桂三輝流「落語」のように一人会話する、シンプルで効果的な英語勉強法とは?

英語落語

写真:田村 充

落語家の桂三輝(かつら・さんしゃいん)さんはカナダ出身のネイティブスピーカーですが、今では私たち日本人よりも日本の文化や作法に詳しいかもしれません。もちろん日本語も流ちょうで、「サンシャインさんって英語が上手なんですね」と母語が日本語だと勘違いされるほど!連載2回目は、語学の達人でもある桂三輝さんに「効果的な、外国語の学び方」を教えていただきます。

▼連載1回目はこちら

桂三輝流、外国語の学び方とは?

私は外国語を習得するなら、その国に行くのがいちばんだと思っています。でも、そう簡単に海外に勉強をしに行くことは難しいですよね。日本で外国語を習得するなら、とにかく「楽しく勉強を続けていく」ことが大切です。語学は楽しまないと絶対続きません。今回は私がやってきた、楽しく効果的に勉強する方法をご紹介します。

会話、歌や詩などの丸暗記は大変だけど効果的!

私は以前、日本語以外にも、フランス語、スペイン語、ロシア語、イタリア語、ギリシャ語を学んだことがあります。今は、中国語で落語をするために、中国語を勉強しています。いや~、中国語は難しいです。でも新しい言葉を学ぶことは、すごく楽しいですね!

私が新しい外国語を勉強するとき、まず初めににやる重要なことは、詩などに出てくる応用の利くフレーズを選んで、丸暗記することです。これは、詩じゃなくても何でもOKです。好きなアーティストの歌詞でも、ドラマとかのワンシーンでもいいんです。

とにかく丸暗記。これ、最初はちょっと大変だけど、 私の経験上、悪くないですよ。覚えたフレーズをそのまま、あるいは単語を入れ替えて使えるし、文法も基本のボキャブラリーも全部フレーズに入っているから、文の構造がわかるようになって、本当にためになります。それらしく話せる気分にもなれるから自信につながると思います。

例えば、画家ピカソの本名を暗記したこともあります。

Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno María de los Remedios Crispiniano de la Santísima Trinidad Ruiz y Picasso

パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ 

こんなことが言えたら、ネタとしても面白いでしょ?

一人会話はいつでも話し放題!

一人で会話をやってみる。これも結構いいんですよ。なんだか落語の練習みたいになるけど(笑)。会話の内容は、例えば、次はこんなこと話せるようになりたいなと思うテーマで、一人で会話をしてみるんです。私はブツブツ、一人で日本語を話しながら日本語を覚えていきました。場所を選ばないと、たまに変な人だと思われちゃうので注意が必要ですけれどね(笑)。

会話というのは、インプットとアウトプット、両方の能力がないと実際に話すことはできません。とにかく自分の言葉で話す、表現するという訓練が必要です。

話す内容は、頭の中に浮かんだ言葉や感情を英語で表現してみるのが有効だと考えています。私の一人会話勉強法は、いつでも何時間でも自分の好きなときにできますし、少なくともアウトプットの量を増やすことはできます。

例えば、次のような感じで一人会話をします。

おなか空いたなぁ。何食べようか?
I feel hungry. What am I gonna eat?

うどん・・・昨日食べたしな。
Udon ... I ate it yesterday too.

野菜も取らないとな。
I need to eat more greens.

桂三輝さんの落語で楽しく英語学習

古典的な落語の噺(はなし)の「寿限無(じゅげむ)」は、最初は言うだけでも本当に大変でした。でも、練習を重ねていくに連れてだんだん速く言えるようになるんですよ。

何度も練習してスピードを上げていき、イントネーションなどは、日本人の友達や落語の先輩方に細かい部分を直してもらいながら、皆さんに披露できるまでに仕上げました。

今は日本人の小学生にも負けないスピードで、寿限無を言える自信があります!練習の成果を次の動画でご覧ください。

小噺:寿限無(再生時間:3分12秒)

英語版「寿限無」!?音や暗記で遊ぶ歌

寿限無みたいな落語とはちょっと違うけど、言葉遊びということであれば、英語でもあります。例えば、ディズニー映画『メリーポピンズ』の歌とか、子ども向けの遊び歌とかが有名かな。
 
その言葉を使う国の文化に触れながら音や響きで英語の単語や口の使い方に慣れていくことができるから、楽しみながら勉強という意味でよいと思います。

Supercalifragilisticexpialidocious(再生時間:3分02秒)

It's supercalifragilisticexpialidocious
Even though the sound of it is something quite atrocious
If you say it loud enough, you'll always sound precocious
Supercalifragilisticexpialidocious
Um diddle diddle, diddle um, diddle ay x4

スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
それは、ただの音で、ひどい響きけれど
もし、君がはっきり言えるなら、いつだって賢く見えるよ!

John Jacob Jingleheimer Schmidt(再生時間:2分9秒)

John Jacob Jingleheimer Schmidt,
His name is my name too.
Whenever we go out,
The people always shout,
There goes John Jacob Jingleheimer Schmidt.
Dah dah dah dah, dah dah dah

ジョン・ジェイコブ・ジングルハイマー・シュミット
彼の名前は僕と一緒だよ
お出掛けするときはいつでも
皆が叫ぶんだ
ジョン・ジェイコブ・ジングルハイマー・シュミット

千里の道も一歩からという言葉もあるように、英語の勉強を少しずつでも頑張りましょう。私の英語落語も、皆さんの英語学習に少しでもお役に立てたらうれしい限りです!

桂三輝さんの本

笑いながら、楽しみながら、聞いたり読んだりして英語を身に付ける本、発売中! 各噺の中のビジネスや日常で役立つ「表現」「文法」「話術」を例文付きで、丁寧に解説しています。

【音声DL】桂三輝の英語落語

【音声DL】桂三輝の英語落語

 

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桂三輝(かつら・さんしゃいん)

桂三輝(かつら・さんしゃいん)プロフィール
能と歌舞伎に興味を抱き、1999年に来日。2003年からアコーディオン漫談や英語落語の活動を始める。’07年に大阪芸術大学大学院芸術研究科に入学し、落語を研究。’08年、桂三枝(現・六代目桂文枝)に弟子入りし桂三輝と命名される。’13年、在日本カナダ商工会議所文化大使に就任し、北米ツアーを開催。’14年からワールド・ツアーを開始、13カ国を巡る。アフリカツアーも果たし、世界5大陸を制覇。’15年、日本スロべニア親善大使に就任。’19年にはニューヨークの歴史あるオフ・ブロードウェイにある劇場、ニュー・ワールド・ステージにて初めてとなる落語のロングラン公演。さらに、英語、フランス語を使ったワールドツアーを開始し、これまで5大陸15カ国で講演を行い、日本の伝統文化を世界に発信している。YouTubeチャンネル

写真:田村 充、取材・文:塚原 朋子