来系)

「この4種類の時制をしっかりと体得することが英語で考えられるようになる第一歩」とのこと。確かに英語を話そうとしたとき、「ここは現在形?いや現在進行形かな?」と迷っていては先へ進めませんね。

その点、本書は時制の説明がとてもわかりやすいのです!

現在形が表すのは「普段していること・習慣」。「今、現在のこと」ではないのですね。「それなら、現在形って言わなきゃいいのに」と、ちょっと思ってしまいます・・・。

例としてはこんな感じ。

I wear makeup.

これは現在形ですね。現在形だと「普段化粧をしている」という意味で、その人が今お化粧をしているか、素顔かはまったく関係がありません。

お風呂上りなどに素顔のまま、「私、毎朝お化粧しているわよ」というニュアンスでこう言っても全然おかしくないわけです。

一方、現在進行形は「今している最中のこと」を表します。例えば・・・。

I′m wearing makeup.

「今この時点でお化粧をしている」という意味になるので、この発言をしている人は、きっときれいにメイクアップしているはず。素顔の人がこう言ったら、それは間違いということになります。

これならスッキリ!イメージがスッと頭に浮かぶような、とてもわかりやすい説明ですね。

2つのステップでどんどん話せる!

時制の違いを理解したら、続いてはどんどん口に出して言ってみる練習です。

英語で何かを言いたいときは、次の2つのステップを踏めばOK!

Step1 時制を選ぶ(4択問題)

Step2 肯定、否定、疑問のどれかを選ぶ(3択問題)

「たったこれだけ?」と思うかもしれませんが、これがかなり有効なんですよ。試しに、英語で「私は昇格できなさそう」と言ってみましょう。

「『~しそう』はseem to、『できない』はnot be able toで・・・」などと、あれこれ考える必要はありません。

時制は?→未来

肯定?否定?疑問?→否定

こう考えてパーツAから未来系の否定文 I'm not going toを選び、パーツBからget promotedを選ぶと次のようになります。

I’m not going to get promoted.

私は昇格できなさそう。

ホントに2ステップでできました。これなら簡単ですね!

このやり方だと、あれこれ考えることなく、どんどん英語で表現できるようになります。

Q.「今夜は帰らない」は?

時制は?→未来

否定?肯定?疑問?→否定
だから英文は?→I’m not going to go home.

Q.「昨日は帰っていない」は?

時制は?→過去

否定?肯定?疑問?→否定
だから英文は?→I didn’t go home.

ちょっと紛らわしい表現の使い分けも、これならバッチリ! 

Q.「明日は5時起き」は?

時制は?→未来

否定?肯定?疑問?→肯定
だから英文は?→I′m going to get up at 5.

Q.「普段は5時起き」は?

時制は?→普段

否定?肯定?疑問?→肯定
だから英文は?→I get up at 5.

この2ステップだと、あれこれ考える間もなく、スッと英語が出てくる感じがしませんか?

日本語だと、「明日は5時起き」と「普段は5時起き」では、時制の使い分けがありません。そのため、英語にするときもつい迷ってしまいそうですが、この2ステップなら、迷う前に英語が出てきます。

まとめ

本書の目的は、日本語を英語に訳して話すのではなく、英語のテンプレートを自分の中に作ること。そのための道具はA4シート1枚と至ってシンプルですが、それだけに理解しやすく、何回も繰り返すのも苦になりません。声に出せば出すほど、その英文のニュアンスみたいなものが染み込んでくる感じがします。

このトレーニングを続けていけば、自分が言いたいことをどんどん英語で表現できるようになりそう。さすが、ベストセラーになっているだけのことはありますね!

ゼロから英語をやり直したい方、また、単語やフレーズをたくさん覚えたけれど、言いたいことを自由に言えないという方は、ぜひ試してみてください。

 

ENGLISH JOURNAL ONLINE 編集部

尾野七青子都内某所で働く初老のOL兼ライター。