どんなに英語を学習しても意外と言えないのが「身の回り」の出来事。キムタツ先生印の「クイックレスポンス」トレーニング(日→英を高速変換)で「言いたいことを英語で言える」ようになりましょう!
第2回 日常生活編
皆さん、こんにちは。木村達哉です。今月のテーマは日常会話や独り言を取り上げました。こんな言い方をするのか! というものがあるのでは?下の 手順 に沿って、Let’s get started!
「クイックレスポンス」トレーニングの 手順
- それぞれの表現を確認します。わからない単語や文法があれば、印を付けておきましょう。
- 音声を聞き、表現の意味や発音を確認します。その後、自分で英文を読み上げ、自信のない箇所は音声を聞き直して再確認しましょう。
- 音声の英語に合わせて10回ほどシャドーイングしましょう。ネイティブスピーカーと同じように発音することが目標です。
- 何度も声に出して読み上げ、英語と日本語をセットにして、しっかりと表現を覚えます。
- 日本語だけを見て、即座に英語の表現が言えるようになるまで頭にたたき込みます。何度も何度も反復して練習しましょう。
- 音声を流し、日本語が聞こえたら、英語の音声が聞こえてくる前に、自分で英語表現を口に出してみましょう。
Japanese
- ビールを買って帰ろうっと。
- ゆっくりお風呂に浸かってきたら?
- 二度寝してしまって。
- この荷物、宅配便で送ってくれる?
- 妻はいつもネットで服を買っているんです。
- 俺、ひげが伸びるのが速いんだよね。
- このスーツはクリーニングに出すよ。
- 部屋の片づけを手伝ってくれないかな。
- 食べ過ぎると太るよ。
- なんだか今日は何もする気になれなくて。
English
- I’ll pick up some beer on my way home.
- How about taking a nice long bath?
- I fell back to sleep.
- Can you send this parcel by express delivery ?
- My wife always buys clothes online.
- My beard grows quickly.
- I’ll take this suit to the dry cleaner’s.
- Please help me tidy the room.
- You’ll get fat if you eat too much.
- I have no desire to do anything today.
クイックレスポンス=『使えるレベル』を目指せ!
I’ll pick up some beer on my way home. という英語を読んで、「どういう意味だろう。えっと、帰る途中にビールを……ちょっと拾い上げるイメージなのかな」などと考えながら意味をつかむのがひと昔前の英語学習でした。僕が若い頃に通っていた予備校では、「前後の文脈から意味を推測しなさい」と言われたものです。でも、いざ社会に出てからは、「 そんな悠長なことを言っていたらまったく使えないよ 」と言われて愕がく然ぜんとしたものです。
I’ll pick up some beer on my way home. という英語が耳に入った瞬間に意味を理解できないと、この表現が会話で使われた場合、対応できないということになります。日本語を英語に訳す場合でも同様です。「英語ではどういう表現を使うんだろう」と立ち止まってしまった瞬間に、沈黙が訪れてしまいます。僕が受験生だった頃は「前後から推測」というやり方でもよかったのですが、実際に 英語を使って何かをするとなると、クイックレスポンスの習慣を身に付けておかないといけない ということです。
そう言う僕は、「これって英語では何と言うんだろう」と思ったら、職員室で隣の席に座っているネイティブスピーカーに「こういうときって、英語では何と言うんや?」と関西弁で(笑)尋ねるようにしています。
ただ、教えてもらって「これは英語ではこう言うのか」と 納得するだけで終わってしまうと、きっと忘れてしまう でしょう。脳に刷り込んで、使える段階まで持っていかねばなりません。僕の場合は、手のひらサイズの専用ノートを作って、左ページに英語を書き込み、右ページに日本語訳を書き付けています。それを『My ユメタン』と名付けて重宝しているのですが、その 『My ユメタン』をバッグの中に常に入れておいて、時間が空いたときに何度も眺める ようにするのです。この『何度も眺める』というのがポイントです。
反復回数は意識しますが、「覚えなければ!」と思うとストレスが溜た まりますので、むしろ眺めるだけです。書かれている表現の全部を覚えているわけではありませんが、何度も眺めているうちに だんだんとクイックレスポンスできるものが増えてくる のです。
英語→日本語も日本語→英語も即座に言えるようにならないと「使えるレベル」まで達しているとは言えません。皆さんも自分だけの『My ユメタン』を作ってみてはいかがでしょうか。市販の単語集を使うよりも、自分にぴったりの英語表現を身に付けることができますよ。
これもついでに覚えてしまおう!
- credit card statement (カードの請求書)
- two-family home(二世帯住宅)
- household Buddhist altar (家にある仏壇)
- bargain-basement(特売の)
- give a room a makeover(部屋の模様替えをする)
- take the laundry in(洗濯物を取り込む)
- have some snacks(おやつを食べる)
- do up a tie(ネクタイを締める)
- The drainage pipe is clogged(. 排水口が詰まっている)
- She sprayed a cockroach with insecticide.(彼女はゴキブリに殺虫剤をかけた)
本記事は『ENGLISH JOURNAL』2018年5月号に掲載された記事を再編集したものです。