「英語で学ぶ者」になるための簡易マニュアル【白川寧々】

ねねみそ国外逃亡塾

『英語ネイティブ脳みそのつくりかた』の著者でグローバルに活躍する白川寧々さんが英語を学び、次の一歩を踏み出したいすべての人向けに、新たな可能性を探るための多様な選択肢とそのリアルを語る連載「ねねみそ国外逃亡塾」。今回は連載の書籍化を記念して、特別に番外編をお届けします!

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「英語で学ぶ者」になる方法を超具体的に紹介

TOEFLは、正式名称をTest of English as a Foreign Languageという。つまり、次のような問いかけをしてくる試験だ。

英語が第一言語じゃない君を、うちの学校に入れたところで、ちゃんと「英語で学ぶ者」としてこのコミュニティで活躍する力があるのかね?

英語で高等教育機関レベルの授業を理解し、リーディングをちゃんとできて、レポートも書けて、授業の発言でも貢献できるのかね?

中国や韓国では、この試験の点数を取らせるために隆盛したビリオンダラービジネスもたくさんある。よくまとまってる教科書とか、攻略本みたいなやつ。

でも、TOEFLを力技でほぼ満点叩き出してから自信満々で乗り込んだアメリカ生活にちょこっと苦労し、それを克服したあとにMBAとかで予備校に散々時間やカネを落として点数はナントカ釣り上げたけど、まともな英語は身に付かずに微妙な留学生活を送る、優秀な日本の企業戦士たちの姿を見て、寧々はこう思う。

あなたの英語で学ぶ力を問われてるんだから、最初から素直に「英語で学ぶ者」になればいいじゃん。そもそもあなたの目的は、国外のテリトリーを手に入れて自由に生きる力を得ることであって、自分の慣れ親しんだ勉強法でとりあえずの点数を出すことじゃないんだから。

今、あなたが高校生で、これからするのが大学への学部進学なら、微妙な英語力で渡航しても、優しくしてくれる友達や先生、事務の人とかにすがりまくれば、この先の4年でなんとかなることも多い。

けど、成人の留学で、2年しかない大学院とかに行く上に周りに日本人も多い、みたいなシチュエーションなら、渡航前に英語をなんとかしないと、ぶっちゃけ国外逃亡の意味がなくなるレベルだ。

もちろん、逃亡モチベが高い人、優秀な人は、その能力や力技でいろいろねじ伏せることが可能だが、それでも回り道は時間の無駄なので、本質的な勉強をしようって話。

この連載では英語の勉強についてはあまり語らなかったが、オマケとして「英語で学ぶ者」になる方法を超具体的に紹介しよう。

私のワークショップやオンラインサロンでも使っている方法だ。

動画を見ながら、ここで紹介するワークシートを埋めることで、英語圏で生きていくための知識を獲得しつつ、「英語で学ぶ」「自分の英語で語る」スキルが獲得できる。そのためだけにやることではないが、TOEFLやIELTSの対策にも有効だ。

1. 英語字幕付きの動画を見る

見る動画、テーマは自分の好みで選んでよい。私のおすすめは、本書を含むいろいろなところで語ったとおり。ここでは、MIT+K12 シリーズの名作動画、WORLD WITHOUT FRICTIONを使います。

WORLD WITHOUT FRICTION(摩擦のない世界)

この動画は、内容ももちろんだけど、たった4分ちょいなので、繰り返し見るにもおすすめだ。

2. 見ながら、内容をLOGIC TREE 式にメモ

動画は、当たり前だけど、ただ見るだけじゃない。その内容を、LOGIC TREE 式にメモしてほしい。使うワークシートは次のとおり。

LOGIC TREE

1回目からいきなり完璧に書くのは難しいので、何度も繰り返してOK。ただ、小刻みに止めずに、見ながら、聞きながら書くと、臨場感が出るし、スピードも鍛えられるの。

もちろん、ここに書いた内容は、あくまで一例。自分にとってMAKE SENSEな方法で整理できれば、すごくスッキリするよ。別にARGUMENTが3つじゃなくて、2つとか4つになってもいいし、CONCLUSIONが存在しないコンテンツもある。

TOEFLやIELTSで出てくる内容は、普通、こういう動画よりもロジカルにまとまってるので、メモしやすい。

3. 新しい単語、曖昧な単語を洗い出してググる

こちらがワークシートの続きだ。

ワークシートの続き

この上の方にあるVOCABULARYの欄に、新しい単語、曖昧な単語を洗い出そう。

洗い出したら、検索しつつ、その意味を英語で書いていく。ググれば、辞書的な意味はすぐに出てくるし、辞書的な意味じゃない意味も出てくる。

例えば、知らないけど思わせぶりな単語が、実は「有名なバンドの名前でした!」とかも、知っておいて損はない。寧々のように、知らなくて損ばかりする人にならないでね。単語の意味は、なるべく英語で理解しとこう。どうしてもわからなかったら、日本語でチートしてもいいけど。そのほうが早いこともあるからね。

TOEFLやIELTSは専門知識を問う試験じゃないけど、ここではすべてが「試験に出る」つもりで、専門用語も頭に入れよう。これから先、英語圏で生きていくつもりなら、知る必要のない知識なんて、ほとんどないからね。

4. 学んだことを「自分の言葉」にする

2つ目のワークシートにあるHEY I LEARNED SOMETHING NEW TODAY!というセクションは、学んだことを人に英語で説明できてこそ「英語で学ぶ者」だよね!という、マッチョに見えるけど当たり前過ぎるルールをもとに、動画で学んだことを、TOEFLでも大学でも出題される5パラグラフのエッセーにしてみろっ!という課題。

想像のとおり、素で「やれ」って言われたらきついです。でも、英語を母語とする人でも、できるとは限らないので安心してよい。

マジな話、私がDUKE大学に入学した直後に「ドキュメンタリーを見て授業で習った内容と絡めて5パラグラフで2ページほど書いてこい」という課題が出たのね。

私は、その番組の南部訛りが強過ぎることに苦戦したのだが、本物のアメリカ人たちも、5パラグラフエッセーを書き慣れていなくて苦しんでいた。(だから、結果的には、私の成績は悪くなかった)

たしかにこのやり方はキツイんだけど、大丈夫。超簡単にチートできるやり方があるから!

それは・・・

書かなきゃいけない内容は、さっきメモ取ったやん?それを、左から右に「自分の英語で流すだけ」ハイ終わり

ちょっと待てぇ!自分の英語ってなんのこっちゃぁああ!?って思う人もいるかもしれないけど、そのまんまの意味だよ。

日本語使いのあなたがたは、これまで読んだり聞いたりした日本語表現の中から、自分でしっくりくるやつを選んで、自分で話し言葉や書き言葉に「流用」しているでしょ?

同じような流用を、英語でもやればいい、って話。

流用することで、知識や語彙は「使えるもの」として定着します。読んだり聞いたりしても、「へえ」ってなっただけなら、定着しません。

赤シートとかで散々記憶した「試験に出るターム」を、ほとんど忘れてしまうのは、その後、自分で考えたりするのに使わなかったからでしょ?

「そういやさ、ニケア公会議でさぁ」なんて日常会話に使うのは試験期間中の高校生か、神学を学ぶやつらだけだから。でも、自分の言葉にしたら定着するんですよこれが。

誰かに教えると自分の理解も深まる!という原理とも同じ。ちなみに、自分の妄想やギャグネタに紐づけても定着しやすい。自分の脳みそを深く深く通り抜ければ、その言葉や知識は血肉になるってこと。

エッセーを書く話に戻るけど、英語のライティングとかディベートを1回でも経験したことがある人ならわかるじゃん。

私はFIRST OF ALL,でBODYパラグラフを始めるが好きだけど、あの子はI WOULD LIKE TO BEGIN MY ARGUMENT BY POINTING OUT THAT…と長ったらしく始めるのが好き。

とか。どっちが正解とかなくて、好みと美学じゃん。けど、最初はみんな、典型的な5パラグラフエッセーの正解例とかを読んで、「あ、これ流用しよう」「この表現、いただき!」とかやるわけじゃん。

ここで私の美学を申し上げると、やはりTOEFLとかIELTSにピンポイントで対策したいのではなく、新しいことを学んだ楽しさと、それを人にシェアするときの感覚を大事にしたいので、このセクションの名前は、「HEY I LEARNED SOMETHING NEW TODAY!」にしている。

自分の友達や家族に、新しく習ったこれを楽しく伝えるには、どう紹介したらいいんだろう?

書き言葉で説明するなら、どうしたらいい?

この動画はわかりやすさと楽しさを追求して体当たりなことをたくさんしていたけど、自分だったら何をどう工夫するだろう?

そんなことを考えながら、間違ってもいいから、書いてみてくださいね。

続きはこちらで!(Facebookページを作りました)

書籍刊行を記念して、「国外逃亡塾」Facebookページが立ち上がりました!グループでは寧々さんに質問や相談ができ、イベントも盛りだくさん。興味のある人は覗いてみよう。

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白川寧々さんの本

▼新型コロナ禍に揺れる日本人が、それでも現実的に希望と活路を見い出すために必要な勇気と知識を詰め込んだ冒険指南書!

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英語ネイティブ脳みそのつくり方

英語ネイティブ脳みそのつくり方

  • 作者:白川 寧々
  • 発売日: 2019/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

白川寧々

白川寧々 http://taktopia.com/

タクトピア株式会社共同経営者・北米代表。華僑。日中英のトライリンガル。6歳で来日後、日本国籍取得。フェリス女学院中学・高校時代に独学で英語を学び、米国デューク大学に進学。卒業後、米国大手コンサルティングファームを経て、マサチューセッツ工科大学(MIT)MBA修了。在学中にMITの「創造しながら学ぶ」教育理念を英語学習に取り入れ、実践的英語習得メソッド「Native Mind」を開発、MITソーシャルインパクト財団より出資を受ける。2015年にタクトピア株式会社、2017年に世界の10代向け起業家教育プログラム「FutureHACK」を創設。グローバルキャリアと日中英の3言語能力を生かして現在までに世界20カ国、累計1万5千人の学生に対してアントレプレナーシップ教育を行う。2018年に「教員をグローバルリーダーに。」というミッションの基、「Hero Makers」を創設。同事業は経済産業省「『未来の教室』実証事業」に採択された。

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