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英検1級対策!2次試験までの学習計画の立て方と効果的な進め方は?

英検1級対策

これまで英検1級に18回合格した経験のあるJunさんが、英検1級のライティングとスピーキングの対策を解説してくれました!

こんにちは、英語ジム らいおんとひよこ®代表のJunです。「英検1級ライティング&スピーキング対策講座」最終回の今回は、英検1級のライティングとスピーキングの対策についてまとめておきたいと思います。また、第3回で募集したライティング課題のご応募いただいた英作文について講評もいたします。

学習計画の立て方と進め方

英検1級は一次試験に合格するのもかなりハードルが高く、一次試験の準備をしていると二次試験までは手が回らない方がほとんどだと思います。でも、英作文対策と二次試験対策は並行してやるのが効率的です。英作文対策が二次試験に利用できるからです。

ということで、これから一次試験にチャレンジをするという方は、二次試験も視野に入れて準備を進めてください。二次試験だけ残っているという方は、そこに全エネルギーを注いでください。学習計画を立てる際に確認することは2つあります。

・試験日まであと何日かを確認

・苦手な部分は何かを把握

試験日までの日数は多ければ多いほど良いですが、本当に直前になってから焦る方も少なくありません。このように、「残り2週間しかない!」という場合でも、慌てずに可能な限り試験日まで時間を確保してください。

たとえば、朝30分だけ早く起きる。朝の情報番組を見ないで試験準備をする。通勤時間のうち5分でも勉強にあてる。バス停や駅のホームでのほんのわずかな待ち時間もムダにしないという意識が大切だったりします。会社で同僚とランチに行く習慣があるなら、残り2週間だけは事情を説明してランチの時間を短縮することもアリかもしれません。私はよく食事は5分で済ませて、残りの昼休み55分をテスト勉強に使っていました。帰宅時の電車でも、疲れていても眠くても、短期集中と覚悟を決め、試験準備を進めます。帰宅後も食事や入浴は可能な限り短縮し、テストに集中してみてください。2週間くらい湯船につからずシャワーだけにしても、大きな影響はないかと思います。

もちろん、それぞれのライフスタイル・家庭の事情もあるので、全員が全員できないことも理解しています。しかし、お伝えしたいことはそれくらい本気で挑む必要があるということです。長い人生のたった数週間、合格に向けて必死で頑張る期間があっても良いはずです。ちょっと気を抜いてサボってしまったことが原因で再受験、なんてことになると受験費用もかかりますし、貴重な時間も奪われることになります。

そして、次に考えるのは「苦手」を把握することです。英作文や英会話はできるけど、与えられたトピックについて全然アイディアが浮かばないという方は、どんなお題がきても解答できるだけの知識を蓄えるようにしてみてください。逆に、アイディアはあるけど、それを英語にすることがうまくできない、という方は、書く練習・話す練習をもっとするしかありません。やみくもに練習をするのではなく、自分のスキルのうち、何を強化する必要があるかを意識して、日々のトレーニングに取り組んでください。この2つのポイントを確認してから、学習計画を立てることが重要です。

一次試験と並行して二次試験の対策をするなら、論点が3つ含まれた英作文原稿を書いて、添削してもらったものを音読・暗唱しつつ、二次試験でも使えるアイディア、フレーズ、語彙を増やしいくと効果的です。

具体的にはどんな学習方法が効果的?

書くときや話すときに使える語彙数を増やそう!

運用語彙、つまり書くときや話すときに使える単語や表現の増やし方としては、「日→英で覚えること」、そして「文で覚えること」が重要です。

単語を覚えるときは日本語の意味を見て、瞬時に単語を言えるように覚えます。また、使いたいフレーズや表現も同様に、日→英で瞬時に文ですらすら言えるように覚えます。単純に、英→日で単語の意味だけを覚えるより、はるかに負荷が高くなりますが、目に見えて使える語彙が増えていくのが実感できます。これを少なくとも3カ月は続けてみてください。

アイディアが浮かばない人は何をすべき?

アイディアや論点については、日頃から日本語でいいので、幅広い情報にアクセスするように心がけましょう。ポイントとしては「浅く広く知っておくこと」です。専門的な知識は一切不要です。日本語の情報であれば、小学生や中学生が読むような記事でも、十分に役立ちます。最終的には、英語で説得力のある内容を書いたり話したりする必要があるので、難しい情報だけ知っていても、それをうまく英語にできなくて失敗するケースが多いです。簡単な内容であれば、理解も早く、説明もしやすいので効果的です。

添削してくれる人がいない場合は?

英作文もスピーチの原稿も添削してもらったものを音読、暗唱するのが良いですが、もし、添削できる人が周りにいない場合は、「英文添削」などで検索して、オンラインのサービスを利用しましょう。自分の書く癖や、間違いやすいポイントを指摘してもらって、英語の精度を高めることができます。合格不合格は抜きにして、英語力を磨くためにはここでの出費は惜しまないほうがいいでしょう。

ただ、どうしてもお金をかけたくない、という場合は、Grammarly ( https://app.grammarly.com/ ) というウェブサイトでチェックをしてみると、文法エラーを発見することや、パラフレーズ候補を見ることもできます。無料版・有料版どちらもあるのでお薦めです。

お薦め英作文問題対策本は?

『英検1級英作文問題』 (旺文社)

英検1級の英作文の書き方を初歩的なところから説明してくれています。受験が初めての方でも安心して使える一冊です。別冊で時事についての知識補強教材があることもお薦めポイントです。

遠田和子『究極の英語ライティング』 (研究社)

どんなふうに英文を書けば洗練された文章になるかが一つ一つ細かく順を追って説明されています。日本人が書きがちな(文法的に合ってはいるけど)冗長な文や、ネイティブから見ると不自然な文をどうやって、かっこいい文にするか書かれています。

鈴木健士『ここで差がつく! 英文ライティングの技術---英語は「I」ではじめるな』(テイエス企画)

英語らしい英文を書くための37のテクニックを一つ一つ丁寧に練習できる本になっています。学習したことを実践で使えるようになる練習までが含まれているので、この1冊で英作文のクオリティーをグンとあげられる書籍です。

お薦め面接対策本

『14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題』(旺文社)

2021年5月に発売されたばかりの予想問題集です。付録のDVDでは面接の様子を具体的にイメージできるので、初めて受験される方にお薦めです。11個のトピックについての模範スピーチが収録されており、質疑応答セクションの予想問題と模範解答もあります。

『英検1級 面接大特訓』(Jリサーチ出版)

暗唱してそのまま使えるスピーチや、質疑応答セクションで使える例文が短文練習として掲載されています。すべての短文をすらすら言えるように練習をしておくと、スピーチや受け答えが安定してきます。付録で切り取って使えるフラッシュカードが付いているので、一人で面接の練習をするときにも便利です。

ライティング応募作について講評

それでは、「第3回:英検1級ライティングの実践」でご応募いただいた英作文を添削、講評させていただきたいと思います。ペンネームさいさん、ありがとうございます!

英検1級ライティングの実践:Should more be done to increase awareness of cybercrime?

(ご応募いただいた英作文)

Today, Cybercrime is one of vital issues in our society. As the internet grows and people rely on it more, Cyber cracking causes enormous damage to the governments, companies, and individuals. I think awareness of cybercrime should be increased more.

First, few people know the idea of cybercrime. In a survey conducted to find out whether people know the term cybercrime, just 23% know that word. This research indicates that almost all people do not understand the menace of cybercrime, which may devastate the basis of our social infrastructure.

Second, sufficient measures for cybercrime are still not implemented. Although implementation of countermeasures for cybercrime needs a lot of experts of computer science, the shortage of these professionals still exists. In addition, many companies are reluctant to apply the budget to this domain which does not drive their business directly. insufficient awareness of online cracking exacerbates these circumstances.

Third, cybercrime is still increasing. Some research shows that the security incidents in companies are skyrocketing in recent years, as industries of the internet grow. People should shift more attention to this fact, focusing on the offender’s activity and new cracking technology.

For the reasons mentioned above, I believe awareness of cybercrime is insufficient. Effective measures such as the improvement of education and the spread of the information must be done.

(添削結果)

Today, cybercrime is a vital issue in our society. As the internet grows and people rely on it more, cyberhacking causes enormous damage to governments, companies, and individuals. I think awareness of cybercrime should be increased more.

First, few people know what cybercrime is. In a survey conducted to find out whether people knew the term, just 23 percent said they did. This research indicates that most people do not understand the threat posed by cybercrime, which may devastate the basis of our social infrastructure.

Second, sufficient measures against cybercrime are still not being implemented. Although the implementation of such countermeasures for cybercrime needs a lot of experts in computer science, the shortage of these professionals still exists. In addition, many companies are reluctant to apply money from their budgets to an area that does not affect their business directly. An insufficient awareness of online hacking exacerbates these circumstances.

Third, cybercrime is still increasing. Some research shows that cyberattacks against companies have been skyrocketing in recent years, as industries using the internet grow. People should shift more attention to this fact, focusing on offenders' activities and new hacking technology.

For the reasons mentioned above, I believe awareness of cybercrime is insufficient. Effective measures such as the improvement of education and the spread of the information must be done.

いただいた英作文は語数が218語と200〜240語の範囲を満たしており、理由(論点)を3つ挙げることもできています。またパラグラフの数や構成も、”Introduction, main body, and conclusion”となっていてクリアしています。まずはこれが重要です。

その上で、与えられたお題に対しても、明確にご自身の意見と立場を表明し、3つの論点も「人々の認知度が低い」「専門家が少ない」「サイバー犯罪の増加」という全く異なるポイントで、お題からずれることもなく書けているのが素晴らしいです。「うまく書けた!」と思っても、実は論点が重複していたり、いつのまにかポイントがずれていたりすることがよくあるのです。

細かい部分については、時制や、どの前置詞が適切か、または、どんな表現がよく使われるかを確認してみてください。適切な表現を選んで使うために、インターネット上には無料で便利なツールがたくさんあります。たとえば、Ngram ViewerNetspeakSKELLなどです。最近のオンラインツールは見ただけで直感的に使えるものが多いので、詳しい使い方についての説明は省きます。どんどん利用して英語での表現力を高めていきましょう。

以上です! 全6回の「英検1級ライティング&スピーキング対策講座」、お付き合いいただきありがとうございました。英検1級合格に少しでも役立てばいいなと思っております。皆様の合格、応援しております。

Junさんの書籍

【音声DL付】 英検1級合格マップ

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  • 作者:Jun
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: 単行本
 
 
 

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Jun

Jun英語ジム らいおんとひよこ® 代表。 SEとして10年以上IT業界で勤務後、オンライン英語スクール「英語ジム らいおんとひよこ®」を立ち上げる。英検1級に18回合格、TOEICでは990点満点を21回取得し、英語発音指導士®︎の資格も保持。運営するYouTubeチャンネル「ヴィダロカTV」では、英語学習者に役立つ情報を発信している。 言語学習好きで英語以外にスペイン語・中国語・韓国語も勉強中。Twitter:@Jun_suerte