子供の頃の夏休みの宿題といったら「日記」を思い出す人も多いかもしれません。毎日しっかり書けていた人も、書けずにためこんで最終的にまとめて書いてしまった人も、この夏は「英語で日記」に挑戦してみるのはいかがでしょうか?
「英語日記」を書いてみよう!
日本語でもなかなか続けることが難しい「日記」。これなら続けられそう!と思ってお気に入りの日記帳を買ってみたものの、いつからかページが真っ白に・・・という苦い経験をされた方も多いのではないでしょうか。まずは「毎日書かなくてもOK!」と緩く目標を設定して、自分の好きなときに英語で日記を書いてみてください。毎日は難しくても、とにかく続けることが大切です。日記を書くことが嫌いになってしまわないよう、楽しみながら習慣化させましょう!
英語で日記を書くメリット
英語で日記を書くメリットは、 ①毎日英語に触れる習慣ができる、②自分に関わる語彙・表現が増える、③書くことで頭に定着し、会話の際に表現が口から出てきやすい、④脳の英語アンテナが敏感になる 、など数多くあります。
英語日記歴30年の私が特に続けてよかったと感じるのは、生活の中で英語を常に意識するようになったこと。そして、書き始めた頃からこれまでの成長を見られることです。文法ミスや間違った単語の使い方が減り、こなれた表現が増えていく様子が5年連用日記帳から見て取れます。また、特別な出来事はもちろん、何げない日常までも思い出すことができるのは日記に書き留めておいたからこそ。そんな日記は人生の宝物です。
そもそも 日記が苦手。どうすればいい?"> そもそも 日記が苦手。どうすればいい?
日本語でも続かないのに英語で日記なんて無理・・・という人は、「特別な話題でないといけない」「正確な英語でないといけない」「毎日書かないといけない」などと自らハードルを上げていませんか?まずはそういった “ have to ”を取り去り、「これなら続けられそう」という自分なりのルールで 取り組む ことをおすすめ します。長く書くのが苦手なら、数行だけにする。人に見せるわけではないので英語の正誤は気にしない。毎日書くのが大変なら書きたいことがある日だけ書く、あるいは週末に1週間を振り返ってまとめて書くなど、長く継続することを目指しましょう。
それでも 書くことに困ったら、気になった表現を調べて書き写す、ほかの人の日記例の内容を入れ替えて自分の日記として書く、といったシンプルで 取り組み やすいことから始めてみる といいですね。参考にしながら書くことで英文の構造が見えてきます。自分の行動や考えを頭で 整理 し、それを英語で表現するよい練習になります。
また、 余裕がある人は日記だけでなく、その月ごとの目標を立てて月末に振り返る ということもしてみてください。「自分がどうなりたいか」「何を達成したいか」という目標を言語化し、そのゴールを意識して過ごすことで目標達成に近づくことができます。目標が達成できなかったとしても、その1カ月を自分がどう過ごしたか、何を考えていたのか振り返って 整理する ことで、翌月以降に生かすことができます。
「自分を伝える」力を鍛える
英語日記はライティング力が身に付くだけでなく、スピーキング力の向上にも役立ちます 。聞けばわかる英語でも会話で口を突いて出てこないのは、英語で伝える練習が足りていないから。日本人は「受信型(読む・聞く)」の練習が主で、「発信型(書く・話す)」の学習量が圧倒的に 少ない のが現状です。 コミュニケーションの基本となる「自分を伝えること」は、日記を書くこと、それを声に出して読む練習を習慣にすることで鍛えられます 。
また、自分の弱点や必要な勉強法も見えてきます。例えば、英文を書くときの語順で迷うなら構文や文法学習を取り入れ、表現力が乏しければフレーズ集を参考にしてみましょう。英語で日記を書くと、使った表現に似た言葉を見聞きしたときに脳が反応しやすくなるのも事実です。脳がキャッチした英語表現を日記に反映し、弱点を補っていくことで英語力が着実に上がっていきます。
周囲に英語がわかる人がいれば、書いた日記をチェックしてもらうと短期での上達が見込めます。 ネイティブによる日記添削サービスや、言語を教え合う相互学習アプリなどを活用する のもいいでしょう。SNSで世界中の人と気軽につながれる今、TwitterやInstagramなどで日記を公開するのも一つの手です。人に読まれる かもしれない という緊張感が、真剣に勉強する手助けになることもあります。誰かからコメントがもらえたらモチベーションも上がりますね!どのような方法であれ、まずは書いてみること。そこから広がっていく世界をぜひ楽しんでください。
英語日記で使える表現リスト
英語日記を書く際に役立ちそうな語句・表現をリストにまとめました。ぜひ活用してください。
イベント
- 温泉旅行 hot spring trip
- 忘年会 year-end party
- 花火大会 fireworks display
- 紅葉狩り autumn- colored leaf viewing
- 引っ越し moving
趣味
- ジムに通うこと going to the gym
- ゴルフの練習 practicing golf
- 生け花 flower arranging
- 海外ドラマ鑑賞 watching a foreign drama
- 写真撮影 taking photos
学校・仕事
- レポートを 提出する turn in one’s report
- 期末試験 finals
- 面接を受ける have an interview
- 締め切り deadline
- 1日有給休暇を取る take a day off
感情を表す
- 最高に幸せだ couldn’t be happier
- 盛り上がっている be a blast
- 泣きたい気分 feel like crying
- むかつく get irritated
- 不安で眠れない be too nervous to sleep
特集「日記のプロが教える英語習慣の作り方」をEJ9月号でチェック!
※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年9月号に掲載している記事を再編集したものです。石原真弓(いしはら まゆみ) 英語学習スタイリスト。高校卒業後アメリカに留学。コミュニティ・カレッジ卒業後、通訳に従事。帰国後は英会話を教える傍ら、執筆やメディア出演、スピーチコンテスト審査員、講演など幅広く活躍。英語日記や英語手帳、英語ツイッターなど、身の回りのことを英語で発信する学習法を提案し続けている。主な著書に、『 英語日記ドリル[Complete] 』『 英語日記ドリル[Plus] 』(いずれもアルク)、「ディズニーの英語」シリーズ(KADOKAWA) など。
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
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SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。