人気復活の兆し!「レコード盤」って英語でなんて言う?【ニュースな英語】

低迷していたレコード人気が最近になり復活しつつあるのをご存じでしょうか?レコードで新曲やアルバムを発売するアーティストも相次いでいます。ということで、今回は「レコード盤」を意味する英単語をご紹介。

今回のニュースな英語

vinyl
『ENGLISH JOURNAL』2021年5月号では、同誌の誕生50周年を記念して、70年代から90年代までの名曲を振り返る特集が組まれています。もうお読みになりましたか?

『ENGLISH JOURNAL』が生まれた70年代は、音楽を聴くというと主にレコード盤でした。その後アメリカでは1986年、イギリスでは1987年にそれぞれ、CDが主流になり、レコードは「過去の音楽メディア」とみなされた時期もありました。

ところが最近、レコード盤が復活の兆しを見せています。

アメリカでは2020年に、レコード盤の 売上 高がCDを上回りました。そして今年はイギリスでも上回るだろう・・・との 予測 がニュースになっています。

ということで今回の「ニュースな英語」では、「レコード盤」を意味する単語vinylを取り上げます。

背景

レコード盤が人気復活という話は数年前から報じられており、「Vinyl Revival 」(レコード盤の復活)と表現されています。30年以上の時をへてなぜ今、レコード盤が売れるようになったのでしょうか!?

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、これまでのようにコンサートに行けなくなり、浮いたお金をレコード盤収集に当てているから、というのが理由の一つとみられています。

また、現在は音楽といえばストリーミングが主流ですが、「現物」を手に入れたいというファン心理や、アルバム・ジャケットがかっこいいという理由も、レコードの売り上げを押し上げている要因のようです。もちろんCDにもジャケットは付いていますが、大きなレコードのLP盤ジャケットは、アート感たっぷりですよね。

ところで、日本語では「レコード」と呼ばれますが、英語ではrecordではなくvinyl record、もしくは単にvinylといいます。発音は「ヴァイナル」です。

vinylはビニール・・・つまり軟質プラスチックのことですが、日本語でビニールと称されるもの(例えばビニール傘やビニール袋)は、英語の場合はvinylではなくplasticと表現することが多いので(例えばplastic umbrellaやplastic bag)、気を付けてくださいね。vinylといった場合、一般的にはレコードを指します。

どんなふうに使われている?

復活したレコード盤、今はどんな作品が売れているのでしょうか?イギリスの ガーディアン 紙は、こう報じています。

The number of vinyl records sold, led by classics such as Fleetwood Mac’s Rumours alongside new releases from Harry Styles and Kylie Minogue, also hit a three-decade high of 4.8m last year.レコード盤の販売数は昨年、フリートウッド・マックの『噂』といった定番作品や、ハリー・スタイルズやカイリー・ミノーグの新作がけん引し、30年間で最多となる480万枚に達した。
www.theguardian.com

ここに出てくるclassicsは、「定番」や(古くから残り続けている)「名作」などを意味する名詞classicの複数形です。クラシック音楽ではありませんので気を付けてくださいね。

レコード盤が人気の理由について、英国レコード産業協会(BPI)はイギリスの新聞 インディペンデント 紙に対し、こんなふうに 分析 しました。

The immediacy and convenience of streaming make it the go- to audio format for most of our listening, but more and more fans choose to get closer to their favourite artists and albums on vinyl. すぐに 聴けることや便利さから、音楽鑑賞でいちばん愛用されている音楽フォーマットはストリーミングだが、お気に入りのアーティストやアルバムに親しむためにレコード盤を選ぶファンが増えている。
www.independent.co.uk

日本ではgo- to と冠したキャンペーンが 展開 されましたが、この記事で使われているgo- to が本来の英語での正しい使い方です。「いざというときに頼りになる」という意味があります。

まとめ

今回は、デジタルの時代にあえてアナログのレコード盤の人気が復活しているというニュースを取り上げました。

かつてレコードを聞いていた世代が買っているのかな?と思ってしまうところですが、購買者層は20代が中心という調査結果もあります。昨年最も売れた作品を聞くと、確かにそう言えそうです。

音楽業界のニュースサイト、 ミュージック・ビジネス・ワールドワイド によると、2020年にアメリカでもっとも売れたレコード盤は、ハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』、次にビリー・アイリッシュの『When We All Fall Asleep Where Do We Go?でした。

★ニュース英語を学ぶためのおススメ参考書3選はこちら!
▼冒頭で紹介した『ENGLISH JOURNAL』2021年5月号

松丸さとみ フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に 『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 (日経BP)、 『限界を乗り超える最強の心身』 (CCCメディアハウス)、 『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』 (サンマーク出版)などがある。
Blog: https://sat-mat.blogspot.jp/
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