英語を話すのは「英語圏の人」だけではありません。「ノン・ネイティブ」の多種多様な英語を、世界を旅するように楽しみましょう!
今回のスピーカー
Dorota Petrouさん
30代/学生
イギリス滞在歴 18年
聞き取りの難易度(1:易→5:難) 2
音声を聞いてみよう!
※音声には、インタビュアーの声も含まれています。
※発言されるべき部分で抜けている箇所を( ) で、言い間違えている部分で本来の正しい表現を[ ] で、英文中に補足しています。
Q. 出身地について教えてください。
I really love music, so I (will) tell you about a famous (3)composer some people might know. His name is (4)Zbigniew Preisner, and he composes film music. So , one of the movies he, composed music for , it’s, um, (5)Three Colours. Actually (it) is a (6)threelogy of the movies. And he composed the music for them, and his music is absolutely beautiful.
私は音楽が大好きなので、ご存じの人もいると思いますが有名な作曲家についてお話ししますね。彼はズビグニエフ・プレイスネルといって、映画音楽を作曲しています。そして彼が音楽を担当した映画の一つは、「トリコロール」です。実はこの映画は三部作なのですが、音楽はすべて彼が作りました。この上なく美しい音楽です。
(1)Poland ポーランド ★ヨーロッパ中央部に位置する共和国。首都はワルシャワ。 (2)Krakow クラクフ ★ポーランド南部の古都。 (3)composer 作曲家 ★ 後出の compose は動詞で「~を作曲する」の意。 (4)Zbigniew Preisner ズビグニエフ・プレイスネル ★(1955- )。 ポーランドの作曲家で、「トリコロール」三部作などのクシシュトフ・キェシロフスキ監督(1941-1996)の映画音楽で知られる。 (5)Three Colours ★キェシロフスキ監督の「トリコロール」三部作を指す。colourはイギリス式つづり。アメリカ式ではcolor。 (6)threelogy ★正しくはtrilogy(三部作)。
Q. 仕事や学校について教えてください。
(7)nutritional therapy 栄養療法 ★ 後出のnutritionistは「栄養士」の意。 (8)College of Naturopathic Medicine ★イギリス、ロンドンにある自然療法を学ぶ専門学校。 (9)a ★正しくは不要。
Q. 好きなことについて教えてください。
(10)cookery book 料理本 ★イギリス英語。アメリカではcookbook。 (11)the ★ 正しくは不要。 (12)Polish ポーランドの
Q. 英語学習について教えてください。
(13)A level ★= General Certificate of Education Advanced Level (一般教育修了上級レベル)。イギリスなどで「大学入学レベル」にあることを示す。 (14)be terrified to do ~するのが怖い (15)socialise 付き合う ★イギリス式つづり。アメリカ式ではsocialize。 (16)flatmate 同居人 ★イギリス英語。アメリカではroommate。 (17)realise ★イギリス式つづり。アメリカ式では realize 。
解説:流暢なイギリス式発音の英語
ヨーロッパではイギリス英語を学ぶことが一般的ですが、Dorotaさんはその発音がしっかり身に付いています。例えば、city、lot、writingなどのはっきりした/t/の発音、 compose の-o-、know の-owなどの発音、composer、Preisnerなどの語尾発音に/r/の音色が入らないこと、Collegeの-o-、after のa-、lot の-o-の発音などは、イギリス式発音の特徴です。リズムやアクセントも含め全体として流暢で聞き取りやすい話し方ですが、galleriesの-a-がより大きく口を開く/a/で発音されたり、movies、Colours、papers などの語尾が無声音の/s/になるなど、いくつか特徴的な発音も見られますので、注意して聞き取りを行いましょう。
龍谷大学教授。イギリス、リーズ大学大学院修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了、博士(言語文化学)。専門は音声学、言語学、英語教育。著書に 『英語で歌おう! スタンダード・ジャズ』 『「世界の英語」リスニング』 (いずれもアルク)がある。
本記事は『ENGLISH JOURNAL』2018年6月号に掲載された記事を再編集したものです。