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【2022年春号】信じてやり抜けば結果はついてくる!カリスマ講師イチ押し TOEIC&やりなおし英語教材 最新セレクション/濱崎潤之輔×ヒロ前田特別対談

TOEICチャート

やりなおし英語チャート

TOEIC L&Rテストでの満点(990点)取得は70回以上!数々の企業・大学で講師を務める濱崎潤之輔さん。その濱崎さんが実際に購入・使用し、自信を持って“推せる”教材だけを厳選して掲載した、2種類のチャートの最新版が発表となりました。「TOEIC教材チャート」と「やりなおし英語教材チャート」それぞれの内容や制作秘話をうかがうとともに、TOEIC指導のカリスマ・ヒロ前田さんとの特別対談をお届けします。

ヒロ前田さんとの出会いで劇的な変化が生まれた

――昨年もEJOでこのチャートをご紹介していますが、最初に濱崎さんがこれらを作り始めたのはどのようなきっかけだったのでしょうか?

濱崎潤之輔(以下、濱崎) もともとは僕の個人ブログで、自分が実際に使った教材を載せていたんですよ。チャート形式になったのは、当時勤めていた会社で担当したTOEIC教材の宣伝を兼ねて、オススメの教材一覧を作ったのがきっかけですね。最初、ブログには使ったもの全部を上げていましたが、2007年に前田先生の「3回チャレンジ法」*1に出会ってからは方針を変更しました。

ヒロ前田(以下、前田) 濱崎さんが僕のセミナーに参加者として来てくれたんです。

濱崎 そこで色々質問したところ、勉強の仕方にダメ出しをされまして(笑)。当時はamazonで手あたり次第、何十冊も買っていたんですけど、それからは書店に足を運んで教材を厳選するようにしたんです。それでブログもチャートも、自分がやって本当によかったものしかアップしなくなりました。

前田 ダメ出ししたことは僕もよく覚えてます。でも勉強法についてアドバイスすることはよくあるものの、当時、実際に行動に移した相手は濱崎さんだけでした。毎週のように新しい教材を買うんじゃなく、吟味して買ったものを3カ月くらいやり込む、っていう。それで実際にスコアも伸ばして、ブログで発表されてましたね。

濱崎 そうです、900点が最終ゴールのつもりが970点も取れて。結果的に990点満点っていう次の目標ができたから、すごく大きな影響でした。学習者の皆さんにも、チャートに載ってる教材で気になるものがあったら、書店で実際に手に取って中身を見てからにしてほしい。やっぱり、自分の目で見て「これがいい」「自分に合いそうだ」「面白そうだ」と思って選んだものが一番続くと思うので。

前田 教材の取り組みに関して言うならば、よく「試験日までに最後のページを終わらせる」ことをゴールだと捉えている人がいますが、それは根本的に間違った考え方です。教材を選んだら、一度最後まで終わらせるのは第1ステップに過ぎません。次に、苦手なものやわからない問題を解けるようにするのが第2ステップ。そして、さらに早く解けるようにする、または他人に解説できるようにするのが第3ステップですね。そこまで行って初めて「終わらせた」という言葉を使えると思います。最後のページまでたどり着くことがゴールではない、これは覚えておいてください。

TOEIC攻略には「文法」と「単語」が不可欠

――続いて、TOEIC教材チャートを見ていきたいと思います。今回は新たに『英英英単語 TOEIC(R) L&Rテスト スコア990』『TOEIC(R) L&Rテスト 詳説英文法』の2冊が加わりました。それぞれのポイントについてお伺いします。

濱崎 監修で関わった『英英英単語 TOEIC(R) L&Rテスト スコア990』は、TOEICの公式教材や問題集を徹底分析して集めた難単語を800語取り上げています。最大の特徴は、単語の語義を英語で説明していること。英英辞典のように使えるので、中~上級者の方がさらに上、満点を目指して学べるものになっています。僕が執筆した『TOEIC(R) L&Rテスト 詳説英文法』は、初~中級者の方が無理なく解き切れるよう、収録問題を厳選して70問にしました。1冊やり切ることで頻出の文法事項をすべてカバーできますし、学習や試験本番に役立つコラムや周辺情報もたくさん入っています。

前田 文の要素を理解するために細かいチャンク(句)ごとのスラッシュ区切りと対訳が入っているだけでなく、問題文を英語の語順のまま理解するためのスラッシュ区切りも掲載しているんですね。まだ学習の初歩段階にいる人が、英語をカタマリごとに前から読む癖が身につくよう工夫されています。

濱崎 ありがとうございます。問題数を絞った分、そうした構成や解説の丁寧さは欲張って、学習者の皆さんの役に立てるように作りました。

ハマーチャート画像

ハマーチャート記事画像

英文法についてのわかりやすく丁寧な解説に加えて、頻出語句も学べる構成となっている。

――濱崎さんは常々、TOEIC対策としてまずは「文法と単語」をしっかり学ぶことが重要だと話されていますね。

濱崎 ええ。単語の分野で言うと、『TOEIC(R) L&Rテスト やたらと出る英単語クイックマスター +』『TOEIC(R) L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』、この3冊は前回に引き続きオススメしたいので残しています。中でも『クイックマスター +』は、付属の音声を聞くだけでも勉強になる構成なので好きですね*2。もちろん本も使った方がより効果が出ますが、スキマ時間に音だけでも聞いて学習を積み重ねていけると思います。

――音声を聞くというお話が出ましたが、リスニング教材についても少しお話しいただけますか。

濱崎 『TOEIC(R)L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング2』*3は、5段階に変速させたリスニング問題を収録してますよね。2.5倍速、2倍速、1.5倍速、等倍、0.7倍速の5つ。僕は普段、ポータブルのオーディオプレイヤーについてる変速機能を使ってリスニング問題をやりますが、そういう機器がなくても、流すだけで可変した音声を聞いて特訓できるところが工夫されていると思います。

前田 倍速音声で聞いてリスニング力を鍛えるっていうのはよく話題になります。でも、わざわざプレイヤーやアプリなどの変速機能を使って聞く“ひと手間”を惜しんでやらない人のほうが圧倒的に多い。そのほんの少しの手間を教材が省いてあげてるのは、魅力として大きいでしょうね。

濱崎 速い音声を聞くと耳を鍛えられるだけじゃなく、短くなって浮いた時間分さらにたくさん勉強できるのが、何より大きいメリットだと思います。スキマ時間や、ながら勉強にもピッタリですね。

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スコアUPに導く公式問題集と模試の活用法とは?

――TOEICの公式問題集についてはいかがでしょうか。昨年10月に最新の『問題集8』が発売されました。

濱崎 学習者の中には、問題集1から順番に解きたがる人も少なくないそうです。でも、やるなら最新版からさかのぼって取り組むべきだと思います。というのも、僕の体感ではありますが、やはり新しいものの方が、より本番の公開テストの難易度や傾向に沿っているからです。たくさん問題をこなしたい場合は、4~8をやるといいんじゃないでしょうか。

前田 公開テストは毎月のように行われているわけで、最近出たものを除外する理由はありませんよね。

――前田さんには弊社刊行の『TOEIC(R) L&R テスト 究極の模試600問 +』を執筆いただきました。こうした模試の教材はどのように活用するのがいいでしょうか?

前田 もし公開テストを1回だけしか受けないんだったら、公式問題集の方を優先してやるべきだと感じます。相手(TOEIC)の姿を知るためには、主催者が出している教材を1冊買ってしっかり解く。でも、今後も2回、3回と受験してスコアアップを目指すとか、公式問題集を1冊なり2冊なり終えたというのであれば、『究極』のように、解説やトレーニングが充実した模試教材を取り入れるといいでしょう。トレーナーについてもらってさらに鍛えていく、練習していくイメージです。

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8

  • 作者:ETS
  • 国際ビジネスコミュニケーション協会
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英語の成功体験を与えてくれた大西泰斗先生へのリスペクト

――『総合英語 FACTBOOK これからの英文法』に関しては唯一、TOEIC教材チャートとやりなおし英語チャートのどちらにもリスト入りしていますが、これはどういった理由からですか?

濱崎 TOEIC対策はもちろん、資格や試験以外の英語の学び直しにも、辞書代わりに使える文法書って1冊あった方がいいんですよね。僕も『FACTBOOK』を実際に使ってますが、学習者が押さえるべき文法事項がしっかり網羅されてますし、イラストも豊富で見やすく、とてもわかりやすい内容になっています。

――他に、やりなおし英語チャートに新しく入ったのが『それわ英語ぢゃないだらふ』と『大西泰斗の英会話☆定番レシピ』の2冊。『FACTBOOK』と同じく大西泰斗先生による教材で、濱崎さんの大西先生への強い思いを感じます。

濱崎 そうですね(笑)。僕自身が実際に大西先生の著書や教材で勉強して、それが成功体験のもととなっているので。『それわ英語ぢゃないだらふ』は、例えば時制の未来を表す表現とか、日本人にとってあやふやな部分についての疑問を解決できる本として入れました。『大西泰斗の英会話☆定番レシピ』はNHK Eテレの語学番組のテキストで、定期購読しています。この「定番レシピ」が結構難しくて!役者さんのスキットがあってそれを解説していくという内容ですが、容赦ないスピードでベラベラ会話しているので、ついていくのが大変かもしれません。大西先生は『ラジオ英会話』も4年ほど担当されていて、そちらもレベルが年々高くなっていると感じますね。

前田 僕は『30歳高卒タクシードライバーがゼロから英語をマスターした方法』が気になります。

濱崎 僕も個人的に気になって買ったんです。タイトル通り、タクシードライバーが英語を勉強して会話ができるようになって、スピーチコンテストに出て入賞までするっていう経歴の方で。ゼロから始めてもこんなに上達できるんだということがすごく具体的に書かれていましたね。

「今度こそ」の思いを成果に繋げるために

――濱崎さんと前田さんのもとには、このタクシードライバーさんのように「英語をマスターしたい、一からやり直したい」と考える人からの相談がたくさん寄せられていると思います。そんな声に対して、特に薦めたい教材や伝えたいメッセージをお願いできますか。

濱崎 あえて1冊だけと言うなら・・・関正生先生の『カラー改訂版 世界一わかりやすい英語の勉強法』かな。英語をやり直すにしても、そもそも勉強法を知らない、わからないっていう人も多いと思うんです。この教材は、「勉強とはこうやるんだ」っていうのを体系的に教えてくれます。それから、やりなおし英語チャートは入門から上級レベルまで4つに分かれてはいますが、“やりなおし”ですから、初級~中級者の方にとっても、「今度こそ最後までやり切ることができる」ものを選びました。最初の方でもお話ししたように、ぜひ書店に足を運んで自分にピッタリの教材と出会っていただけたら嬉しいですね。

前田 「5年後、10年後に自分はどうありたいのか、どういうスキルを得たいのか」というゴールをイメージしてください。試験でいい成績を収めるのも一つのゴールだし、海外に行って生活するのも、日本にいながら海外ドラマを字幕なしにすいすい理解できるのもゴールです。そういう「心からなりたいと思える自分の姿」があるなら、そっちの道に連れて行ってくれるような教材あるいは手本となる人を信じて、とにかくやり切る、学び尽くす。それこそが成果を出す最短のコツでしょう。最短と言っても、5年、10年はかかるものですから、それも知っておいてほしいですね。「1カ月でペラペラ」とかまず嘘ですし、1年くらいで“やりなおし”と言ってもモノにはなりません。得たいスキル、なりたい自分から逆算して自分の道を決める。これからはそんな風に考えて取り組んでほしいと思います。

――お二人とも、励みとなるメッセージをありがとうございました。

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濱崎 潤之輔
大学・企業研修講師、書籍編集者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。明海大学や獨協大学、早稲田大学EXT、ファーストリテイリングや楽天銀行、エーザイやSCSK、オタフクソースなどの企業でTOEIC L&Rテスト対策研修講師を務める。TOEIC L&Rテスト990点(満点)を70回以上取得。『 TOEIC L&Rテスト990点攻略』(旺文社)、『改訂版 中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)など、著書・監修書は70万部以上の実績を誇る。「濱崎TOEIC研究所オンラインサロン」主催。
・濱崎TOEIC研究所オンラインサロン: https://peraichi.com/landing_pages/view/hummertoeicsalon/
・Twitter: @HUMMER_TOEIC
・Instagram: junnosuke_hamasaki
・TOEIC L&Rテスト 長文パート対策セミナー http://tz-eigolounge.jp/news/2021cho/

ヒロ前田
TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEIC対策指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEIC L&Rテストの受験回数は120回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。取得スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』(アルク)、『TOEIC(R)テスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEIC(R)テスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)などが、動画商品に「TOEIC L&Rテスト長文パート対策セミナー」がある。
Twitter:https://twitter.com/hiromaeda

*1:ヒロ前田さんが2007年に発表した学習法。同じ模試に違うアプローチで3度取り組むことで、自分の現在の実力を見極め、弱点を発見し、補強することができるというもの。具体的な進め方については、こちらの記事やヒロ前田さんのブログ記事をご覧ください。

*2:例文・見出し語を英語と日本語で収録。また、各例文についての講義音声もあります。

*3:『鬼の変速リスニング』は1と2があり、学習法は同じです。チャートに掲載されている「2」は2016年導入の新形式問題を含んでいるため、これから取り組むなら「2」がお薦めです。