車の室内、フロントガラスの中央上部に鎮座するバックミラーといえば、ドライバーが後方を安全確認するためのものと、自動車教習所で教わったような気がします。でも、このバックミラーが作られた本来の目的は別にあったのです。
空のカップを使うスピード競技
タクシーに乗ったときに、バックミラー越しにドライバーと目があってしまうことってありません?思わず目をそらしたり、バックミラーに映らない場所に腰をずらしてみたり。
車のバックミラーといえば、ドライバーが後方の安全確認のために使うものだと思っていましたが、その歴史をたどってみると、別の理由で生まれたようなのです。
- Why did Ray Rarroun use a reaview mirror?
(A) To check on his children
(B) To win a race
(C) To enjoy scenery
(D) To reduce costs
- What did Elmer Berger call the mirror he invented?
(A) The drive assistant
(B) The movable mirror
(C) The cop spotter
(D) The speed detector
Cars were in use for over 30 years before the rear- view mirror became common . I guess people just swerved and hoped for the best. In fact , the first use of the rear- view mirror wasn’t even for safety. It was just a way for a driver to go extra fast.車ができた当初はスピードもそれほど出なかったでしょうし、交通量も少なかったでしょうから、後ろを見たいときは実際に振り返って目視していたのかもしれません。でも、車をさらに速く走らせるためにバックミラーが生まれたとは、いったいどういうことなんでしょうか。バックミラーが一般的になるまでに、車は30年以上利用されていました。人々はハンドルを切って(事故にならないよう)幸運を祈るだけだったのかもしれません。事実、バックミラーが初めて使われたのも安全のためではありませんでした。ドライバーがもっと速く車を走らせるための手段にすぎなかったのです。
ところで、問題1の答えは (B) To win a race が近い気もしますが、まだ確証がありません。 先に 進みましょう。
Back in the day, race cars had a team of two: the driver and a mechanic . The driver drove, obviously, and the mechanic fixed stuff . But here’s the critical thing. The mechanic had one other duty. They directed the driver when the car was clear to pass or change lanes.なるほど!後ろを見るミラーがないわけですから、同乗している 整備 担当が確認する役目を負っていたというわけですね。当時、レースカーには2人のチームが乗りました。ドライバーとメカニックです。ドライバーが運転し、当たり前ですがメカニックは修理を担当しました。しかしここに決定的なことがありました。メカニックにはもう一つの仕事があったのです。メカニックは、追い越しや車線変更の際にドライバーに 指示 を出したのです。
そして、ここに策士が現れます。問題1に出てきた Ray Harroun という人物です。
Ray Harroun was a driver in the 1911 Indianapolis 500, and he was looking for an edge . Ray figured that if he ditched the mechanic the car would be a lot lighter and, therefore , faster. So he borrowed an idea he saw on a horse and buggy: a mirror to change lanes.ここで問題1の答えがわかりました。彼はレースに勝つためにミラーを使った。つまり (B) の To win a race が正解です。レイ・ハルーンは1911年、インディ500に参戦したドライバーでした。彼は強さを探し求めていました。そして考え至ります。メカニックを乗せなければ、車はずっと軽量になり、速く走れると。そこで彼は馬車で見たアイデアを拝借したのです。それが車線変更のためのミラーでした。
レイ・ハルーンはなぜバックミラーを使いましたか。
(A) 子どもたちの様子を見るため
(B) レースに勝つため
(C) 景色を楽しむため
(D) 費用を削るため
問題2の答えの鍵は、続く部分に登場します。
He won the race. But the mirror turned out to be so shaky it didn’t really catch on . It took 10 years for someone else to try experimenting with the mirror: a guy named Elmer Berger.問題2で問われている Elmer Berger という名前が出てきました。続きを見てみましょう。彼(ハルーン)はレースに勝利しました。しかし、ミラーがあまりに不安定で、広く定着するには至りませんでした。エルマー・バーガーという人物が、ミラーを使った試みを行ったのは、その10年後のことでした。
Elmer was an engineer who also like to go really fast, but he wasn’t a race car driver. He just liked to speed. So he created the mirror, and he called it the cop spotter.必要は発明の母といいますが、「警察発見器」とは(笑)。問題2の答えはそのまま、(C) の The cop spotter でした。エルマーはエンジニアで、やはり車を速く走らせたいと思っていました。しかし、レースドライバーではありませんでした。単にスピードを出すのが好きだったのです。彼はミラーを開発すると、それを警察発見器と名付けました。
エルマー・バーガーは発明したミラーのことをなんと呼びましたか。
(A) 運転補助装置
(B) 可動式ミラー
(C) 警察発見器
(D) 速度探知機
さて、車のトリビア歴史探訪の記事はいかがでしたか?
バックミラーにパトカーの警告灯が映って「ああ!無念!」なんてことが起きないよう、GOTCHA!の読者の皆さんは、いつも安全運転でいきましょう!
文:山本高裕(GOTCHA! 編集部)
高校の英語教師を経て、今は編集者として、ときに写真家として活動中。目的地まで急いで行ってものんびり行っても、実はドライブにかかる時間はそんなに違わない。そう理解してから、のんびりドライブ派になりまいた。
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。