英語で「〜かもしれない」を表すとき、多くの人がmayやmightを使います。でも、この2つの違いを“なんとなく”で使っていませんか?今回は3つの視点から、可能性を表す英語のニュアンスをわかりやすく整理します。
目次
この記事で整理するポイント
英語の「〜かもしれない」は、may / might / couldに加えて、probably / maybe / perhapsなどの副詞も関係してくるため、意外と迷いやすいテーマです。実はこの違いのポイントは、“話し手がどれくらい確信しているか(=気持ちの強さ)”にあります。この記事では、初心者・中級者でも感覚としてつかめるように、
- 可能性の強さ
- 話し手の気持ち
- 根拠の有無
の3つの観点からすっきり整理していきます。
まずはクイズ!どれが自然?
次の文の空欄に、もっとも自然なものを入れてみましょう。
(may / might / could / probably / maybeから選んでください)
It’s dark already. It ( ) rain soon.
(もう暗いし、雨が降るかも)She hasn’t replied all day… She ( ) be busy.
(彼女、今日ずっと返信ないね… 忙しいのかも)He ( ) come to the party, but he’s not sure yet.
(彼は来るかもしれないけど、まだわからない)
may と might:話し手の「確信の強さ」が違う
may:可能性は“そこそこある” — 話し手はやや前向き
mayは、話し手が「そうなる可能性はある」と“わりと信じている”ときに使います。
- She may be at the office.
(彼女、オフィスにいるかも)
→ 話し手の気持ち:
「けっこうありそう」と思っている感じ。
might:可能性は“弱め” — 控えめで慎重
mightは、「あるかもしれないけれど自信は薄い」という控えめな表現。
- She might be at the office.
(オフィスかもしれないけど、どうだろう・・・)
→ 話し手の気持ち:
「一応可能性はあるけど…」と慎重な感じ。
may と might の本質ポイント
- 明確な線引きはないが、確信の度合いが違う
- 会話では may のほうが“前向き”、mightは“弱めで丁寧”
- willのように強い意志は入らないが、気持ち(confidence)は確かに入る
could:話し手の気持ちがあまり入らない「幅広い可能性」
couldは「あり得る」という幅の広い推測で、話し手の気持ち(確信度)をほぼ込めないのが特徴。
He could be the right person for the job.
(彼が適任という可能性もあるね)The noise could be from next door.
(この音、隣の部屋の可能性もある)
→ あくまでも 「その選択肢も排除できない」という冷静な可能性。
副詞の「かもしれない」:maybe / perhaps / probably
maybe:会話で最も自然な“カジュアル推測”
- Maybe he’s tired.
(多分疲れてるんじゃない?)
perhaps:丁寧・やや硬め
- Perhaps he’s tired.
(おそらく疲れているのだろう)
probably:可能性は“高め”
- He’s probably tired.
(きっと疲れてるよ)
まとめて比較するとこうなる!
| 表現 | 話し手の「気持ち」 | 可能性の強さ |
|---|---|---|
| probably | 割と確信あり | 強め |
| may | 前向きにあると思っている | 中くらい |
| might | 控えめ・慎重 | やや弱め |
| could | 気持ちが入らない“幅” | 状況による |
| maybe | カジュアルな推測 | 幅広い |
| perhaps | 丁寧・かため | 中くらい |
同じ文でニュアンスが変わる例
He may come.
(来るかも=可能性そこそこ)He might come.
(来る“かも”だけど自信なし)He could come.
(来る可能性もある=幅広い推測)He’ll probably come.
(たぶん来る=可能性高い)Maybe he’ll come.
(多分来るよ=カジュアル)
発展:語順もニュアンス作りのポイント
maybe は文頭が自然
- Maybe he’s right.
(もしかしたら彼は正しいかも)
probably は動詞の前がいちばん自然
- He’ll probably be late.
(たぶん遅れると思う)
クイズの答え合わせ
It may / might / could rain soon.
→ 根拠のある推測ならmay / might。
→ 幅を示すならcould。She might be busy.
→ 自信のない推測→ mightが最自然。He might / could come to the party.
→ 不確定→ 弱めのmight、幅広いcouldのどちらも自然。
まとめ
- may:可能性そこそこ。話し手は“やや前向き”
- might:控えめ・慎重。自信弱め
- could:気持ちを入れず「選択肢の1つ」
- probably:可能性高い
- maybe:カジュアルな推測
- perhaps:丁寧・かため
英語の「かもしれない」は、ただ“可能性”を表すだけではなく、話し手がどれくらいその可能性を信じているか(=気持ち)が自然な英語を作るカギ。この感覚さえつかめば、may / might / couldの違いは一気にクリアになります。
