オーストラリアの大学院で開発学を学んだ「ちーや」さんが、英語とポジティブに向き合うコツを紹介します。第2回は「オーストラリア英語に慣れる方法」です。
アメリカ英語を学んでオーストラリアに渡ると・・・
どうもこんにちは、ちーやです!
「英語」と一言で言っても地域によって使われる英語表現やアクセントはそれぞれです。その中でも特にオーストラリア英語は他の国とは異なる特徴があります。
受験でアメリカ英語に慣れていた僕は、オーストラリアに留学当初、「エイゴ、ワカラナイ」が止まりませんでした。
今回は、オーストラリア特有の表現やアクセント、そして発音に慣れるために僕がしたことを紹介します!
▼前回はこちら↓
gotcha.alc.co.jp「死ぬために一緒に夕食」?!発音の特徴を理解する
オーストラリア英語が他の国の英語と大きく異なるのは、発音。特にA(エイ)の発音がI(アイ)になることで起こる勘違いは、オーストラリア留学ではすごくあるあるです。
今でも忘れられない留学初日。初めての異国の地でうきうきしていた僕は、ホストマザーと初めて出会ったときに掛けてもらった言葉に衝撃を受けました。
You're going to have dinner with us today, OK?
今日は一緒に夕食を食べるわよ。
文章にするとなんてことない普通の英語ですが、僕にはこのように聞こえていました。
You're going to have dinner with us “TO DIE”, OK?
一緒に夕食を食べるわよ、死ぬために。
A(エイ)の発音がI(アイ) になったことで「today(トゥディ)」が「トゥダイ」に変化し、「 to die」に聞こえました。人生において開いた口がふさがらなかったり、あぜんとしたりすることはそうないと思います。でも、僕はオーストラリアで人生初めて、直立姿勢で10秒ほど真顔で静止しました。
todayの他にも「name(ネイム)」が「ナイム」、「make(メイク)」が「マイク」に変化するなど、中学校で習うような英単語すらも未知のものに聞こえてしまい、最初は慣れるのにすごく苦労しました。
この他にも、 文末のR発音が消えてA(ア)の発音で終わる 、例えば「burger(バーガー)」が「バーガ」、「here(ヒアー)」が「ヒーア」になるなども特徴的です(これはイギリス英語でも同じです)。
オーストラリア英語の発音は聞き取りが難しい部分もあるのですが、そのほとんどは パターンが決まっていて 、そんなに多くもありません。そのため、どのように音が変化するのかを知っておくと、理解できる範囲を大きく広げられます。
「choccy biccy」って何?!スラングなどの表現を覚える
オーストラリア英語は発音の他にも、オーストラリアでしか使われないスラング(口語表現)があります。
例えば、 「choccy(チョッキー)」は「chocolate=チョコレート」 の意味で割と耳にしますし、 「biccy(ビッキー)」も「biscuit=ビスケット」 の意味でよく使われます。こうした単語は、知らなければ聞き取ることができません。
以前カフェで働いているときに、お客さんからこう言われたことがあります。
Can I please get the CHOCCY BICCY in that jar?
あの瓶に入っているチョコレートビスケットを頂けますか?
このスラングの意味を知らなかった僕は、全く理解できず、カフェのボスに聞いて初めて分かりました・・・。
英語力が高い人でも、スラングや英語表現を知らなければ相手の言っていることは理解できないので、会話はそこで途切れてしまいます。
オーストラリアには特有のスラングが比較的たくさんあります。しかし、発音と同様、 日常の中で使用されるものはほぼ決まっている ので、ある程度覚えておけばそんなには困りません。
特に シドニーやメルボルンなどの都市部では、スラングを使うことが少なく なってきています。クイーンズランド州などの北の地域や内陸など、いわゆる田舎に行かなければ、耳にする頻度もそんなに多くはありません。
もちろん、スラングはある程度は覚えておく必要がありますが、あらかじめ暗記しようとするよりも、 「新しく出合ったら、その都度調べる」方が効率的 なように思います。
日本でもできる!オーストラリア英語の発音に慣れる方法
オーストラリア英語は、発音や単語が独特なことから、 文章になったときのイントネーションやアクセント もイギリス英語やアメリカ英語とは異なる場合があります。
単語や語句のつながりの部分で リエゾンによって音がつながったり 、あるはずの音が リダクションによって抜け落ちたり することもよくあり、僕も最初はそこで大きくつまずきました。
そこで僕がやっていたのは、 YouTubeを使ってオーストラリア英語を実際に発音する こと。
オーストラリア人が運営しているYouTubeチャンネルが最近増えていて、僕は留学当初、気になるトピックの動画を選んで シャドーイング していました。
シャドーイングを行うと、下記7つの効果があります。
シャドーイングが英語力にもたらす学習効果
リスニング力が圧倒的に伸びる
スピーキング力が上達する
リーディングスピードが飛躍する
ライティング力が爆発的に伸びる
発音がきれいになり、英語が伝わる
イントネーションやアクセントが身に付く
使える英語表現が爆増する
シャドーイングは英語を耳で聞いて実際に発音する学習法なので、リスニングやスピーキングの力が伸びるのはもちろんのこと、リーディングやライティングのスキルも同時に伸ばす効果があります。
僕が実際に行っていたシャドーイングの効果的なやり方は下記4ステップです。
シャドーイングの4つの学習ステップ
「聞き取れない部分だけ」シャドーイング するのがポイント。
「人は自分の耳で聞けることは実際に話すことができる」と言われており、言い換えると、聞き取れない部分は実際に話すことができないということです。聞き取れない部分だけを重点的に実際に言うことで、聞き取れる英語の範囲を拡大できるのです。
正直な話、オーストラリアに留学したからといって、終始オーストラリア英語に触れられるわけではありません。語学学校の先生はイギリス英語を話す人が多く、留学当初はオーストラリア人の友達をつくるのもかなり難しいものです。
YouTubeを使えば、好きな時間に好きなトピックでオーストラリア英語を勉強できるので、留学当初は特におすすめです!
僕がよく視聴していたYouTuberのチャンネルは「Aussie English」です。
www.youtube.com記憶に定着させる!積極的に外に出て、実際に使おう
僕の場合は、家にこもってシャドーイングだけしていても現実味が湧きませんでした。そこで、好きな カフェに出掛けて、店員さんに その日に習った単語や英語表現、そしてアクセントを使って話すようにしていました。
シャドーイングだけでももちろん効果はあるのですが、 実際に会話の中で使うと 、「あ、あの人とこんな会話でこの単語使ったなあ」という体験ができて、 忘れにくく なります。アクセントの位置が間違っていたら、丁寧に 教えてもらえる こともありました。
オーストラリアに留学していない人でも、 オンライン英会話 を使えばオーストラリア人の先生と好きなだけ会話ができます。留学前に練習しておくと、実際に渡航した後の英語力の伸びは圧倒的に違ってくると思います。
オーストラリアへの留学や旅行を控えている人は、ぜひ試してみてください。
オーストラリア英語は必ず「ワカル」ようになる
最初は慣れない発音や英語表現、アクセントに苦しむ人も多いと思いますが、オーストラリア英語の 発音パターンや日常の中で頻繁に登場するスラング を知っているだけで、聞き取れる幅は大きく広がります。 シャドーイングを通して重点的にリスニング力を高める ことで、理解できる内容もかなり増えていきます。
「オーストラリア英語はかなり特殊」と言われることが多いのですが、関西弁や九州弁、東北弁も日本語であるように、オーストラリア英語もまた、英語です。
英語の基礎を徹底して学習した後であれば、オーストラリア英語は十分に「ワカル」ようになります。また、身に付いた英語のアクセントは、自分の個性にもなります。
今回紹介した方法で、オーストラリア英語に慣れてみてはいかがでしょうか。
Twitter: @ChiyaMelbourne /英語学習サイト「ゼロ英語」: https://chiya-eng.com/
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